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10V型大画面ナビなのに400車種以上に対応!! パナソニック「ストラーダ F1Xプレミアム10」レビュー【中編】

逆走や青信号タイミングを検知。安全・安心サポート機能に家電 Watch編集長の「いいね」がこだまする

家電 Watch編集長の岩崎氏が、「ストラーダ F1Xプレミアム10」の安全・安心サポート機能を体験

 パナソニック「ストラーダ」の最新モデル「F1Xプレミアム10」は、従来の9V型モデルと同じフレームサイズながら画面が10V型へと拡大進化し、しかも前後左右の首振りが可能になっていることで、ドライバーにとっても助手席のパッセンジャーにとっても一段と見やすく、使いやすいカーナビになった。

 単純に画面が大きくなっただけではない。画面が大きくなったことで、画面に表示されるボタンも大きくなり、ハードウェアキーも画面を見ないで操作しやすいように工夫。加えてスムーズなタッチ操作、正確な位置測位、スマートフォンとの連携といったカーナビとしての基本から応用まで充実の機能・性能を備え、大画面の魅力を一段と高めている(詳細は【前編】を参照)。

 ここにさらに上乗せされているのが、クルマの運転の安全・安心をサポートする機能だ。この安全・安心サポート機能は、F1Xプレミアム10単体でカバーしているものもあれば、オプションの「ETC 2.0車載器」や「前後2カメラ ドライブレコーダー」と連携で実現するものもある。そこで女性ドライバー代表として、家電 Watchの編集長である岩崎氏に一通りの機能を体験してもらいつつ、どれだけ安全・安心を感じられるのかチェックしてみた。

道路標識や逆走注意の表示で安全運転をサポート

 初めて走る場所で、「まわりの流れに引っ張られて思わず速度を出しちゃったけれど、ここの制限速度は何km/hだっけ」なんて、運転中に不安になったことはないだろうか。 F1Xプレミアム10単体で利用できる安全・安心サポート機能の1つが、まさにそんな不安を解消してくれる「安全・安心運転サポート機能」というもの。通行中の道路に設定されている制限速度や交通規制をナビの画面に表示してくれる機能だ。

10V型の大画面だからこそ、安全・安心サポート機能がより活きる

 一般道路や高速道路の走行中、F1Xプレミアム10は地図データに含まれる情報をもとに、適宜、道路標識の内容を画面表示する。不慣れな場所で道路標識を見落としてしまったり、しばらく標識のない区間に入って確認できなかったとしても、制限速度などの案内はしばらく画面に表示されているので、安全な速度と交通ルールを意識して走行できる。

最初は「制限速度50km/h」を画面に大きく表示
その後画面左上に小さく表示し続ける

 とりわけ設置間隔が広いこともある速度制限の標識は、ちゃんと意識して見ていないと見逃しがち。家電 Watch編集長の岩崎氏も体験後は「ずっと画面に制限速度が表示されているのはいいね。これがないと、もう走りたくないかも」と話すほど。天候などによって制限速度が変化する高速道路では画面表示される速度は参考にとどめ、実際の制限速度を守る必要があるものの、いずれにしろ安全運転の助けになることは確かだ。

高速道路では雨天時などに制限速度が下げられることがある。カーナビの表示に頼りすぎず、実際の状況に合わせて運転しよう

 速度表示以外にも、進行方向に一時停止の標識があるとき、通行区分の指定があるとき、もしくは合流や急なカーブがあるときにも事前に画面上で知らせてくれるので、先のことを考えた運転がしやすい。あらかじめどんなところを通るか分かっているだけで気持ちに余裕を持つことができ、ヒヤリとするようなアクシデントでも対処しやすいだろう。

