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KDDI、世界初「水空合体ドローン」を発表 親機が空を飛び 子機が水に潜る

2021年6月10日 発表

水空合体ドローン

点検場所までドローンが自律飛行し、遠隔で水中点検が可能

 KDDI、KDDI総合研究所、プロドローンの3社は6月10日、ダムおよび港湾設備点検や水産漁場監視などにおける省人化・安全確保を目的に、点検場所まで自律飛行する空中ドローン(親機)に、映像伝送および音波での測位が可能な水中ドローン(子機)を搭載した「水空合体ドローン」を世界で初めて開発し、2021年5月31日に技術実証を完了したと発表した。

水空合体ドローン開発の背景

 近年、水産養殖や水域インフラの点検分野において、少子高齢化などの理由から、人手不足が深刻な問題になっている。特に水中での作業支援が可能な水中ドローンの需要が高まる一方、従来の水中ドローンでは、点検場所まで船を出す必要があった。

水空合体ドローン利用イメージ

 そこで水空合体ドローンは、4G LTEなどのモバイル通信でドローンを遠隔制御し、安全な長距離飛行を実現する「スマートドローンプラットフォーム」の活用により、船を出すことなく、点検場所までドローンが自律飛行し、着水後に水中ドローンを分離し、遠隔で水中の点検を可能とした。

 今後、湖沼や海中での作業などの分野で、ドローンの新たな市場の創出も期待される。KDDI、KDDI総合研究所、プロドローンの3社は今後、2021年度中に各用途に応じた実証を行ない、2022年度の商用化に向け開発を行なうとしている。

水空合体ドローンの特徴

 空中ドローン(親機)に水中ドローン(子機)を搭載した合体型のドローンで、スマートドローンプラットフォームを活用したタブレットでのドローン遠隔操作を行ない「飛行」「着水」「分離」「潜航」「浮上」「回収」「帰還」といった一連の動作を制御可能とした。水中の子機の位置をKDDI総合研究所独自の音響計測技術で正確に測定し、水中子機からの映像をリアルタイムで操作者へ伝送する。

水面への着水の様子
親機から分離した子機が潜行する様子
水面から離水し飛行する様子

 3社の役割分担としては、KDDIがスマートドローンプラットフォームを提供、KDDI総合研究所が開発全体統括、音響測位部分の開発、プロドローンが水空合体ドローンの開発を行なっている。

 なお、この水空合体ドローンは、2021年6月14日~6月16日にかけて開催される展示会「ジャパンドローン2021」にてKDDIブースに展示を予定しているという。KDDIブースでは、このほかにもモバイル通信に対応したスマートドローンプラットフォームや、物流、監視、点検、測量、農業各分野での提供事例などについても展示を行なうとしている。