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ジープ、“究極のアドベンチャービークル”に進化した新型「ラングラー」発表会
「これまでにない洗練性と性能を持ちながら、荒々しいジープのルーツに忠実」とデザイン責任者のクリス・ピシテリ氏
2018年10月26日 06:00
- 2018年10月25日 開催
ジープ(FCA ジャパン)は10月25日、11月23日に発売を開始する新型「ラングラー」の発表会を舞浜アンフィシアター(千葉県浦安市舞浜)で開催した。
11年ぶりの全面改良となる新型ラングラーは、V型6気筒DOHC 3.6リッターエンジンに2ドアボディを組み合わせる「Sport」(459万円)、4ドアボディに直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジンを搭載する「Unlimited Sport」(494万円)をラインアップするとともに、同V6エンジンを4ドアボディに搭載する発売記念仕様車の「Unlimited Sahara Launch Edition」(530万円)を展開する。
誰もがラングラーと識別できるデザインを採用しながら、中身は完全刷新
今回の新型ラングラーの発表会は、報道陣とともにジープユーザーも会場に招待して11年ぶりのフルモデルチェンジを祝った。発表会にはFCA ジャパン 代表取締役社長 兼 CEOのポンタス・ヘグストロム氏が車両概要について紹介するとともに、FCA Jeep エクステリアデザイン責任者のクリス・ピシテリ氏からデザインの特徴について語られた。また、ライブペインター DRAGON76氏のライブペイント作品の紹介や、音楽家 坂本龍一氏とWIRED日本版 元編集長の若林恵氏による特別対談、ゴスペルスクエア シンガーズによるジープ オリジナル楽曲の披露など、11年ぶりに刷新された新型ラングラーのデビューを派手に祝った。
はじめに登壇したヘグストロム社長は日本市場における同社の販売状況について触れ、2016年に2万台を超え、2018年は2万3000台を上まわる状況であることを報告。ジープブランドを見ると、2009年のセールスが1027台だったのに対し、2017年に初めて1万台を突破し、さらに2018年は1万2000台を超える見通しであるとし、新型ラングラーの受注は2018年内で4000台を超える予定という。また、世界におけるジープブランドの販売台数のうち、40%を日本市場が占めているとしており、「世界で見ても、これほどラングラーに重要性を置く市場はありません。これは中国を超えたことを意味し、日本は北米を除いて世界最大のラングラーマーケットなのです」と、日本市場の重要性を説いた。
一方、今回の新型ラングラーについては「一見すると先代ラングラーに見えますが、今回はそれが狙いでした。誰もがラングラーと識別できるデザインとしつつ、完全に刷新しました。洗練され、プレミアム感があり、快適性に優れ、それでいて驚くほどオフロード走破性に優れるのです」とアピールするとともに、主な改良点について紹介。
まず走行性能について、「アプローチ、ブレークオーバー、そしてディパーチャ―アングルを改善しました。今回初となるフルタイムオンデマンド4×4システムをパートタイム式の4×4システムに加えて提供しています。このシステムは自動的に車輪に対してパワー配分を行ない、路面や天候に応じて自動的にドライバーが操作する必要がありません。また、オフロード用のページをクラスタースクリーンに追加し、これにより車両の縦および横の傾斜角が表示されたり、ランディングコンディションの確認などができます」と解説。
また、装備面については「LEDのヘッドライトとテールランプを採用するとともに、内装もグッと洗練され、プレミアムなディティールとなりました。ヒーテッドステアリングはその一例で、ドライバーがどんなに寒くても快適でいられるようになっています」と述べたほか、パワートレーンは最高出力209kW(284PS)/6400rpm、最大トルク347Nm(35.4kgfm)/4100rpmを発生するV型6気筒DOHC 3.6リッターエンジン、最高出力200kW(272PS)/5250rpm、最大トルク400Nm(40.8kgfm)/3000rpmを発生する直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジンの2種類をラインアップし、8速ATを組み合わせることを紹介。燃費改善の要望も高かったことからいずれもアイドリングストップ機能が備わること、新たにアルミのボディパネルを採用したことで先代モデルから90kg軽くなったことが語られ、「これにより燃費は従来モデル(3.6リッター)からV6エンジンでは23%、直4エンジンでは53%向上しています」と語られた。
安全装備についても進化し、新型ラングラーでは70以上の新しいセーフティ、セキュリティ装備が与えられ、「Parkview リアバックアップカメラ」「ParkSense リアパークアシスト」を全車標準装備するとともに、Launch Editionには「フロントパークアシスト」「ブラインドスポットモニター/リアクロスパスディテクション」が標準装備されることを紹介。
ヘグストロム社長は最後に「ラングラー Unlimited Rubicon」が来春に発売されることについて触れるとともに、「ジープは自然とのつながりが強いブランドです。森林再生プロジェクトを2012年から日本中で支援してまいりました。弊社の『Realの森』プロジェクトを通して新型ラングラーを年内に購入いただいた方にPresent Treeを差し上げます。木は自然災害を受けた地域に植えられることになります。皆さまとジープディーラーでお会いし、運転している姿を見ることを楽しみにしています」としてプレゼンテーションを締めくくった。
新型ラングラーは“究極のアドベンチャービークル”
一方、FCA Jeep エクステリアデザイン責任者のクリス・ピシテリ氏はデザインについてのプレゼンテーションを実施し、ジープブランドのスタートが9スロットグリルを採用した「WILLYS MB」(1941年)で、その後継モデルの「CJ2」(1945年)から民間用モデルとしてヘッドライトが拡大し、それに伴い7スロットグリルになったことなどを紹介。新型ラングラーがこうした歴代モデルで採用されてきたデザインを踏襲していることを解説するとともに、インテリアでは「オフロード走行時にドアを外して走るのがたまらないのです。そのためドアを外しやすくしました」と、遊び心のある装備の一例も紹介された。
また、ホイールベースの拡大により居住スペースが拡大したことに加え、後席の背もたれの形状や角度が最適化され、室内の快適性が大幅に向上したことを報告。さらに遊び心のあるデザインとして、ステアリングのデザインはWILLYSのものをモチーフにしたこと、WILLYSのシルエットが入るシフトノブを採用したこと、車両データが記載されたプレートをテールゲート部に備えたこと(WILLYSではインパネ部にレイアウトされていた)を紹介し、「こうしたちょっとしたディティールにこだわることをわれわれも楽しみました。お客さまも一緒にご理解いただければ私たちも嬉しい」とコメント。
最後に「新型ラングラーはラングラーの伝統を継いでおり、オリジナルのジープが持っていた素晴らしい縦横比を彷彿とさせていますが、同時にラングラー史上最高レベルの現代的な快適性も備えています。これまでにない洗練性と性能を持つまでに進化させながら、荒々しいジープのルーツに忠実という、“究極のアドベンチャービークル”なのです」とアピールしている。