進行方向に一時停止場所がある場面
進行方向の指定がある場面
急カーブ注意の表示
複数パターンの合流にも対応
レーン減少や事故注意の案内も表示してくれる

 さらに、最近ニュースになることが増えてきた高速道路での逆走を注意喚起する機能もある。高速道路のPA(パーキングエリア)やSA(サービスエリア)に駐車し、その後出発したタイミングで逆走の注意を促すほか、実際に合流部で逆走を始めてしまったときにも警告が表示される。(※逆走の検知・警告ができる道路・状況は限られます。)「自分はそんな間違いはしない」と思いたい逆走だが、もし発生してしまえば大惨事につながりかねない。転ばぬ先の杖として備えておくに越したことはないだろう。

PA/SAから出発した際に逆走の注意喚起
「安全・安心運転サポート機能」で画面表示する標識を細かく設定できる
「ずっと制限速度が表示されているのはいいね」と話していた岩崎氏

ETC 2.0車載器を追加してさらなる先進的な安全・安心サポートを

 F1Xプレミアム10は、オプションの高度化光ビーコン対応「ETC 2.0車載器」(CY-ET2500VD)を同時に使用することで、さらに進んだ安全・安心サポート機能を利用できるようになる。そのなかでも“車内での過ごし方”すら変えてしまいそうな機能が、「信号情報活用運転支援システム」。なんと、信号の替わるタイミングが分かるのだ。

一般道路上にある高度化光ビーコンを受信可能な「ETC 2.0車載器」(CY-ET2500VD)のアンテナ
「ETC 2.0車載器」(CY-ET2500VD)の本体。新セキュリティにも対応する最新モデル

 仕組みとしては、一般道路上に設置された高度化光ビーコンと呼ばれるものから送られてくる信号機の情報を逐次受信し、その情報を元に画面表示する形。これにより、今の速度のまま進んだ場合に、前方の信号を青のまま通過できるか、赤になりそうなので減速した方がいいか、といったタイミングが画面上のアイコンで分かるようになる。また、赤信号で停車したときは、あと何秒で青信号に変わるのかも教えてくれる。

画面左上のアイコンに注目。前方の信号が青で、このまま通過できることを示している
前方の信号が赤になることを示している。アクセルを離して減速し始めるのが良さそう

 事前に信号で停車することになるか、そうでないかが分かることで、余計な加速・減速が少なくなり、同乗者が快適に過ごせるだけでなく、クルマの燃費改善につながる可能性もある。それに信号待ちの時間表示は、青信号に変わるまでの車内での過ごし方を変えることになるかもしれない。

赤信号で停車中。青に変わるまでの残り秒数の目安を表示する
残り5秒ほどになるとカウントダウンしなくなり、「まもなく青」の表示に、音声でも知らせる

 たとえば信号待ちの時間が分からないこれまでだと、停車中にカーナビを操作しようとしたところで、唐突に青に変わって操作の途中のまま焦って急発進、なんてことも少なくなかった。だが、F1Xプレミアム10+ETC 2.0車載器(CY-ET2500VD)でその時間が分かるようになると、今はカーナビを操作できるタイミングなのか、そうでないのかの判断の目安になるはずだ。

「まもなく青」だったら、喉を潤している余裕はないし、赤ちゃんをあやす時間もない

 あるいは、クルマに乗せている赤ちゃんが不機嫌になってしまったとき、信号待ちが長ければおもちゃであやすこともできるだろうし、短ければ無理せず次の信号まで辛抱するか、いったんどこか安全な場所に停車するか、といった柔軟な判断も可能だ。「残りの時間が分かれば、その時にできること、すべきことが変わる。これはいいね」と岩崎氏。

 信号情報活用運転支援システムは、今のところ一部地域での対応にとどまっているのが残念ではあるけれど、信号待ちの間の行動や考え方まで変える可能性がありそうなこの仕組み、岩崎氏も日本全国への対応範囲拡大に大いに期待しているようだ。

広視野2カメラで前方も後方も撮影。SDカードの故障も予測するドライブレコーダー

 もう1つ、F1Xプレミアム10との連動で安全・安心がより高まるオプション装備が、「前後2カメラ ドライブレコーダー」(CA-DR03RD)だ。あおり運転で注目されたこともあり、ドライブレコーダーの普及が急速に拡大している昨今、せっかく装着するなら前方と後方の両方をカバーできる製品を選びたいもの。

