写真で見るプジョー「508」


 プジョーの新たなるフラッグシップとして登場したのが「508」だ。1991年まで生産されていた「505」以来の500番台のラグジュアリーサルーンとなるが、実質的には「407」の後継モデルといえる。ラインアップは407と同様に4ドアセダンに加え、5ドアステーションワゴン「SW」も用意されている。

 エクステリアは2010年のジュネーブショーにおいて発表された「5 by プジョー」を、量産車としてアレンジしたもの。フローティンググリルを配したフロントまわりや、リアコンビランプまわりなど、ほぼイメージそのままといった印象だ。

 そのボディーサイズはセダンが4790×1855×1455mm(全長×全幅×全高)、SWが4815×1855×1505mm。407より大幅にサイズアップされているが、その分、後席ヒザまわりのスペースを53mm拡大。フラッグシップの名にふさわしいゆったりとくつろげる空間となった。

 エンジンは欧州車の主流となりつつある小排気量&過給器の組み合わせを採用。直列4気筒DOHC 1.6リッター 直噴 ツインスクロールターボは115kW(156PS)/6000rpm、240Nm(24.5kgm)/1400-3500rpmのパフォーマンスを実現。407の2.2リッターモデルに近い数字となるが、アルミボンネットの採用などによる約40kgの軽量化と、0.26のCd値を達成したボディーなどもあいまって、燃費は10・15モードで11km/Lと大きく向上している。

 また、プジョーといえばしなやかな乗り心地から「ネコ足」などと評されるが、508ではフロントサスペンションを407のダブルウイッシュボーンからマクファーソン・ストラットに変更。この新開発の足まわりにより12kgもの軽量化に加え、ロードホールディングを改善。407から継承したリアのマルチリンクサスペンションとの組み合わせにより、優れたハンドリングとプジョー伝統の乗り心地を実現している。

 セダン、ワゴンとも「Allure」(アリュール)と「Griffe」(グリフ)の2モデル構成。アリュールはファブリックシート、ハロゲンヘッドライト、16インチアルミホイールなどを装備したベーシックモデルで、グリフはレザーシートやキセノンヘッドライト、17インチアルミホイールなどを装備した上級モデルとなる。価格はセダンが374万円/414万円、ワゴンが394万円/437万円。

 撮影車両はセダンがアリュール、ワゴンがグリフ。ボディーカラーはそれぞれペルラ・ネラ・ブラック、オイスターおよびパールホワイト。

508SW

 

デザインコンセプトは昨年発表されたコンセプトカー「SR1」をベースとした新世代のもの。浮き上がって見えるフローティンググリルをはじめパネル間の段差やギャップを抑えるなど、緻密さと躍動感を両立させたものとなっている

 

エンジンは直列4気筒の1.6リッター直噴ターボ。アイシンAWの第2世代6速ATとの組み合わせにより、トルクフルな走りと燃費および静粛性の向上が図られているグリフのホイールは17インチが標準。オプションで18インチも用意する。タイヤサイズは前者が215/55 R17、後者は235/45 R18
ヘッドライトは通常の3倍の明るさをもつ高輝度キセノンライトを標準装着。コーナリング時に内側を照らすディレクショナル機能、ハイ/ローを自動切り替えるするインテリジェントハイビーム機能などを備える。外側に配置された7つのLEDはポジションランプ
バンパー下部のフォグランプはステアリングやウインカーに連動して点灯するコーナリング機能付ノーズには新デザインのライオン・エンブレムを配置。グリル内には「PEUGEOT」のレタリングも
リアコンビランプはワゴン専用形状。順にポジション、ブレーキ、ウインカー&ブレーキ、リアフォグの点灯状態
リアスポイラーにはハイマウントストップランプ、サイドミラーにはウインカーを内蔵するルーフラインと一体化したアルミ製ルーフレールを標準装備
ワイパーはフラットタイプを採用。ウオッシャーの吹き出し口はボンネット裏に用意されているバックソナーは全車標準となるが、グリフにはフロントソナーも備わる
使用ガソリンは無鉛プレミアム。燃料タンクはセダンともに72リッタースマートキーが標準装備。施錠はキーのボタンを使わずドアハンドルに触れるだけでも行える

 

