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マイカーがLINE友だちに。トヨタが新たな「コネクティッドカー」サービスを解説
専用通信機DCMを活用。走行の丁寧さで保険額も割引に
2018年6月26日 16:00
- 2018年6月26日 発表
トヨタ自動車は、新型「クラウン」「カローラ スポーツ」の全モデルで利用可能にした「コネクティッドサービス」の詳細を説明した。
コネクティッドサービスは、現在展開中のT-Connectサービスを大幅に拡充するもの。専用通信機DCMを利用し、車両情報をネットワークを通じてクラウド上で管理することで、クルマのメンテナンス情報の確認や運転内容の診断、自動車保険との連動、LINEを活用したマイカーとのコミュニケーションなどが可能になる。また、既存の一部車種で利用可能な路車間・車車間通信などを実現するITS Connectなどもコネクティッドサービスに含まれる。
T-Connectサービスにおけるその他の既存サービスについても改善、拡充しているほか、新型クラウン、新型カローラ スポーツのユーザーは、通常1万2960円(年間)必要になるT-Connectサービスを3年間無償で利用できるようにする。
走行の仕方に応じて保険の割引額が決まるプランも
コネクティッドサービスの開始によってT-Connectサービスに新たに追加されるのは、「コネクティッドメンテナンスパック」「ドライブ診断」「トヨタつながるクルマの保険プラン」「LINE マイカーアカウント」の4種類。このうち「トヨタつながるクルマの保険プラン」は新型クラウンのみでの提供となる。
新型クラウンと新型カローラ スポーツの全モデルに搭載している専用通信機DCMを用いることで、モバイルネットワークを介して同社のクラウドサービスにアクセスし、さまざまな車両データを収集、分析。車載機がそのデータをやりとりして、画面上でドライバーに対して必要な情報を提供したり、スマートフォンアプリと連携したりする仕組みとなっている。
このうち「コネクティッドメンテナンスパック」は、通常の定期点検を通知するのに加えて、クルマの実走行距離に応じてエンジンオイル交換やタイヤのローテーション、フィルター類の交換の必要性を検知し、ディーラーでの整備を自動で提案するもの。
「ドライブ診断」は、ユーザーの運転内容を分析して「安全な運転」と「エコな運転」という2つの視点から採点。その点数とともに、より安全でエコな運転を目指すためのアドバイスを専用スマートフォンアプリ上に表示する。
また、新型クラウンのユーザーに向けては、この機能により得られた安全運転の度合いと車両の詳細な走行データを元に、自動車保険料を割り引く「トヨタつながるクルマの保険プラン」を提供する。あいおいニッセイ同和損保と共同開発したもので、「安全運転を意識でき、安全運転で得する」サービスとなる。
「LINE マイカーアカウント」は、ユーザーのLINEアカウントで新型クラウンや新型カローラ スポーツなどとつながることができる機能。マイカーとまるで友だちになったかのように、チャット形式でメッセージをやりとりすることができる。出発する前にリモートから目的地をカーナビにセットできるほか、現在の天気を尋ねたり、クルマのガソリン残量に応じた航続可能距離などの情報を得たりすることも可能になる。
これ以外にも、T-Connectサービスとしてすでに提供されている機能のうちいくつかが改善、拡充される。例えば、車載カーナビを音声操作できる「エージェント(音声対話サービス)」では、ユーザーの発声内容に応じて車載機側で処理するべきものか、クラウド側で認識して処理すべきものかを判断する「ハイブリッド音声認識」を実現。より素早く、的確な情報検索と応答を可能にする。
専門スタッフが担当する「オペレーターサービス」は、そうしたAIエージェントでは対応しきれないより細かな要望にも応えられるようにするもの。従来、トヨタ車オーナーに提供してきた同サービスでは、オペレーターと音声通話を通じてスポット探索を依頼し、要望に添った目的地を調べてもらった後、遠隔から車載機に目的地として設定してもらえるものだった。
新型クラウンでは、これに加えてホテルやレストランなどの予約を依頼することも可能になる。レクサス(トヨタ自動車)で提供している「オーナーズデスク」と似た内容だが、実際のコールセンターはトヨタユーザー向けとレクサスユーザー向けとで明確に分けて運用しているとのこと。
そのほか、T-Connectサービスで提供している内容としては、クルマに機械的なトラブルが発生した際にコールセンターや販売店から音声通話などでサポート・アドバイスを受けられる「eケア(走行アドバイス)」、スマホアプリからクルマのオイル量、リモコンキーのバッテリー残量などの情報を確認できる「eケア(ヘルスチェックレポート)」などがある。
また、ドアの開閉チェックと遠隔ロック、ハザードランプの状態確認と点灯操作のほか、クルマの駐車位置を地図上で調べることもできる「マイカーSecurity」、事故などの緊急時に自動で専任オペレータへ通報などを行なう「ヘルプネット(エアバッグ連動タイプ)」、道路交通情報やユーザーの走行情報などから最適なルートを探索する「ハイブリッドナビ」が利用可能となっている。