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ツインモーター4WD搭載、三菱自動車の最新SUV「新型アウトランダーPHEV」で安心の雪道性能を実感
- 提供:
- 三菱自動車工業株式会社
2022年2月18日 08:00
2021年12月の発売以来、完成度の高さを評価する声が日増しに高まっている三菱自動車の新型「アウトランダーPHEV」。3代目となった新世代のアウトランダーPHEVはプラットフォームから一新。「DYNAMIC SHIELD(ダイナミック・シールド)」と呼ばれるデザインも力強くなり、先進のSUVらしいものとなった。5人乗りに加え7人乗りモデルを用意するなど、使い勝手のバリエーションも増えている。
アウトランダーPHEVを特徴付けるツインモーター4WDのPHEVシステムもコンポーネントを進化させており、駆動用バッテリの出力を約40%高めることで極力エンジンを始動せずにEV走行の維持を可能としている。より長く、さまざまなシーンでEV走行距離が増えている。
ツインモーター4WDのモーター出力もフロントは60kWから85kWへ、リアは70kWから100kWに強化されているほか、直列4気筒DOHC 2.4リッターのMIVECガソリンエンジンの98kWという出力も組み合わせて走ることができる。アウトランダーPHEVはデビュー当初から高度な制御機構を持っていたが、バッテリやモーターなど、とくにEV要素を刷新してきたことになる。これらによりEV走行換算距離はMグレードで87km、PとGグレードでは83kmと長距離化しているほか、ガソリンタンク容量も従来の45Lから56Lに増えているので、ロングドライブの安心感もさらに高くなった。
アウトランダーPHEVは、オフロード性能に豊富な知見を有する三菱自動車の最新SUVとして、凹凸の激しいダートやぬかるみなど、あらゆる路面を力強く駆け抜ける性能を持ちながら、舗装路面での快適性をも兼ね備えている。であるならばコントロールの難しい雪道においても、それらの路面と同様に高いポテンシャルを発揮してくれるのではないか、と期待してしまう。
そこで今回はアウトランダーPHEVの4WD性能を体感するため、長距離&雪道ドライブを敢行。国内ラリーや国際ラリーの活躍などで知られるモータージャーナリストの日下部保雄氏にアドバイザーとして同行していただき、ツインモーター4WDによる走行性能に加えて、大容量・高出力バッテリを備えるアウトランダーPHEVならではの雪道ドライブを体感してきた。
ツインモーターと4輪個別のブレーキシステムで4輪トラクション制御、7種類のドライブモードを備える新システムを搭載
新型アウトランダーPHEVは先代からプラットフォームが一新され、デザインはもとよりシャシーやパワートレーンも新規開発されている。エンジンで生み出された電力を20kWhの車載リチウムイオンバッテリ経由でモーター駆動するシリーズハイブリッドの仕組みに加え、高速域においてはエンジンからの動力でもフロントを駆動することができる、効率のよい走りを実現している。
新型のガソリンタンク容量は56Lもあり、ハイブリッド燃料消費率やバッテリのみでのEV走行距離が最大80km台であることを考えると、ざっと1000km前後もの航続距離を達成可能な計算になる。
この新型アウトランダーPHEVの誇る4WD制御は、前輪と後輪それぞれに駆動力を供給する独立したモーターを活かした「S-AWC」(Super All Wheel Control)になる。S-AWCはツインモーターによる前後の駆動配分と、4輪それぞれの独立したブレーキ、さらには回生ブレーキシステムをも組み合わせることで、ガソリンエンジンの4輪駆動車では困難だったフレキシブルなリアルタイム制御を可能にしている。
ただ、最適な4WD制御は走行スタイルや路面状況によって変わってくる。そのために三菱自動車が用意しているのが7種類の「ドライブモード」になる。走行スタイルに合わせて選べるモードとしては、幅広いシチュエーションをカバーする「NORMAL」、パワフルな加速力を引き出せる「POWER」、反対に出力を穏やかにしたエコ運転用の「ECO」がある。また路面状況に応じたモードとしては、舗装路面用の「TARMAC」、オフロード向けの「GRAVEL」や「MUD」、そして雪道用の「SNOW」が選択可能だ。
