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ホンダ、ハイブリッドとVTECターボをラインアップする新型「CR-V」
2モーターハイブリッドに4WD初設定。ターボモデルには7人乗りも
2018年8月30日 11:30
- 2018年8月31日 発売(ハイブリッドモデルは11月1日発売)
- 323万280円~436万1040円
本田技研工業は8月30日、新型ミドルクラスSUV「CR-V」を発表。ガソリンターボモデルを8月31日、ハイブリッドモデルを11月1日に発売する。価格は323万280円~436万1040円。
CR-Vは、ホンダが1990年代に「クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)」と名付けて展開したシリーズの第2弾として、1995年10月に初代モデルが登場。日本だけでなく北米や欧州、アジアなど世界各国で高く評価され、現在では世界で年間70万台を販売するグローバルモデルとなっている。
5代目となる新しいCR-Vは、剣道などで用いられる「守・破・離」の3文字に「帰」を加えた4つの言葉をキーワードに設定。CR-Vが守り続けてきた高い実用性を備え、新たな魅力として高い質感と力強さが与えられたほか、CR-Vが評価されている快適な乗り心地をさらに進化させ、SUVとしての原点に立ち返って走破性を鍛え上げている。
モデル | 乗車定員 | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 | JC08モード燃費 |
---|---|---|---|---|---|---|
EX | 5人 | 直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴ターボ | CVT(7速モード付) | 2WD(FF) | 3,230,280円 | 15.8km/L |
4WD | 3,446,280円 | 15.4km/L | ||||
7人 | 2WD(FF) | 3,421,440円 | 15.0km/L | |||
4WD | 3,637,440円 | |||||
EX・Masterpiece | 5人 | 2WD(FF) | 3,591,000円 | 15.4km/L | ||
4WD | 3,807,000円 | |||||
7人 | 2WD(FF) | 3,814,560円 | 15.0km/L | |||
4WD | 4,030,560円 | 14.6km/L | ||||
HYBRID EX | 5人 | 直列4気筒DOHC 2.0リッター+i-MMD | CVT(減速セレクター付) | 2WD(FF) | 3,784,320円 | 25.8km/L |
4WD | 4,000,320円 | 25.0km/L | ||||
HYBRID EX・Masterpiece | 2WD(FF) | 4,145,040円 | 25.8km/L | |||
4WD | 4,361,040円 | 25.0km/L |
外観デザインは「MODERN FUNCTIONAL DYNAMIC(モダン ファンクショナル ダイナミック)」をテーマにしており、ホイールベースの延長とワイドトレッド化を実施。先代モデルから全長が+70mm、全幅が+35mm、全高は2WD(FF)モデルが-5mm、4WDモデルが+5mmとなり、ボディサイズは4605×1855×1680mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1690mm)で、ホイールベースは+40mmの2660mm。
さらにトレッド幅もフロントが+35mmの1600mm、リアが+50mmの1615mmに拡大。ボディサイズの拡大でSUVらしい力強さと躍動感が表現されたことに加え、車内スペースも増えたことから新たに3列シートの7人乗り仕様がラインアップされるようになった。
ボディカラーは「プラチナホワイト・パール」「ルナシルバー・メタリック」「クリスタルブラック・パール」「ルーセブラック・メタリック」「ミッドナイトブルービーム・メタリック」「プレミアムクリスタルレッド・メタリック」の6色を用意している。
このほかに外装ではダイナミックなスタイリングと燃費性能を両立させるため、ホンダがレースマシンを開発している研究所「HRD Sakura」で数百回にわたる風洞実験を実施。リアフェンダーを絞り込む角度、テールゲートスポイラーの長さと角度などを最適化して後方に流れていく空気が剥離しないよう抑制。フロア下にもアンダーカバーを多用して整流効果を向上させたほか、国内販売のホンダ車として初めてフロントのアッパーグリル内部にシャッターグリルを装着。エンジンの冷却水を冷やす必要がない場合はシャッターが閉まり、エンジンルーム内に流入して抵抗になる通過風を低減する。
前後サスの取付部に「液封コンプライアンスブッシュ」採用