ダークカラーで統一されたインパネまわり。柔らかな曲面と継ぎ目や段差の少なさ、素材感の高さなど、ラグジュアリーサルーンにふさわしい上質な仕上がりだステアリングにはオーディオやクルーズコントロール、メーター内のマルチファンクションディスプレイコントローラーなどのスイッチが設けられている
アナログメーターが並ぶメーターパネル。中央下部にはカラー液晶を採用したマルチファンクションディスプレイが配置される
マルチファンクションディスプレイにはシフトインジケーターのほか、速度やクルーズコントロールの設定、燃費、外気温などの表示が可能
グリフには縦列駐車のスペースを自動計測するパーキングスペースセンサーを搭載。結果は駐車可能、困難、不可と3パターンで表示される
ヘッドアップディスプレイを装備。速度のほかクルーズコントロール/スピードリミッターの設定などを表示できる
ステアリング右奥にイグニッションボタン。パーキングブレーキは電動式を採用。その横にはリアゲート(トランク)とフューエルリッドのオープナースイッチが並ぶパーキングブレーキスイッチ下にあるのは収納……と思いきやスイッチパネル。ESPやパーキングセンサーのカット、ヘッドアップディスプレイの調整ができる7インチワイドディスプレイを持つHDDナビが標準装備。フルセグ地デジ対応に加えETCユニット、3メディアVICS、Bluetooth、ビデオ入力端子などが備わる
エアコンは前後左右席で独立して温度調節が可能な4ゾーンタイプ。リアのON/OFFはフロントでも可能シフトレバーはショートストロークのガングリップタイプ
Mレンジではステアリング裏に用意されたパドルでもシフト操作が可能シフトレバー後方にはインジケーターおよびスポーツ、スノーモードの切り替えスイッチを用意センターコンソール中央部、カップホルダーの周囲にはシートヒーターなどのスイッチ類が並ぶ
インパネ上部にも収納式のカップホルダーが用意されている
明るいグレーでまとめられたルーフ部。LEDのマップランプに加えグリフには電動サンシェードのコントローラーもサンバイザー裏には照明付のバニティミラーを装備
センターコンソール後部のボックスは横開き式。内部にはDC12VソケットやUSBポートなどを用意
レザー仕様となるグリフのシート。3段階に温度調節が可能なシートヒーターや電動ランバーサポートは全車標準407よりヒザまわりが拡大し快適度がアップしたリアシート。中央部にはアームレストが備わる
後席のサイドウインドーにはサンブラインドを用意。これはセダンも同様
ワゴンにはフロントからリアまでカバーする巨大なパノラミックガラスルーフを採用。ルーフガラスはUV加工により紫外線をカットするほか、5段階に調整可能な電動サンシェードも装備している
407SWより112L拡大され560Lとなった広いラゲッジスペース。6:4分割可倒式のリアシートを倒すことで最大1598Lのスペースが確保可能だ
アームレスト部にはトランクスルーも用意されている
グリフのシートバックには脱着可能なラゲッジセパレーションネットユニット。リアシート収納状態でも利用できるのは便利
ラゲッジ左右には照明とリアシートバックを倒すためのレバー、荷物の固定などに使えるフックなどを装備。右サイドにはDV12Vアクセサリーソケットも
左右には小物の収納スペース。仕切り板は取り外せるようになっている
グリフのリアゲートは電動開閉式を採用。スマートキーや運転席などからも開閉が可能だリアゲート内側には非常停止板の収納スペースが用意されているフロア下にはスペアタイヤやツール類が収納されている

508

 

407よりフロントのオーバーハングを短く、リアを長くすることで美しく均整の取れたスタイルに。全幅は数字上は1855mmだが、それを感じさせない伸びやかなフォルムとなった。キセノンライトはオプションだ

 

アリュールは16インチアルミホイールが標準。タイヤサイズは215/60 R16従来型に比べ集光性や照度、可視距離などを向上させたNEOハロゲンヘッドランプを標準で装備する
セダン専用デザインとなるリアコンビランプ。順に消灯、ポジション、ブレーキ、ウインカーの状態

 

アリュールではシート形状はグリフと変わらないものの表皮はファブリックに変更となる6:4分割可倒式のリアシート。センターアームレストを含めワゴンとほぼ同じだ
セダンの場合、リアウインドーにもロールサンシェードが用意されているリアオーバーハングの延長によりラゲッジ容量は407の407Lから515Lへと大幅に拡大。横幅も147cmとタップリエンブレムの「0」の中央部がトランクのオープナーになっている
リアシートバックは可倒式。両側を倒せば1381Lとワゴンに迫る容量を確保できる。トランクスルーも装備
フロア下にはスペアタイヤとツール類を収納ラゲッジ側面にはカーゴフックを装備

 


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(安田 剛)
2011年 9月 2日