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新型シビック TYPE Rにディーラーオプション設定された「カーボン製テールゲートスポイラー」、その効果を体験してみた
- 提供:
- 株式会社ホンダアクセス
2023年1月27日 00:00
スポーティさが増す「赤」の挿し色をバランスよく採用
クルマの購入が決まった直後に真っ先に迷うことがある。それは「どんなオプションパーツを加えるか?」ということだ。次期愛車との生活を想像しながらアクセサリーカタログを眺めている至福の時間は、ついついさまざまなアイテムを加えてしまいがち。それも、魅力的な商品がラインアップされていれば仕方がないところだろう。
ホンダの新型「シビック TYPE R」の純正アクセサリーカタログを見れば、フロアマットといった一般的なアイテムはもちろんだが、そこには他のクルマとは違うアイテムが、これでもかと並んでいる。標準装備とはひと味違うシフトノブや、インテリアのカーボンパネル、そしてサイドステップガーニッシュや「TYPE R」のロゴを暗闇で路面に映し出すドアに備えられたパターンプロジェクター、さらには赤いドアミラーカバーまで、スポーティな雰囲気を高めてくれるものが多い。自分色に愛車を染めるための数々は、思わず加えたくなるものばかりだ。
だが、それで終わりじゃない。なんと走り味を変化させてくれるカーボン製のテールゲートスポイラーまでラインアップされているのだ。ホンダの純正アクセサリーを開発・販売しているホンダアクセスは、「Modulo(モデューロ)」というブランドで、古くから空力に対するこだわりが強い。FD2型のシビック TYPE Rあたりからジワジワと頭角を表し、いくつかの車種で「Modulo X」という空力を高めたコンプリートカーを販売しているほどだ。
それらが生み出す性能は、日常域でも体感できる空力効果が自慢。前後のリフトバランスを最適化させたそのテイストは、乗れば誰もが味わえるステアリングインフォメーションをはじめとした走り味があり、そこにファンがついてきている。
そして、その世界観が新型シビック TYPE Rでも味わえるとなれば、なかなか興味深い。今回のテールゲートスポイラーのコンセプトは「いかなる道でもFUNなGT性能」を与えること。果たしてそれはどんな仕上がりになっているのか? ホンダアクセスの純正アクセサリー装着車を借り出し、丸1日のドライブに出かけることにした。
実車と出会い改めてその実物を見てみると、かなり変わっている感が得られるものだった。特に空力効果の得られるテールゲートスポイラーは、中央のメインエレメント部分をNACA4412形状を基本とした断面形状を与えるだけでなく、後端を跳ね上げたガーニーフラップ形状となっていることがポイント。だが、それを全体に広げずに左右は中央部よりは少し落とした形状だ。聞けば旋回性を損なわない工夫があるらしい。
また、翼端板はAピラーからの風の流れを受け止めるように、Aピラーと並行に見える。これはピラーと翼端板の重なりにこだわりがあり、Aピラーからボディサイドに沿って後方に流れてきた風の流れをコントロールしようとしているそうだ。一方で、下面には航空機の騒音低減目的でも使われているシェブロン(ノコギリ歯)形状が与えられている。これもまた直進から旋回に対してスムーズにダウンフォースが移行するためのもの。今回のテールゲートスポイラーのキーデバイスと言っていいのかもしれない。
そんな純正アクセサリー装着車に乗り込もうとすると、まずはTYPE Rロゴのパターンプロジェクターが出迎えてくれる。出発が夜明け前だったため、TYPE Rのロゴは路面に鮮明に映し出され、さらにサイドステップにも赤く光るTYPE Rのロゴが配されていて、走り出す前から気分を高めてくれるから嬉しい。
そのほかにも、イルミネーションアイテムは充実していて、ドリンクホルダーやドアポケット、さらに足下をさりげなく照らすLEDライトは所有感アップ間違いなし。スポーティなレッドと、クールなホワイトの設定があり、どちらの色で仕上げるか悩ましいところ。
そして、ドライバーズシートに収まればさらに一味違う世界が広がっている。シフトまわりとドアにあるカーボンパネルがテールゲートスポイラーと同じリアルカーボン×レッドポリエステル綾織りだからだろう。さらに、エンジンをスタートさせるとドアの赤いラインが光ることで、カーボンパネルがより映えてくる。また、シフトノブは握りやすく操作性が高いだけでなく、赤色の革巻きとしたことでスポーティさを昇華させているところは、きっとシビック TYPE Rを購入するユーザーには響くことだろう。いずれも純正クオリティなところも嬉しいポイントだ。
コンフォートモードでまずは街中を走り出すと、TYPE Rとは思えぬ乗り心地のよさを生み出している。試しにノーマルモードや+Rモードにしてみても同様だ。前後の空力バランスが変化したせいなのか、全体的に減衰力が一段下に移行したかのようなフィーリングは面白い。これならコンフォートを選ばなくてもいいかもしれない。
単純にスポーツ度やタイムを狙ったアイテムではないことが伺える。それは高速道路に乗っても同様の印象があった。継ぎ目での突き上げ感が少ないのだ。足まわりのストロークがアップしたかに感じられるところも嬉しい。これなら荒れた路面が来たとしても目線がブレず、どこまででも走れそうな感覚。確かにコンセプトとしたGT性能が生み出されている。
また、ステアリングの微小操舵角に引っかかりがなく、スムーズに切れ込むようなフィーリングも嬉しい。まるでフリクションがなくなったかに思えるスッキリとしたステアリングフィールは、路面状況を混じりっ気ナシで感じとれる。
こんな乗り味だからワインディングに出向けば操る楽しみが満載だ。ブレーキングからターンインする際、4輪がどのように動いているのかを実に感じやすい! ステアしてリアが追従する際のタイムラグがなく、ホンダアクセスが昔からこだわってきた「四輪で舵を切る感覚」が相変わらず展開されている。
何と言っても、クルマの向きが自在に変えやすい。けれども、安定感を失っているわけじゃないさじ加減が絶妙だ。ルックスだけで終わらず、走りのテイストも変化させることができるこのテールゲートスポイラーはかなりの衝撃を与えてくれることは間違いない。シビック TYPE Rの走りの味を変えてくれるこのアイテム、ノーマルを味わった後に装着すれば、より一層その違いははっきりするだろう。
※2023年1月19日時点でシビック TYPE Rの受注は一時停止しているので、詳しくは「ホンダのホームページ」をご参照いただきたい。
Photo:堤晋一