各モードはシフトノブ近くに用意されたダイヤル式スイッチを回転させることで簡単に切り替えられ、モードごとの走行感の違いを比較しながらのドライビングも可能だ。今回は雪道でのドライブがメインということで「SNOW」モードを軸にしつつ、ほかのモードとの違いもチェックしてみることにした。
相棒として選んだのは、最大7人乗りの3列シートを備える最上位のPグレードの新型アウトランダーPHEV。これにSUV向けのスタッドレスタイヤを装着して雪道ロングドライブに臨んだ。
高速道路など舗装路面での走行。意外なほどの軽快感と、疲労感の少ない新型アウトランダーPHEV
雪道に到着する前に舗装路面における「NORMAL」モードからスタート。筆者としては電動の4輪駆動車は初体験だったため、EV的な走行・操作感に徐々に身体を慣らしていこうと考えていたが、そんな心配は杞憂だった。
拍子抜けするほど違和感がなく、走り出して間もなくEVであることを意識しなくなってしまった。エンジン車と変わらないいつものアクセルワークでレスポンスよくコントロールでき、かといって過剰な敏感さもなく、極低速域でぎくしゃくすることもない。
全長4710mm、全幅1860mm、全高1745mm(7人乗りモデル)という車格の大きさは、外から見たときにもなかなかの押し出しの強さを感じさせる。が、軽々とした操縦感がそんな印象をいっぺんに吹き飛ばしてくれる。これは前輪85kW、後輪100kWという出力の高さと4輪の最適制御、加えてステアリングの意外なほどの軽快さのおかげなのだろう。
速度域や舵角にかかわらず操舵に必要な力はほとんど変わらないように感じられ、きびきびとした走りにつながっている。ステアリングの重さにメリハリがある方が操縦感が得られやすいと思う人もいるだろうけれど、日下部氏によるとアウトランダーPHEVは「あえて軽い操作感を狙っているようだ」とのことで、それによって大きな車体を操ることの楽しさや気持ちよさ、さらには疲労軽減にもつながっているように思える。
また、疲労軽減という意味では、走行中のエンジンノイズや振動が極めて小さく、フラットな加速特性を持つモーターであることも関係しているかもしれない。
アウトランダーPHEVでは、「EV」モードによってバッテリの使い方やEV走行の頻度を変えることもできるが、基本的なハイブリッド走行時のスタイルとしては、どちらかというとバッテリによる走行を積極的に行ない、バッテリ残量が不足気味になればエンジンによる発電をしながら走行する、という形になる。断続的にエンジンが動いたり、止まったりを繰り返すことになるわけだ。
このエンジンの稼働状況やバッテリの給電(回生)状況は全面デジタルのメーターパネル「フル液晶ドライバーディスプレイ」上でグラフィカルに確認できる。が、そこでエンジンがオンになったことが分かっても、その実感はほとんどない。
ノイズも聞こえなければ振動も感じられず、静かな場所の信号待ちでエンジンが動き出したときに、ようやく「あっ、今動いたかも……」となんとか気付けたほどだ。
アクセルを踏み込んで加速していくときでも、エンジン車のような振動やトルク変動がほとんどなく、モーターらしいリニアなフィーリングを純粋に堪能できる。これは追い越し時などに使うパワフルな「POWER」モードを選んだときも同様だ。「普段は意識しないかもしれないが、エンジン車にある振動やトルク変動が、長距離走行時の疲労の一因になっているところもある」と日下部氏が言うように、長距離ドライブにおいても一段上の快適さを備えているのが、アウトランダーPHEVのアドバンテージの1つと言えるだろう。
厳しい雪道も快適に走ることができる「SNOW」モード
