NVIDIA「GPU Technology Conference 2019」
【GTC 2019】クラリオン、自動遠隔出庫システム「Long Range Summon」をデモンストレーション
2019年3月25日 14:43
- 2019年3月17日~21日(現地時間) 開催
クラリオンは、NVIDIAが米国カリフォルニア州サンノゼ市で開催した技術カンファレンス「GTC 2019(GPU Technology Conference 2019)」において、クルマの自動遠隔出庫システム「Long Range Summon(ロング レンジ サモン)」のデモンストレーションを行なった。
このデモンストレーションは、NVIDIAの自動運転プラットフォーム、クラリオンの自動駐車システム「Park by Memory」で実現した低速自動運転技術の「センサー機能」、TCUやSmart Accessサーバーを活用した「コネクテッド技術」、ナビゲーションシステムの「位置情報制御技術」といった複数の技術を組み合わせた、統合技術をアピールするもの。
Long Range Summonのシステム構成は、ステレオカメラと組み合わされたNVIDIAの「DRIVE AGX Xavier」、12個のソナーを制御する「Sonar ECU」、4台のカメラを制御する「SurroundEye ECU」、2台のLiDARといったECUやセンサーがそれぞれ車載Ethernet Hubによって接続されており、車載通信装置「TCU(Telematics Control Unit)」を通じてクラウドにあるクラリオンのサーバー「Smart Access」と接続している。
一方、クルマを呼び出すスマートフォンは、クラウドのSmart Accessに接続することで、遠隔からクルマを移動させることを可能にする。
自動遠隔出庫の流れは、入庫時にLong Range Summon搭載車両が駐車場内の周辺環境や経路、外界情報を記憶する。出庫時は、ドライバーがスマホ上の車両呼び出しボタンを押下すると、スマホの位置情報と車両の記憶情報を元に自動出庫を開始。車両はセンサー情報などをもとに走行可能領域を特定して、ユーザーの待機位置まで駐車場内を自動走行するとともに、走行経路上に障害物がある場合は回避することもできる。
今回披露されたシステムの特徴は、入庫時に最終的にスマホでクルマを呼び寄せるユーザーの位置からクルマを駐車する位置まで、車両を走行させて駐車環境を記憶させる必要があるが、駐車場ごとの高精細マップを用意しなくてもこれらの機能を実現させていること。
Long Range Summonの使用場面は、海外の大規模駐車場など想定したもので、海外では建物の出入り口など人目に付く場所での乗車は防犯面で有効という。