トピック

雪も氷も雨も大丈夫!? ダンロップの次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」を初体験してみましたの!

2024年10月1日 発売

2万1450円~6万9630円/本

ダンロップが新開発した次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」を、一般ドライバーを代表してイラストライターのゆきぴゅーが初試乗してみました

 信州信濃の山あいで生まれ育った私ゆきぴゅーにとって、かつては夏タイヤと冬タイヤの2つ持ちは当たり前でした。上京後はクルマを手放すことはなかったもののスタッドレスタイヤとはさようなら。それはズバリ! 保管しておく場所がないからですの(泣)。年に数回、東京に雪が降った時は乗らない(乗れない)だけ。そう割り切っていましたが、心のどこかでは、冬場に長野や新潟の雪深いエリアにスノードライブに行きたいな~と思うことがありました。

 その気持ちを知ってか知らずか、編集部からお声がかかったのは、ダンロップが10月に発売したオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」の体験ドライブ! っていうか、世の中には晴天時でも降雨時でも、雪道でもオッケーなタイヤがあるんですのね!? と、まずはそれにびっくりでしたの。

 そんなタイヤ初心者一人だけでは心許ないと思った編集部は、めちゃくちゃ心強い助っ人を送り込んでくれました。Car Watchではおなじみのモータージャーナリスト藤島知子さんです。

次世代オールシーズンタイヤ、ダンロップの「シンクロウェザー」がこちら!

天候による路面の変化に合わせてゴムの性質が切り替わる新常識のタイヤって?

シンクロウェザー認定店であるタイヤセレクト府中にやってきました

 藤島さんとフォルクスワーゲン「T-Cross」で向かったのは、ダンロップタイヤの直営店「タイヤセレクト府中」です。タイヤ交換をしてもらいながら、まずはスタッフさんに説明していただくことに。

 なんでも新製品シンクロウェザーは「認定店制度」というのを取り入れていて、ダンロップの認定試験を受けて合格したスタッフさんがいる販売店は日本全国に1万軒以上存在しているそうですわ。

タイヤセレクト府中の三瓶智史さんからシンクロウェザーの説明を聞きました

三瓶さん:シンクロウェザーは今までの常識に挑む次世代のタイヤとなっております。今までは、タイヤは路面に合わせて履き替えることが常識であり、1年を通じて、ドライ・ウェット……などのあらゆる路面を走行するためには、タイヤを履き替えていただく必要がありました。それが、シンクロウェザーではこのタイヤ1つでオールシーズン対応出来るようになっています。それを可能にしたのが「アクティブトレッド」というダンロップの新技術です。

ゆきぴゅー:どんな新技術なんですの!?

三瓶さん:アクティブトレッドとは、路面の水や温度に反応して、スイッチで性能を切り替えるように、ゴムの性質が自動的に変化するというものです。

藤島さん:ダンロップさんはそれを“水スイッチ”や“温度スイッチ”といってますよね。

今回の取材は、年間約200台(!)のクルマに試乗するというモータージャーナリストの藤島知子さんと一緒です

三瓶さん:分かりやすく説明しますと、まずドライの状態に水がかかることによって、最表面だけ若干柔らかくなります。それによって水の上でもしっかりグリップが効いてくる、そんなタイヤです。柔らかくなるのは最表面だけでタイヤ全体が柔らかくなるわけではないので、剛性が落ちたりタイヤ自体がヨレることもありません。

藤島さん:濡れることで表面のゴムが柔らかくなる機能を開発したんですね。

三瓶さん:はい! 一方で夏タイヤの場合、氷上路面で冷たくなると最表面がカチカチに固くなってしまう性質があります。それがアクティブトレッドを搭載したことで“温度スイッチ”が働き、氷の上に乗っても柔らかさを維持して、しっかり走ってくれます。

ゆきぴゅー:冷たくなっても柔らかさをキープできるってのがナゾ中のナゾですが、とにかく“水スイッチ”と“温度スイッチ”が自動的に働くから、いろんな路面を走ることができるんですのね!? アクティブトレッド、すごい!

「聞けば聞くほど不思議なタイヤですよね。水や温度でスイッチするって目に見えない世界ですものね(笑)」

三瓶さん:このタイヤ1本で、あらゆる季節の路面にシンクロしてくれるので、天候や路面状況に悩まされないライフスタイルを送ることができます。

ゆきぴゅー:なるほど! だからシンクロウェザーっていう名前なんですのね!