なだらかな勾配が続く峠道をしばらく走り、いよいよ雪道に突入する。最初は「NORMAL」モードのまま圧雪路面を慎重に走り出してみたが、新型アウトランダーPHEVでは想像していた以上に普通に走れるため、「このままでいいのでは」と思ってしまう。しかし、交差点などで一時停車し、ゼロ発進するときに舗装路面と同じような感覚でアクセルを踏み込むと、タイヤが空転しているのを如実に感じる。スリップし続けてもしアイスバーン状の凍結路面が露出するようなことがあれば、スタックしかねない状況だ。
ここで「SNOW」モードに切り替えてみると、圧雪路面で加速するときのタイヤの空転はほぼ抑えられ、それでいて十分な加速力が得られる。パワーカーブにしてみると、「NORMAL」モードが直線的な右肩上がりのグラフだとすれば、「SNOW」モードは初期がよりなだらかな角度で立ち上がる二次曲線的なグラフ。雪をぐっと踏みしめるように動き出し、スタッドレスタイヤのグリップ力が最も活かせるトルクレベルを維持し続けながら、着実に加速していくイメージだ。
しかも単にパワー特性が変わるだけではないようだ。筆者としては、ほかのドライブモードよりフロントがコーナーで流れにくくなっているような雰囲気をなんとなく感じていたものの、気のせいかと思って流していたのだが、日下部氏はハンドリングに関わる特性の変化にもしっかり確信を持って気付いていた。「SNOWモードにしたときは、車体をより内側に向けようという力が強くなっている。このおかげで雪道でも過剰な操舵をせずに、無理なくカーブをクリアしていけるのでは」と指摘された。
雪道においては減速時も緊張するが、ある程度スピードを保ち続けなければならないコーナリング時の方が不安要素は多い。ステアリングの切り方やアクセル維持の仕方を間違えると、路面の滑りやすさの程度によってはドライバーの意図しない挙動に陥ってパニックになってしまうこともある。こうしたコーナリング時はまさしく、ツインモーターによって4輪の個別制御を可能にしているアウトランダーPHEVの強みが発揮される部分だろう。
滑りやすいコーナーを走行しているとき、裏側ではツインモーターによる最適な駆動力の前後配分と、ブレーキ制御のAYC(Active Yaw Control)を組み合わせたASC(Active Stability Control)が働いており、高度なスタビリティコントロールとトラクションコントロールが行なわれている。だからといって、それをドライバーにはっきり意識させることはない。横からそっとさりげなくサポートするかのように寄り添って、スムーズなドライビングを手助けしてくれるのだ。
NORMALモードやそれ以外のモードでも、車体の基本性能やスタッドレスタイヤのグリップ力に任せて雪道を走れてしまう。が、たとえば乾いた舗装道路からいきなり雪道に突入するときには、舗装路面での感覚が残ったまま走らせてしまいそうになるもの。あるいはそれとは反対に、怖くなって極端にスピードを落とし、のろのろ運転になってしまうこともあるかもしれない。雪上走行に慣れることができず、車両の挙動が不意に変化したときに対応できなくなるおそれもある。
新型アウトランダーPHEVであれば、あらかじめ「SNOW」モードにしておくことで、路面状況の突然の変化に遭遇しても車体側で感覚的なギャップなどをカバーしてくれる。ドライバーのスキルや雪道走行への慣れ・不慣れに依存せず、より安全・確実なドライブが可能になるわけだ。
さらに、アクセル操作のみのワンペダルで加減速を容易にコントロールできる「イノベーティブペダル」は、雪道でも役立つ場面が多いと感じた。ABSがあるとはいえ、凍結路面だとタイヤが瞬間的にロックしやすいフットブレーキは操作に気を使う。イノベーティブペダルをONにすれば、アクセルを緩めるだけで強めの回生ブレーキで滑らかに減速できるので、アクセル操作やステアリング操作により集中しやすいというメリットがあるのだ。
ただ、いずれにしろ雪道を走るときには細心の注意を払うべきであることは忘れてはいけない。日下部氏いわく、雪道を安全に走行するコツは「エスケープゾーンを残しておくことを常に意識すること」。もし車体が滑ったときでも、あるいは対向車が滑ってこちらに迫ってきたときでも、車両の左右にスペースを残して対処できる余裕を作っておくことで、事故を未然に防いだり、ダメージを軽減したりできる。