ボディのモノコック部分では、ドライバーの操作に対して車両が遅れなく反応するようにするため、骨格剛性の向上を追求。CAE(Computer Aided Engineering)を駆使した解析が行なわれ、部材では780MPa級以上の高張力鋼板を骨格全体の36%に採用。強度が求められるAピラーからBピラーにかけた部分やサイドシルにホットスタンプ材と呼ばれる1500MPa級の高張力鋼板を使い、使う箇所によって高張力鋼板の強度を変えて組み合わせることにより、軽量ながら強固な骨格と高い衝突安全性を実現。ねじり剛性を先代モデルから25%高め、ボディ剛性のウエイト効率を示す「L.W.I.」(Light Weight Index)の指数を20%向上させている。
組み立て技術の面では、ボディ全体の骨格部材を組み立ててから外板パネルを溶接する「インナーフレーム構造」を採用。主要なフレームの結合効率を高めて骨格剛性を高め、補強材の使用を最低限に止めることで軽量化を図っている。車両の後方部分ではリアダンパー取付部の剛性を高め、軽快なハンドリングと快適な乗り心地を追究。フロントのバルクヘッドはオール樹脂製となっており、車体前方側を軽くして慣性重量を低下。同時に低重心化も追究することで軽快なハンドリングを提供可能としている。
フロントがマクファーソン式、リアがマルチリンク式の足まわりでは、取り付け部分に「液封コンプライアンスブッシュ」を採用。低動バネ化と高い減衰力を両立させ、路面の段差を乗り越えるシーンなどの大きな入力時にショックを軽減。細かい振動では入力を吸収して不快な周波数の振動を抑制して快適な乗り心地を実現する。
また、フロントではL型ロアアーム、リアではすべてのアームを剛性を高めたサブフレームに取り付ける構造としており、フロントではジオメトリー変化を少なくしてリニアなハンドリングを、リアでは横方向からの入力によるトーイン特性を最適化した高い操縦安定性を発揮できるようにしている。
ダンパーはメインピストンバルブとセカンドピストンバルブを備える「振幅感応型ダンパー」を採用。路面の凹凸など小さくストロークする「小入力」では低い減衰力を持つメイン側だけが作動して入力を吸収、コーナーリングなどで大きくストロークする「大入力」ではメイン側とセカンド側両方のバルブが作動して、高い減衰力を効かせて車両姿勢の安定化を図っている。
ステアリングには、市街地走行などの右左折時のクイック感と高速走行時の穏やかで安心感あるレーンチェンジを両立させる「VGR(可変ステアリングギヤレシオ)」、ピニオンギヤを入力側とアシスト側の2か所に備えて操作初期からの鋭敏な反応と滑らかな操舵感を両立する「デュアルピニオンEPS」を採用する。
このほかに足まわりでは、ブレーキを使ってハンドリング性能を向上させる「アジャイルハンドリングアシスト」を全車に標準装備。コーナーリングでステアリングを切り始めた時にはイン側に制動力を発生させて回頭性を高め、ステアリングを戻した時はアウト側のブレーキが働いて直進状態の復帰を早める。ガソリンモデルのブレーキには国内販売のホンダ車で初めて、応答性がよくリニアなフィーリングを備える電動ブレーキブースターを備えている。
SPORT HYBRID i-MMDに「リアルタイムAWD」を初設定
パワートレーンでは先代の2.0リッター&2.4リッターの自然吸気エンジンに換えて、直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴 VTECターボエンジンと、直列4気筒DOHC 2.0リッター自然吸気エンジン+SPORT HYBRID i-MMDの2種類をラインアップ。
「ステップワゴン」「シビック セダン」などにも採用されている「L15B」型エンジンは、フィンの枚数を10枚から9枚に減らしてフリクション低減を図った専用の電動ウェイストゲート付ターボチャージャーの採用、圧縮比の最適化などを実施して、最高出力140kW(190PS)/5600rpm、最大トルク240Nm(24.5kgfm)/2000-5000rpmに出力を向上。さらにバルブの開閉タイミングの位相を連続可変させる「VTC」を吸気側・排気側の双方に設定した「デュアルVTC」を搭載して、エンジンの回転数や負荷などに応じてバルブのオーバーラップ量を広範囲に緻密に制御。高効率化によって出力の向上と低燃費化を両立している。
ハイブリッドモデルに設定するSPORT HYBRID i-MMDでは、走行用と発電用の2つのモーターをエンジンと組み合わせて使用。小型で軽量ながら高出力なモーターにより、日常領域における多くのシーンをモーターの駆動力で走行可能。一方でエンジン直結クラッチも備えており、高速クルージングはアトキンソンサイクルを活用するエンジンの高効率領域で走り、燃費をさらに向上させる。このほかドライバーの感性部分に対する取り組みも行なわれ、従来のSPORT HYBRID i-MMDは車速の高まりとエンジン回転数の上昇が連動せずに違和感が出るケースもあったことから、欧州を中心に走行テストを行ない、ドライバーの感性に合うようチューニングが施されているという。
JC08モード燃費はターボエンジンモデルのFF車が15.4km/L~15.8km/L、4WD車が14.6km/L~15.0km/L、ハイブリッドモデルのFF車が25.8km/L、4WD車が25.0km/L。また、ハイブリッドモデルではWLTCモード燃費もカタログ記載されており、FF車が21.2km/L、4WD車が20.2km/L。このほか、「市街地モード」などのモード別燃費は下記の表を参照していただきたい。
