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レクサス、新型コンパクトクロスオーバー「UX」発売。390万円から

ガソリンモデルは2WDのみ、ハイブリッドモデルは2WD/4WDを設定

2018年11月27日 発売

UX200:390万円~474万円

UX250h:425万円~535万円

新型コンパクトクロスオーバー「UX」

 レクサス(トヨタ自動車)は11月27日、新型コンパクトクロスオーバー「UX」を発売した。価格はガソリンモデルの「UX200」が390万円~474万円、ハイブリッドモデルの「UX250h」が425万円~535万円。

 新型UXは「Creative Urban Explorer」をコンセプトに掲げる都会派コンパクトクロスオーバー。ガソリンモデルとハイブリッドモデルを展開し、ガソリンモデルは2WD(FF)のみの展開で、ハイブリッドモデルは2WD(FF)と4WD(E-Four)を各グレードで設定する。

 クロスオーバーらしいシルエットを強調しつつ、GA-Cプラットフォームの採用に加えてLSW(レーザースクリューウェルディング)や構造用接着剤の使用部位拡大、ドア開口部環状構造の採用によってボディの高剛性化を実現。さらにコラムシャフトを大径化し、ねじり剛性を高めたコラムアシスト式EPSを採用したほか、軽量化による低重心化などによって優れた操舵応答性・操縦安定性を実現したという。

UX200
モデルエンジン変速機駆動方式価格WLTCモード燃費
UX200“version L”直列4気筒2.0リッター直噴「M20A-FXS」型CVT2WD(FF)4,740,000円16.4km/L
UX200“F SPORT”4,430,000円
UX200“version C”4,140,000円
UX2003,900,000円
UX250h
モデルエンジン変速機駆動方式価格WLTCモード燃費
UX250h“version L”直列4気筒 2.0リッター直噴「M20A-FKS」型+モーター電気式無段変速機2WD(FF)5,090,000円22.8km/L
4WD5,350,000円21.6km/L
UX250h“F SPORT”2WD(FF)4,780,000円22.8km/L
4WD5,040,000円21.6km/L
UX250h“version C”2WD(FF)4,490,000円22.8km/L
4WD4,750,000円21.6km/L
UX250h2WD(FF)4,250,000円22.8km/L
4WD4,510,000円21.6km/L
新型UXはガソリンモデルは2WD(FF)のみの展開。ハイブリッドモデルは2WD(FF)と4WD(E-Four)を各グレードで用意

俊敏な走りを予感させるプロポーション

 ボディサイズは全グレードとも4495×1840×1540mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2640mm。同じコンパクトクロスオーバーに位置付けられる「NX」(4640×1845×1645mm)と比べて145mm短く、5mm狭く、105mm低いプロポーションを持つ。また、同じGA-Cプラットフォームを採用するトヨタ自動車「C-HR」(4360×1795×1550mm。2WD)と比べると135mm長く、45mm広く、10mm低いサイズになる。

 エクステリアでは、GA-Cプラットフォーム採用による低重心化とタイヤの大径化で俊敏な走りを予感させるプロポーションを実現。具体的には縦方向に厚みをもたせたボディによって力強さを表現するとともに、キャビンの中心からタイヤに向かって前後のフェンダーが張り出すような構成とした。

 フロントまわりでは3眼LEDヘッドライトの上部にアローヘッド形状のクリアランスランプを配置することで精悍な表情を演出。スピンドルグリルはブロックメッシュ形状とし、角度によって表情を変える独自のデザインが与えられた。サイドでは強く張り出し、リアに向かってキックアップする上下2つのキャラクターラインが躍動感を高めるとともに、整流効果の高いアーチモール形状を採用。17インチアルミホイールにも空気抵抗を抑えながら冷却性能を両立した機能性の高いデザインを採用した。

 また、リアまわりではスピンドルをテーマにした面取り造形とすることで、凝縮感とシャープさを強調。リアコンビネーションランプはレーシングカーのリアウイングをイメージしたという左右一体の翼形状とし、両端を立体的な縦フィン造形にすることで走行安定性に寄与する空力性能が備わる。特に操舵時や横風時にリアの挙動を安定させるのに寄与するという。