トレッドパターン(溝模様)にもこだわりが満載

燃費に関してもサマータイヤと同等で、低燃費タイヤの指標があるんですって

三瓶さん:シンクロウェザーには最適化したトレッドパターンが採用されています。1つ目がウェット・氷上に特化した方向性パターンです。続いて氷上に特化したサイピング。あとはドライに特化したパターン剛性です。ドライ路面はどうしてもロードノイズが出やすいのですが、それにも対応したパターンになっています。

パッと見た時に目を引くV字溝は、高い排水性や排雪性を確保しているのだそう

藤島さん:夏用のタイヤと冬用のタイヤの履き替えって地味にストレスなんですよね。

三瓶さん:そうですね。使い分けるということは、使っていない期間のタイヤを保管しなくてはいけません。シンクロウェザーに履き替えていただければ保管場所をとらず、保管料がかかりません。さらに雪の予報が出た時に、履き替える場所での待ち時間もとられません。

藤島さん:皆さん雪が降ると聞いた途端、タイヤ屋さんに駆けつけますからね。

認定店には「シンクロウェザー」を熟知したスタッフがいるし、実物を見ながら説明を聞けるので分かりやすい!

三瓶さん:このシンクロウェザーには氷の上も走れるという強みがあります。これまでのオールシーズンタイヤにも履き替える必要のない利便性や経済性はありましたが、氷上での走行は苦手としていました。その点シンクロウェザーなら、例えば雪が降って夜中に冷え込んで路面がガチガチになって朝の通勤時に「クルマが出せない!」というシーンもクリアしてくれます。

藤島さん:その氷は日中太陽が出ると解けてびちょびちょになっちゃいますよね。そんなウェット路面はまた心配になりますよね。

三瓶さん:そういう時に“水スイッチ”が働いてゴムが柔らかくなり、グリップ力がアップします! 溝の切り欠きで水に対応するのが一般的な夏タイヤなんですが、ゴムの性質で対応しているところがシンクロウェザーの特徴となっています。

ゆきぴゅー:結局のところ、シンクロウェザーは、雨と雪と氷のどれが得意なんですの?

三瓶さん:全部得意です!

ゆきぴゅー:3刀流!? 大谷選手もびっくりですわね!

三瓶さん:この6角形のグラフを見ていただくと、夏タイヤと冬タイヤの性質全部持ち合わせていますので、グラフでいくと6刀流ということになります。

次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」と、夏タイヤ「ENASAVE EC204」と、スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX WM02」の性能グラフ比較

ゆきぴゅー:ではスタッドレスタイヤとシンクロウェザーの一番の違いは何ですの?

三瓶さん:水の上での制動力ですね。

ゆきぴゅー:えーと、つまり、雨が苦手なスタッドレスタイヤの弱点をカバーしているんですのね。

藤島さん:スタッドレスタイヤって氷や雪には強いんですが、ウェット路面でブレーキを踏んだ時の制動距離が伸びがちなんですよね。それが安心して乗れるというのはいいですよね。

サイドウォールデザインのカッコよさ

「ここがカッコいいんです!」と三瓶さんイチオシのサイドデザインに注目

三瓶さん:私が個人的に気に入っているのがサイドウォールデザインです。ナノブラックという独自技術で、ダンロップのロゴがくっきり見えてカッコいいんです。タイヤワックスを塗るとさらに映えますよ。

藤島さん:クオリティの高さがわかるタイヤですよね。

アメーバのように変化するというアクティブトレッドのシンボルマーク

「スノーフレークマーク」と「アイスグリップシンボル」の2つを刻印。アイスグリップシンボルが入ったオールシーズンタイヤは世界初だそうです
ナノブラックという独自の黒色デザイン技術が高級感を出しています

ゆきぴゅー:最後に、シンクロウェザーのターゲットとしたらどんなユーザーなんでしょうか?

三瓶さん:やはり都市部にお住まいの方で、タイヤ交換が面倒だなと思っている方。そしてタイヤ交換が面倒なのでスタッドレスタイヤをお持ちでない方でしょうか。年に数回スキーやスノボに行かれるという方にもおすすめです。

ゆきぴゅー:私ほぼ当てはまってますわ~。

三瓶さん:これからぜひ体感していただいて、ご予約お待ちしております!(笑)

 タイヤセレクト府中では、普段の使い方をしっかりヒアリングして、合致すればシンクロウェザーをおすすめしているとのことでした。親切ていねいに分かりやすく説明してくださった三瓶さん、どうもありがとうございました。

シンクロウェザーは現在40サイズですが、今後もサイズを増やしていくそうです

バランス調整をやってもらってタイヤ交換完了! タイヤの購入や交換は、専門知識が豊富で、高い技術力を持つタイヤ専門店に頼むのが安心です

シンクロウェザーに履き替えたクルマで紅葉の山中湖へ

シンクロウェザーの試乗は、10月にマイナーチェンジしたばかりの新型「T-Cross」。取りまわしのよいボディサイズのまま、エクステリアデザインが刷新されたのが特徴