前方のカメラ
後方のカメラ
SDカードを挿入しておくドライブレコーダー本体

 前後2カメラ ドライブレコーダー(CA-DR03RD)なら、その名の通り、前方も後方もフルHD(1920×1080ドット)画質で同時録画可能。明るいレンズとHDR機能で、夜間や明暗差の大きいシーンでもくっきりとした映像で残すことができる。ストラーダとの連携を前提に設計されているため、モニターがなくカメラは小型で、取り付け場所の自由度が高いのも利点だ。

後方カメラの視野。視界は十分に広い

 そんな前後2カメラ ドライブレコーダー(CA-DR03RD)のなかでも、連携機能を活かした便利な機能の1つが「ワンタッチ後方ビュー」。カーナビ画面内の右下に表示されるアイコンをタッチすると、後方カメラの映像に瞬時に切り替わって、後方の様子をリアルタイムではっきり確認できる。ラゲッジに荷物が満載でルームミラーでは後方が把握しにくいような状況でも、後方の状況を把握することができ、たとえばペースの速いクルマに道を譲るなどで、不要なトラブルを防ぐことにもつながるだろう。

画面右下のアイコンをワンタップすると後方カメラに瞬時に切り替わる
近づいている後続車両との間隔も分かりやすい

 ドライブレコーダーが記録した映像の確認もF1Xプレミアム10上で行なえる。常時録画、手動録画、急減速時・衝突時などのイベント録画に加えて、駐車時のイベント録画にも対応。特に駐車時の録画はエンジン停止後の一定時間しか対応しない機種も多いが、前後2カメラ ドライブレコーダー(CA-DR03RD)は、振動に反応して録画を開始する仕組みのため、24時間365日対応するのが特徴だ。

録画されたドライブレコーダーの映像一覧。常時録画のほか、衝撃や急減速などのイベントがあると自動でその前後を上書きされにくい映像ファイルに残す
映像再生画面。そのときの前後映像を切り替えて表示できるほか、撮影した場所もナビ画面の地図で確認できる
駐車時もイベント録画に対応。何かしらのイベントがあると、次の始動時に通知してくれる
駐車時は振動に反応して都度起動して録画を開始するので、待機時間に制限はない
録画を開始するときの感度なども細かく設定可能

 また、なにげに重要なポイントとなるのが「SDフォーマット警告機能」と「SDカード寿命告知機能」を備えていること。ドライブレコーダーの映像は高頻度でSDカードに書き込まれ、容量がいっぱいになると古いものから上書きする。この繰り返しの負荷がSDカードに与えるダメージは少なくない。使い続けるうちにエラーが発生する率が増え、最後には使用できなくなってしまう。

 せっかくドライブレコーダーを使っていても、SDカードが寿命でいざというときに記録されておらず役に立たないケースもありうる。でも前後2カメラ ドライブレコーダー(CA-DR03RD)であれば、定期的にフォーマットを促してSDカードをできるだけ長く使えるようにするだけでなく、SDカードを使い続けられる期間の目安も分かるので、新しいSDカードへの交換もタイミングよく行なえる。このあたりはSDカードの開発に携わったパナソニックならではの気遣いを感じさせてくれるところだ。

ナビゲーション、安全・安心サポート機能に加えて映像と音にもこだわり

 本来は目的地までのルートを案内してもらうためのカーナビなのに、道路標識の画面表示や逆走の検知、ETC 2.0車載器とドライブレコーダーとの連動による先進的な安全・安心サポート機能も備え、もはやお腹いっぱいな充実具合を見せているF1Xプレミアム10。しかしながら、たたみ掛けるようにしてここに盛り込まれているのが、その道のプロがチューニングしたハイクオリティなサウンドと大画面を活かしたビジュアルだ。AV Watchの編集長は果たしてF1Xプレミアム10の音と映像にどんな感想をもったのか、次回レポートしたい。