 なお、新型UXでは近年のトヨタ車やレクサス車に用いられていた独自の空力デバイスである「エアロスタビライジングフィン」は採用されておらず、代わりにアーチモールを「エアロスタビライジングアーチモール」、テールランプを「エアロスタビライジングブレードライト」と呼んでいる。

新型UXのボディサイズは4495×1840×1540mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2640mm
スピンドルグリルはブロックメッシュ形状とし、角度によって表情を変える独自のデザインが与えられた。写真右のF SPORTではこれまでの縦基調のメッシュを継承、発展させ、ブランド全体でスポーツイメージを訴求
version Lに標準装備、version C、F SPORTにオプション設定される3眼フルLEDヘッドライト(ロー・ハイビーム)ではロービームに小型LEDユニット、ハイビームにAHS(アダプティブハイビームシステム)を搭載
250h、200、version C、F SPORTに標準装備されるLEDヘッドライト(ロー・ハイビーム)
version Lに標準装備、250h、200、version Cにオプション設定される5本スポークの18インチアルミホイール(切削光輝+ダークグレーメタリック塗装)
「LC」の鍛造ホイールのスポーツイメージを継承した、18インチ“F SPORT”専用アルミホイール(ダークプレミアムメタリック塗装)
250h、200、version Cに標準装備される17インチエアロベンチレーティングアルミホイール(シルバーメタリック塗装)
整流効果の高い形状を採用した「エアロスタビライジングアーチモール」
レーシングカーのリアウイングをイメージしたという左右一体の翼形状を採用した「エアロスタビライジングブレードライト」

 ボディカラーは、赤土のような重厚感と日差しによって発色が際立つ「ブレージングカーネリアンコントラストレイヤリング」、岩肌をイメージして深い陰影を表現した「テレーンカーキマイカメタリック」、ハイライトにガラスフレークが輝くソリッドライクな「セレスティアルブルーガラスフレーク」といった3つの新色を含めた、全13色を用意する。

「ブレージングカーネリアンコントラストレイヤリング」
「テレーンカーキマイカメタリック」
「セレスティアルブルーガラスフレーク」
「ホワイトノーヴァガラスフレーク」(F SPORT専用)
「ソニッククォーツ」
「マーキュリーグレーマイカ」
「プラチナムシルバーメタリック」
「ソニックチタニウム」
「ブラック」
「グラファイトブラックガラスフレーク」
「マダーレッド」
「アンバークリスタルシャイン」
「ヒートブルーコントラストレイヤリング」(F SPORT専用)

インテリアでは独自の日本の美意識を取り入れたデザインを採用

 インテリアでは、ドライビングの高揚感を演出するコクピットと視覚的な開放感を両立したデザインを採用。具体的には低いドライビングポジションとステアリングを中心に配置した操作系により、ドライビングの高揚感を演出。さらに内側と外側の視界をあいまいにする日本の建築思想に着想を得た、インストルメントパネルの上部からフード、フェンダーへと内外が連続するような造形で、タイヤ位置の認識しやすさや見晴らしのよい視覚的な開放感を実現。合わせてショルダー部やセンターコンソール、ドアアームレストなどに力強い骨格を想起させるデザインを用いることで、安心感を与える室内空間を表現した。

 フロントシートには伝統的な刺繍技法である「刺し子」をモチーフにしたキルティングや、ベンチレーション機能を持つパーフォレーションを採用するなど、機能とデザインを両立。また、和紙のような質感を表現したインストルメントパネル上部のオーナメントなど、レクサス独自の日本の美意識を取り入れたデザインが採用された。さらに磁界共振方式の非接触給電技術を車載部品として初採用。奥行き感のある発光により、先進性を表現したエアコンレジスターノブが内装での特徴の1つになっている。