ハイブリッドモデルのWLTCモード燃費
駆動方式 | WLTCモード燃費 | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
---|---|---|---|---|
2WD(FF) | 21.2km/L | 21.0km/L | 22.1km/L | 20.7km/L |
4WD | 20.2km/L | 19.1km/L | 21.6km/L | 19.8km/L |
駆動方式では2WD(FF)に加え、油圧バルブを電子制御して後輪に対する駆動力配分を緻密にすばやくコントロールする「リアルタイムAWD」を全グレードに設定。SPORT HYBRID i-MMDに4WDが設定されるのはこれが初めてとなる。ハイブリッドモデルの持つ高いトルクに対応するため、リアデフのトルク容量が200Nmから550Nmに強化され、発進加速や登坂性能が向上。また、前後トルク配分にヨーレートセンサー、ステアリング舵角センサーのフィードバック制御が加えられ、アクセルとステアリングの操作からドライバーの意図を検知。状況に応じて安定感のある加速と積極的な旋回性を使い分ける。
ターボモデルのトランスミッションには変速比幅をワイド化し、大トルクに対応する「大容量骨格」のCVTを採用。発進加速やキックダウン操作が行なわれた時などにすばやく変速してタイムラグの少ない加速を実現し、リニアで伸びのある加速フィーリングをもたらす「G-Design Shift」、アクセルを全開にするとAT車のようにエンジン回転数の高回転側で変速しているような回転制御を行ない、リズミカルにステップ変速する「全開加速ステップアップシフト制御」によってアグレッシブなドライビングに対応する。また、大容量トルクコンバーターは内周側、外周側のそれぞれに、低回転時のノイズや振動を打ち消すロックアップダンパースプリングを備えるツインダンパー方式となっている。
電気式無段変速機をスイッチ操作の「エレクトリックギヤセレクター」で切り換えるハイブリッドモデルでは、アクセル操作に対する応答性を高める「SPORTモードスイッチ」をセンターコンソールに用意。ステアリングの背面にはCVTのパドルシフトに換えて、アクセルオフ時の回生発電による減速度の強さを4段階で変更できる「減速セレクター」を設定している。
ガソリンターボモデルに7人乗り仕様を新設
インテリアは「Urban BASE beautility」(beautilityは「美しさ」と「使い勝手のよさ」を組み合わせた造語)をデザインテーマに採用。良好な視界と車両感覚の掴みやすさも計算した横基調のインパネデザインでタフさと信頼感を表現し、視界に入る部分に木目調素材を設定。手が触れる部分の触感にもこだわって質感を高めている。
前出のように、新型CR-Vではガソリンターボモデルではサードシートを備える7人乗り仕様を設定。セカンドシートも5人乗りと7人乗りで異なるものとなり、5人乗り仕様のセカンドシートは拡大した室内長のゆとりをしっかりと体感してもらえるよう前後位置を固定。ラゲッジスペースの側面に用意されたリリースレバーを引くだけで6:4分割可倒式シートが前方にダイブダウンする仕様となっている。
7人乗り仕様のセカンドシートは6:4分割で前後に150mmスライドし、座面前側を軸にして前方にタンブル。乗員数や荷物の量に合わせて多彩なアレンジが可能になっている。また、サードシートはシートバックが5:5分割で前方に倒れ、リクライニングにも対応。フロアボードを使ってフルフラットのシートアレンジも可能となっている。
また、ラゲッジスペースの使い勝手を高めるため、国内販売のホンダ車で初となる「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート」をEX・Masterpiece、HYBRID EX・Masterpieceに標準装備。スマートキーを携帯した状態でリアバンパーの下に足先を入れる動作などをすると、テールゲートが電動開閉する。このほかにも電動テールゲートには、ゲート下側に設置されたクローズボタンを長押しすることでゲートの開口高を登録できる高さ設定機能が用意されている。
ADAS(先進運転支援システム)関連では、単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせて利用するホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全車標準装備。「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」や「路外逸脱抑制機能」「LKAS(車線維持支援システム)」など9種類の運転支援機能を備えている。
これに加え、リアバンパー両側に内蔵するレーダーで後側方から接近する車両を検知して、ドアミラー鏡面に設定したインジケーターを点灯させてドライバーに車両の存在を知らせる「ブラインドスポットインフォメーション」、ドライバーのステアリング操作から居眠り運転や不注意運転の危険を検知。メーターパネル内のアイコン表示のほか、必要に応じてステアリングを振動させたり警報音を鳴らして休息を促す「ドライバー注意力モニター」などを採用。安全・安心なドライブをサポートする。