もちろん車幅が狭く余裕を作れないシチュエーションもあるだろうから、そのときはその分車速を落とせばいい。状況に応じたエスケープゾーンを確保できないということは、「要するにオーバースピード」である、ということを頭に入れておきたい。
ところで、SNOWモード以外で雪道を走っても、何か大きな問題があるというわけではない。「TARMAC」モードはリアの駆動力がやや多めに配分されるのでさすがに雪道向きとは言いにくいが、「GRAVEL」モードなら、従来の4輪駆動車の挙動に近く、アクセルワークでパワーや横滑りをコントロールしやすいので、たとえばμがほぼ一定の圧雪路面では雪上走行をより楽しめたりもする。
「MUD」モードは通常の雪上走行時に使うメリットはあまりないものの、トラクションコントロールを抑制する(タイヤの空転を一定程度まで許容する)という特性から、深い雪にはまったときの脱出用として活躍する場面はありそうだ。
あともう1つ、電動車ならではのインバータの音が、雪道における車体挙動を把握する手がかりの1つになっている、ということも付け加えておきたい。アウトランダーPHEVを含め静粛性を高めている多くの車両は、柔らかい雪の上だとタイヤの動きを音や振動から把握するのが難しいときがある。ところが、アウトランダーPHEVではインバータの電子的な(個人的には聞き心地のよい)音がモーター出力に応じて敏感に変化するので、それをもとにタイヤや路面がどのような状態にあるのかを瞬時に判断し、アクセルやステアリングの適切な操作につなげられる。さらにメーターパネルに表示可能なS-AWCのトルク配分やヨーモーメントのレベルもあわせてチェックすることで、車体や同乗者に優しい運転を心がけることにもなるはずだ。
1500Wの出力で電気ケトルが使用可能。ワーケーションにも最適な高出力AC電源
ここまで走行性能を中心に見てきたが、アウトランダーPHEVのコクピットまわりの充実装備や、アウトドアシーンにおけるユーティリティ性能も注目したい部分だ。
運転席に座って最初に目を引くのは、やはりステアリングのすぐ向こう側にある12.3型の「フル液晶ドライバーディスプレイ」。高精細グラフィックでメーター類や走行状況、モード設定、各種センサーなどの情報が表示されるもので、ステアリングに設けられているボタンで画面表示の切り替えやメニュー操作などができる。
きれいな表示に思わず見入ってしまいそうになるが、そこから視点をやや上に向けると、フロントガラスの向こうにはくっきりとしたヘッドアップディスプレイ(HUD)が見える。
このHUDには走行速度はもちろん、速度標識などの交通情報、ナビゲーションシステムのルート案内、レーダークルーズコントロールの稼働状況など、さまざまな情報が映し出される。明度やコントラストがはっきりしていることもそうだが、映像の投影距離がやや遠めになっているおかげで、道路を見ながら運転している普段の状況からHUDに視線を移すときの焦点合わせに苦労することがなく、シームレスに情報が得られる。
そして、センターコンソール上にセットされた9型のカーナビ画面。大画面かつタッチ対応で、それでいながら操作性重視の物理キーを採用しているのは好印象だ。ワイヤレス接続のApple CarPlayや有線接続のAndroid Autoといったスマートフォン連携にも対応し、ユーザーのカーナビ利用手段に多くの選択肢を用意してくれているのはありがたい。標準の内蔵カーナビも十分に高機能ではあるけれど、進化スピードが早いスマートフォンの地図やマルチメディア機能、音声操作を有効活用できることは、こだわりのあるユーザーにとって重要なポイントだ。
さらに、20kWhという大容量の車載バッテリを活かした、いわば電源車としての使い勝手のよさは特筆すべきものがある。仕事柄スマートフォンやノートPC、カメラにモバイルルーターなど、さまざまなデジタルデバイスを日頃から活用している筆者としては、定格出力1500WのAC電源が車内に2つ用意されているところは最重要ポイントとして見逃せない。コンセントの1つはリアシート側からアクセスできる中央のコンソールボックスに、もう1つはラゲッジルーム内に、それぞれ設けられている。