 インテリアカラーは、ブルーをあしらってスポーティさとファッショナブルさを併せ持つ「コバルト」と、先進的でモダンな空間をイメージした「ホワイトアッシュ」の2色を新開発するなど、計9色(うち3色はF SPORT専用)という多彩なバリエーションが用意される。

ピンチイン・ピンチアウトによる地図の縮小・拡大など、10.3インチワイドディスプレイのリモート操作を指先で行なえるリモートタッチ(タッチパッド式)
運転席、インパネセンター部、助手席のレジスターノブに非接触給電式LED照明を設定し、奥行きのある光り方で高級感と夜間の視認性を高めた「フローティングベントコントロールイルミネーション」(レクサスとして世界初採用)
センターコンソールのフロントトレイ部の充電エリアに置くだけでスマートフォンやモバイルバッテリーなどの充電が行なえる「おくだけ充電」(全車オプション設定)
緻密なレリーフ技術を駆使したというL字型モチーフを、ドライブモードセレクトスイッチやエアコンレジスターノブなどに採用
デジタルの要素とアナログの風合いを融合させた7インチTFT液晶式メーター(F SPORTは8インチ)。写真はハイブリッドモデル
260×97.5mmのカラー表示によって複数の情報をドライバーに提供する「カラーヘッドアップディスプレイ」
オートエアコンと連動してシートヒーター、シートベンチレーション、ステアリングヒーターを自動制御し、最適な心地よさを提供する「レクサス クライメイト コンシェルジュ」(運転席・助手席独立温度調整オートエアコン/花粉除去モード付)。version C、version L、F SPORTに標準装備
microSDカードスロット(全車標準装備)
フロントセンターコンソールボックス内のUSB(2個)/AUX(音声)入力端子(全車標準装備)
ラゲッジスペース容量はUX200、UX250hともに220Lで、後席シートバックを倒すことでともに995Lまで拡大できる。フロア下のアンダーデッキ容量はUX200が51L、UX250hが44L
キーを携帯していればリアバンパーの下に足を出し入れすることで自動開閉できる「ハンズフリーパワーバックドア」(挟み込み防止機能・停止位置メモリー機能付)はversion L、F SPORTに標準装備(250h、200、version Cにオプション設定)
F SPORTのインテリアでは専用スポーツシートが備わるほか、アルミ製スポーツペダル、パドルシフトや、専用の本革ステアリング、8インチTFT液晶式メーターなどを装備
「リッチクリーム」
「ホワイトアッシュ」
「ブラック」
「オーカー」
「コバルト」
「シャトー」
「“F SPORT”専用ホワイト」
「“F SPORT”専用フレアレッド」
「“F SPORT”専用ブラック」

ハイブリッドモデルは「先読みエコドライブ機能」をレクサス初採用

 パワートレーンについては、ガソリンモデルが直列4気筒 2.0リッター直噴「M20A-FKS」型エンジンにCVT(ギヤ機構付自動無段変速機)を、ハイブリッドモデルが直列4気筒 2.0リッター直噴「M20A-FXS」型エンジンに「3NM」型モーター(フロント。4WD車はリアに「1MM」型モーターを搭載)、電気式無段変速機をそれぞれ組み合わせる。

 いずれの直列4気筒2.0リッターエンジンも優れた動力性能と環境性能を両立するとともに、高回転域まで軽快にまわる爽快な加速フィーリングと心地よいエンジンサウンドを実現した。具体的にはレーザークラッドバルブシートの採用により、シリンダー内の空気の渦と吸気流量を強化するなど高速燃焼を追求し、世界トップレベルの熱効率(ガソリンモデル用が40%、ハイブリッドモデル用が41%)を実現。さらにピストンの側面にレーザーでクロスハッチ状の細い溝を付けて保油性を向上させる世界初の技術や、レースエンジンの開発で培った技術を採用するなど、高回転化によって高い出力を得たとのこと。

