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写真で見る ホンダ「N-BOX」(2017年フルモデルチェンジ)
2017年8月31日 11:30
本田技研工業「N-BOX」はトールボディを持つ軽自動車。「日本にベストな新しい乗り物」をコンセプトに開発された「N」シリーズの先鞭をつけたモデルだ。
このNシリーズは2011年に初代N-BOXが発売されたあと、「N-BOX+」「N-ONE」「N-WGN」「N-BOX SLASH」とラインアップを拡大しつつ、2016年11月には累計販売台数が150万台をオーバー。この間、N-BOX系列3車種の合計で4度の年度軽四輪車通称名別新車販売台数1位を獲得するなど、市場を席捲する大ヒットシリーズとなった。
こうした流れのなか、第2世代となるN-BOXシリーズの先陣を切ってリリースされたのが、新型N-BOXだ。新型ではエンジンを含むプラットフォームを全面的に刷新したうえで、これまで以上に「人に寄り添い、日本の毎日を、乗る人の生き方を、楽しく豊かに変える」ことを目指した。キーワードは「N for Life」。これをもとに「ユーティリティ」「快適」「安心」「スタイル」「ドライブ」といった全領域に渡り、機能や装備の充実が図られることになった。
ボディは従来モデルと同じく、全長3395mm、全幅1475mmとこれまでどおり軽自動車枠いっぱいのサイズを維持。しかし、超高張力鋼板の適用範囲を拡大することなどにより、衝突安全性能や遮音性の向上、さらに装備を充実させながら約80kgもの軽量化を実現している。また、車内スペースに関してもエンジンルームのコンパクト化やテールゲートの薄型化などにより、荷室床面長、および前後席間をともに25mm拡大し、居住性と積載性をアップ。テールゲート開口部を75mm引き下げることにより、ラゲッジスペースへのアクセスも向上している。
こうした基本骨格のリファインに加え、ユーティリティ面ではN-BOXの広い空間を有効活用するために、「スーパースライドシート」「ベンチシート」「スロープ(2018年春発売予定))」の3タイプの仕様を用意。グレードによる別装備とはなるものの、ユーザーのスタイルに応じて選択可能となっている。
中でも新設定されたスーパースライドシート仕様は、助手席に570mmのロングスライド機構を採用。単なる居住性の向上にとどまらず、助手席と後席間でのコミュニケーションをスムーズにするほか、前後席間のウォークスルーも可能とするなど、新しいスタイルを生み出している。一方、リアシートは5:5左右独立調節可能なタイプを全車に標準装備。190mmの前後スライドのほか、3段階リクライニング、チップアップ&ダイブダウン機構を備えるなど、乗車人数や積載量に合わせた多彩なアレンジを可能としている。また、車内には随所に収納スペースやポケット類が設けられており、なにかと小物が多くなりがちなファミリーユースでも便利に使える設定となっている。
エンジンは直列3気筒DOHC 0.66リッターの「S07B」で、自然吸気とターボの2タイプを用意。この新ユニットは、初代N-BOXが搭載する「S07A」が64.0×68.2mmのボア×ストロークを持つことに対し、S07Bでは60.0×77.6mmと燃費面で有利となるロングストローク化を進めているのが大きな特長。
その上で、自然吸気エンジンの吸気側には低回転域と高回転域でバルブの開閉タイミングとリフト量を切り替える「VTEC」をホンダの軽自動車として初採用。ロングストローク化に伴う出力面の不利をカバーしている。スペックは最高出力43kW(58PS)/7300rpm、最大トルク65Nm(6.6kgm)/4800rpmで、4000rpm以降のパワー&トルクアップを実現。JC08モード燃費は26.4km/L~27.0km/L(FF車)となり、優れた燃費性能とともに気持ちのいい加速性能を実現している。
一方のターボエンジンには、軽自動車としては初となる電動ウェイストゲートの採用がトピック。電動化することによりターボチャージャーの過給圧を任意で調整可能となり、低燃費化とレスポンスの向上を同時に果たしている。こちらのスペックは最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104Nm(10.6kgm)/2600rpm。JC08モード燃費は25.0km/L~25.6km/L(FF車)となる。トランスミッションは全車CVTで、駆動方式は2WD(FF)と4WDが用意される。
安全面ではホンダの軽自動車として初めて先進安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を標準装備。「衝突軽減ブレーキ(CMBC)」「後方誤発進抑制機能」「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」「車線維持支援システム(LKAS)」など10項目におよぶ機能を網羅。安心と安全を実現している。
ボディバリエーションは従来モデルと同じく、標準のN-BOXに加え、専用バンパーなどを装備してドレスアップするとともに遮音性を向上させて質感を高めた「N-BOX カスタム」の2タイプを用意。
グレードはN-BOXが「G・Honda SENSING」「G・L Honda SENSING」「G・EX Honda SENSING」「G・L ターボ Honda SENSING」「G・EX ターボ Honda SENSING」の5モデル。N-BOX カスタムは「G・L Honda SENSING」「G・EX Honda SENSING」「G・L ターボ Honda SENSING」「G・EX ターボ Honda SENSING」の4モデル。両車ともG・EX系グレードがスーパースライドシート仕様、G、およびG・L系グレードがベンチシート仕様となる。
ボディカラーは、N-BOXが新色「モーニングミストブルー・メタリック」や2トーンカラーなど全14色で、価格は138万5640円~188万280円。N-BOX カスタムが新色「グラマラスブロンズ・パール」や2トーンカラーなど全12色が用意されており、価格は169万8840円~208万80円。