 フォルクスワーゲン「T-Cross」のシンクロウェザーへの履き替えが終わったところで、この日は山中湖を目指してドライブ! 最初にハンドルを握ったのは藤島さんです。中央道に乗る前の一般道では、さっそくこんなコメントが。

藤島さん:このシンクロウェザーは、アクセルペダルを踏んでから前に進み出すまでのタイムラグがほどよいですね。しっかりとタイヤがトラクションを得て走る感じも気持ちいいですし、駆け出していく時の感じもスムーズです。それにタイヤが硬いと道路の溝にドシンと伝わるんですが、そういうシーンでも意識しないで乗れるのがいいですね。

装着タイヤサイズは前後とも215/45R18
シンクロウェザーは「しなやかさがいい!」と藤島知子さん

 高速道路に入ってからは、車速のコントロール性がよくて、車線変更の収まりがいいなど、モータージャーナリストさんらしい感想が次々と聞かれました。

藤島さん:雪上でも走れるタイヤなので、冬の路面にフィットさせるように柔らかくなっていますが、カーブで腰砕けになったりしないで、サマータイヤのような感覚でハンドルを握っていられる粘り腰っぽい感じがありますね。

ゆきぴゅー:スタッドレスタイヤって走行中うるさいですわよね? このタイヤはそれが感じられませんわ。

藤島さん:そうなんです。特にアスファルトの上を走っている時、スタッドレスタイヤは車速が高まるとゴーって音がします。パターンが路面をたたく音なんですが、車速が増すと大きくなって会話がかき消されたりすることも。その点このシンクロウェザーは夏タイヤと同等のロードノイズに抑えられていますよね。

この日の目的地「sotosotodays CAMPGROUNDS 山中湖みさき」は、充実した設備とロケーションが人気のキャンプ場。秋口には山中湖から対岸のきれいな紅葉を眺めることも可能

紅葉キレイ、空気が美味しい!

 いよいよドライバー交代で私が運転席へ。藤島さんが“車線変更の時の収まりがいい”とおっしゃっていましたが、帰り道の高速道路ではそれがよくわかりました。ぐらっとしないで、最小限のハンドル操作で滑らかにストレスなく、すうっと行ける感じ、というのでしょうか。

ロードノイズも押さえられていて、会話をかき消されることもなかったです

ゆきぴゅー:私、スタッドレスタイヤとサマータイヤの違いって、溝の切り欠きくらいかと思っていたのですが、ゴムの硬さや柔軟性が違うって初めて知りました(汗)。タイヤって思っている以上に奥深いんですのね。

藤島さん:そうなんですよ。実はタイヤ1本ってハガキ1枚分の面積しか路面に接していないんです。つまり1.5tほどあるクルマ1台の車重をハガキ4枚分の面積で支えていて、かつ加速や減速といった縦方向の荷重に耐え、コーナリング中は横方向の荷重にも耐えなくてはいけない。ただの黒い丸い塊に見えるかもしれませんが、タイヤってとても重要でメーカーの技術の結晶のようなもの。ゆきぴゅーさんも空気圧など、タイヤのチェックは欠かさずにやってくださいね。

「シンクロウェザーは山道も高速道路も街なかもちゃんと走って、心地よさも得られるのがすごくいい」と藤島さん

ゆきぴゅー:私、スタッドレスタイヤを持っていないので、冬場に雪のある地域のクルマでしか行けないような温泉宿を諦めていたんですの。行きたい温泉宿はきまって標高の高いところにあるので……(泣)。

藤島さん:分かります! それが行けるとうれしいですよね。シンクロウェザーに履き替えたら行動範囲が広がるでしょうねぇ。

タイヤ選びは重要なんだってこともわかったドライブでした

 何年ぶりかのスキーにも自分のクルマで行けるかも!? と、この冬の楽しみが2倍になりそうな予感……!? 雪上や氷上での性能を実際に確かめたら、本気で履き替えを考えちゃいそうな次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」初体験ドライブでした。

タイヤセレクト府中は「シンクロウェザー」認定店なので、ぜひ1度足を運んでみてください

タイヤセレクト府中 概要

所在地:東京都府中市若松町2丁目3-2
電話:042-360-0105
営業時間:10時~17時30分(16時30分作業受付終了)
定休日:毎週火曜日、第2・第3水曜日(※11月&12月は除く)

Photo:安田 剛