GA-Cプラットフォームの採用に加えてLSW(レーザースクリューウェルディング)や構造用接着剤の使用部位拡大、ドア開口部環状構造の採用によってボディの高剛性化を実現
上質な走りに貢献するというパフォーマンスロッド(フロント)に加え、ステアリングギヤのブレースを全車に標準装備
ガソリンモデルに搭載される新開発の「Direct Shift-CVT」
新型UXでは予防安全パッケージ「Lexus Safety System+」を搭載。単眼カメラ+ミリ波レーダーを組み合わせ、LTA(レーントレーシングアシスト)、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)、AHB(オートマチックハイビーム)/AHS(アダプティブハイビームシステム)、RSA(ロードサインアシスト)、PKSB(パーキングサポートブレーキ)、ブラインドスポットモニターといった機能が利用可能

 なお、直列4気筒2.0リッターエンジンと組み合わせた新開発のハイブリッドシステムは、モーターによるアシストとエンジン回転数を最適化し、高い燃費性能と気持ちよい加速フィーリングを実現。また、ドライバーの運転行動やナビゲーションの地図情報をもとに、実際の走行に沿ってハイブリッドバッテリーの充放電を最適に制御する「先読みエコドライブ機能」をレクサスで初採用(UX250hに標準装備)した。

 この「先読みエコドライブ機能」には「先読み減速支援」「先読みSOC(State Of Charge)制御」という2つの機能が備わる。「先読み減速支援」はナビゲーションがドライバーによる日々の運転行動から、どこで減速・停止するかを予測してデータを蓄積。すでに蓄積された地点に接近したとき、アクセルOFF後に回生拡大制御を行なうことで、より多くのエネルギーの回収を可能にする。約300m先までの減速行動を予測して作動し、効率よくエネルギーを回生してハイブリッドバッテリーに充電する。

 また、「先読みSOC(State Of Charge)制御」ではナビゲーションでの経路案内中にのみ、「下り坂SOC制御」「渋滞SOC制御」を行なう。「下り坂SOC制御」は、これまで長い下り坂を走行するとき、ハイブリッドバッテリー残量が多いと下り坂の途中で満充電になり、それ以上のエネルギーを回生しても回収できずにいた。そこでナビゲーションの地図データ(勾配情報)を利用して、先に長い下り坂があるときに下り坂に入る前の段階で積極的にEV走行を行ない、ハイブリッドバッテリーの残量を減らす。その結果、下り坂走行中に充電できる量を増加させ、実用燃費の向上に貢献するという。

「渋滞SOC制御」については、これまで渋滞時は発進・低速走行によるモーター使用が増加し、ハイブリッドバッテリー残量が低下してハイブリッドバッテリーを強制的に充電するためにエンジンが稼働していた。そこでナビゲーションから受信した道路交通情報を利用してこの先に渋滞が発生している場合、渋滞に入る前の段階で積極的にハイブリッドバッテリーの充電を行なう。これにより、渋滞時に強制的に充電する頻度を減少させ、実用燃費を向上させることができる。

新型UX主要諸元

UX250h“version L”UX200“version C”UX200“F SPORT”
駆動方式4WD2WD(FF)
全長×全幅×全高4,495×1,840×1,540mm
ホイールベース2,640mm
重量1,640kg1,470kg1,490kg
エンジン直列4気筒 2.0リッター直噴「M20A-FXS」型直列4気筒 2.0リッター直噴「M20A-FKS」型
エンジン最高出力107kW(146PS)/6,000rpm128kW(174PS)/6,600rpm
エンジン最大トルク188Nm(19.2kgfm)/4,400rpm209Nm(21.3kgfm)/4,000-5,200rpm
フロントモーター「3NM」型-
フロントモーター最高出力80kW(109PS)-
フロントモーター最大トルク202Nm(20.6kgfm)-
リアモーター「1MM」型-
リアモーター最高出力5kW(7PS)-
リアモーター最大トルク55Nm(5.6kgfm)-
トランスミッション電気式無段変速機CVT(ギヤ機構付自動無段変速機)
WLTCモード燃費21.6km/L16.4km/L
JC08モード燃費25.2km/L17.2km/L