取材先でノートPCを使って仕事をしなければならない場面はよくある。街中なら喫茶店など電源を確保できる場所を見つけやすいが、クルマを使うような屋外取材では電源が使える場所を見つけるのはそう簡単ではない。代わりに持ち運び用のモバイルバッテリでしのぐにしても限界があるし、通常のガソリン車のアクセサリソケットからインバータを介してAC電源を取り出すにしても、エンジンをかけっぱなしにしなければならないのがネックだ。
その点アウトランダーPHEVは、エンジンを動かすことなく車内の電源コンセントから電力供給でき、しかもV2Hによって住宅に最大12日間電力供給できるほどの蓄電能力を持っている。ノートPCの1台や2台を長時間使ったところでびくともしないし、常時給電によってノートPC本来の性能をフルに発揮させられることで、オンライン会議など負荷の高い処理などの作業効率も向上する。
より生産性の高いテレワーク、もしくはワーケーションを実現したいと思ったときには、たとえば通常の大画面外部モニタを直接つないで利用できるのも心強いところ。写真にあるようにラゲッジルームに座りながら作業……というのはちょっと普段使いには無理があるが、本格的にテレワークしたいならアウトドア用のテーブルとチェアを用意すると仕事がはかどるだろう。電気毛布やヒーターのような消費電力の大きい電化製品ももちろん使えるので、仕事に限らず、寒い季節の車中泊も余裕でこなせるに違いない。
ちなみにセンターコンソールにはワイヤレス給電用のトレイ(Qi規格対応)と、USB Type-AおよびType-Cポートが、さらにコンソールボックスにもUSB Type-AとType-Cの給電ポートがあって、スマートフォンや周辺機器の充電を複数同時に行なえる。運転席シートと助手席シートのそれぞれの背面側に、スマートフォンとタブレットを差し込めるポケットが1つずつ用意されているのもポイントだ。無造作にシート上に置いてしまいがちなスマートフォンなどを、手に取りやすい場所に邪魔にならずに充電しておける、という気の利いた装備がニクい。
そして、遊びや仕事の息抜きにお湯を沸かしてコーヒーを淹れる、なんてことができるのも、AC電源を取れるアウトランダーPHEVだからこそ。今回使った電気ケトルは最大消費電力が1250Wもあるので、1500Wの大出力がなければ使えなかった。きっちりドリップした淹れたてのコーヒーは、やっぱりうまい。氷点下の高地ロケで筆者とともに凍えていた日下部氏もお腹から温まり、喜んでいただけたようだ。
雪国でも高いポテンシャルを活かせるEVの現実解かも
7人乗りSUVというサイズ感だが、高速走行でも雪上走行でも、それを感じさせない軽快さで、快適かつ安全に走らせることができた新型アウトランダーPHEV。細かいところでは、運転席に乗り込むとき、自然に身体を滑り込ませることができたわりに運転時の視点は高く、車体前方の奥行きや車幅の感覚を捉えやすかったのも驚いた部分だ。
オプション装着されたブラックのレザーシートはどちらかというとゆったりしているけれど、滑りにくい表面処理のおかげでややスポーティな走りになるワインディングのような場面でも不満を感じない。そういった基本的な乗り心地のよさを追求しているところも、すぐに運転に慣れることができた理由なのかもしれない。
昨今は寒冷地におけるEVの弱点が指摘されることもあるが、発電にエンジンを用いるハイブリッド車は、バッテリ残量がゼロになったとしても走行も電力使用も、ガソリンが残っている限りは可能だ。EVのよさを備えながら、ガソリン車の信頼感も兼ね備えているクルマと捉えることもできる。従来車より増えた56Lという燃料タンク容量の大きさは魅力であり、安心材料でもある。ツインモーター4WDやSNOWモードによる雪上走行性能の高さとあわせて考えると、雪国においても新型アウトランダーPHEVのポテンシャルの大きさは疑いようがない。
Photo:安田 剛
監修:日下部保雄