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トヨタ、2020年3月期決算を発表。売上高29兆9299億円、営業利益2兆4428億円

2021年3月期の見通しについて、営業利益5000億円と前期比79.5%減

2020年5月12日 発表

2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の決算内容発表会に出席した執行役員 近健太氏(左)と執行役員 白柳正義氏(右)

 トヨタ自動車は5月12日、2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の決算内容を発表した。

 2020年3月期の売上高は前年同期比2956億円減の29兆9299億円、営業利益は前年同期比246億円減の2兆4428億円、税引前利益は前年同期比2691億円増の2兆5546億円、当期純利益は前年同期比1933億円増の2兆761億円となった。また、連結販売台数は1万9000台減の895万8000台としている。

 報告された業績状況としては、2020年3月期の世界経済は貿易摩擦の影響、新型コロナウイルスの影響が中国から北米・欧州・アジアなどに拡がったことで、緩やかな拡大基調から急激な減速に転じた。

 自動車市場は中国や新興国の一部で落ち込みが見られたものの、先進国では安定的に推移し、世界全体でも微減にとどまっていたものの、新型コロナウイルスによる世界的な工場の稼働停止や販売店の営業停止などが大きく影響したという。

 こうした状況の中、日本と海外を合わせた自動車の連結販売台数は895万8000台と、前年度に比べて1万9000台(0.2%)の減少となった。日本での販売台数については新製品の積極的な投入や全国販売店の努力により224万台と、前年同期比で1万4000台(0.6%)増加し、軽自動車を除くトヨタ・レクサスブランドの販売シェアは過去最高の48.8%、軽自動車を含む販売シェア(含むダイハツおよび日野ブランド)は過去最高の45.5%と、前年同期に続いて高いレベルで推移した。一方、海外ではアジアや北米で販売台数が減少したことによって671万9000台と、前年同期比で3万2000台(0.5%)の減少となっている。

 所在地別の状況を見ると、日本での売上高は16兆4615億円と、前年同期比で1638億円(1.0%)の減収となり、営業利益は1兆5679億円と前年同期比で1236億円(7.3%)の減益となった。

 北米での売上高は10兆6387億円と、前年同期比で1784億円(1.7%)の減収となったが営業利益は2706億円と、前年同期比1561億円(136.3%)の増益となった。

 欧州での売上高は3兆3608億円と、前年同期比1220億円(3.8%)の増収となり、営業利益は1505億円と、前年同期比256億円(20.6%)の増益となっている。

 アジアでの売上高は5兆3386億円と、前年同期比1743億円(3.2%)の減収となり、営業利益は3709億円と、前年度に比べて864億円(18.9%)の減益となった。

 その他の地域(中南米、オセアニア、アフリカ、中近東)の売上高は2兆1125億円と、前年度に比べて2209億円(9.5%)の減収となり、営業利益は907億円と、前年同期比3億円(0.4%)の減益となった。

連結販売台数は前期比1万9000台減の895万8000台
連結決算要約
連結営業利益増減要因について
所在地別営業利益
中国事業/金融セグメント
株主還元:配当金
株主還元:自己株式取得

次期の業績見通し

 トヨタは2021年3月期第1四半期より国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards、IFRS)を任意適用する予定のため、連結業績の見通しはIFRSに基づき算出。

 世界の自動車市場は、全体として2020年4月~6月を底に徐々に回復し、2020年の年末から2021年の前半にかけて前年並みに戻ると予想するが、新型コロナウイルスの影響は深刻であり、当面は弱い動きが続くと見込まれる。営業収益と営業利益はこの前提で予想しているという。

 このような前提の下、現時点における2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)の連結業績の見通しについては(為替レートは通期平均で1米ドル=105円、1ユーロ=115円を前提)、新型コロナウイルスの収束時期は依然として不透明であることから、連結業績の見通しは今後の感染拡大や収束の状況等によっては変動する可能性があるとした上で営業収益24兆円(前期比19.2%減)、営業利益5000億円(前期比79.5%減)とした。

 なお、税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益については、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響によりさまざまな不確定要素が含まれることから、現時点では合理的に算定することが困難なため未定としている。

2021年3月期の前提台数(連結販売)は700万台。地域別の内訳は新型コロナウイルスなどの影響もあって伏せられている
連結決算見通し要約。営業利益5000億円(前期比79.5%減)とした
連結営業利益見通し増減要因について