トピック
PHEVの魅力はどこにある? 「アウトランダー」「エクリプスクロス」オーナーが語る【後編】
- 提供:
- 三菱自動車工業株式会社
2022年6月9日 00:00
PHEVの魅力とは?
街中で電動車を見かけることが当たり前な時代になり、「次のクルマは電動車にしよう」と考えている人も多いのではないだろうか。しかし、ひと口に電動車と言ってもHEV(ハイブリッド)やPHEV(プラグインハイブリッド)、BEV(バッテリ電気自動車)、FCV(燃料電池自動車)などが挙げられ、いずれにせよ充電環境や航続距離は見逃せないポイント。それに加えて電動車らしいモーターならではの走行性能も期待するとなると、PHEVというのは魅力的な選択肢になる。
PHEVは簡単に言えば発電機(エンジン)付きの電気自動車。基本的にはモーターとエンジンをバランスよく使用する走行を主体とし、モードを切り替えることでモーター主体の走行にしたり、バッテリをセーブするためエンジンを効果的に使う走行に切り替えたりすることができる。さらにエンジンを発電機としてバッテリに電気をためることも可能という器用な電気自動車なのだ。まだまだ十分とは言えない充電インフラを頼らずともエンジンで発電ができることは、充電に関する不安を打ち消すものである。それに個別に充電器を設置できない賃貸住宅や集合住宅に住んでいる人も、PHEVは所有しやすい電気自動車と言えるだろう。
そしてもう1つ、PHEVには外部給電できる機能がある。アウトドアレジャーで家電製品を使うだけに限らず、駐車スペースを持つ一戸建て住宅ではV2H(Vehicle to Home)機器を設置することでクルマが蓄えた電気を家庭で使用できるようになる。なお、V2H機器を設置した場合の家庭用蓄電池としてみたときも、PHEVが積むバッテリは一般的な家庭用蓄電池より容量が大きく、ガソリンエンジンでの発電を組み合わせるとでより長い時間、クルマから給電することが可能。もしもの災害時にとても頼りになる存在なのである。
なお、PHEVを新車で購入した際には国や自治体から補助金が設定されている。経済産業省が扱う「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」では55万円の補助が受けられる。加えて登録時にかかる自動車重量税と自動車税が減税、環境性能割は非課税で、登録地の自治体によっては個別の補助金事業が設定されていることもあるのでより購入しやすくなるケースもあるのだ。参考までに東京都では国と自治体の補助金の合計がおよそ100万円となる。
PHEVを採用する電動車はいくつかあるが、中でも三菱自動車工業がリリースする「アウトランダーPHEV」はPHEVの先駆けであり、高性能で使い勝手がいい部分が評価されジャンルを代表する車種にもなっている。Car WatchではこのアウトランダーPHEVと「エクリプス クロス PHEV」の特徴を実際に所有しているオーナーにインタビュー。今回はその2回目で、東京都と千葉県の三菱自動車販売店のご協力のもと、4名の三菱自動車PHEVオーナーから話をうかがうことができたので、オーナー目線からのPHEVの魅力をお届けする。
久米さん(60歳、東京都)/アウトランダーPHEV Pグレード
クルマを購入する際のポイントには人それぞれでこだわりがあるが、久米さんは「ポリシー」「仕事」「自分の楽しみ」の3つの要素を重視していた。まずはその点から紹介していこう。
久米さんはいくつかのお仕事をされていて、その1つにエコロジーを意識した衣類の製造と販売がある。そういったことから環境保護への意識は高く、以前からハイブリッド車やクリーンディーゼル車に乗ってきたというがBEVだけは所有したことがなかったという。理由は航続距離である。仕事でクルマを使う場合、何件かを回ることが多く、行き先変更や目的地の追加があったりするため充電インフラがまだ十分とは言えないBEVでの行動がしにくいところがあったという。
とはいえ環境保護を考えるとモーターの力で走るクルマは理想的。そこで頭に浮かんだのがPHEVだった。
そしてもう1つ、久米さんは家族と出掛けることが多いそうで、これまでも家族のクルマとしてミニバンを所有していた。しかし、子供が成長するにつれて一緒に外出する機会が減った。そこで「つぎは自分の好みを優先したクルマに乗りたい」と考えたという。とはいえ久米さんは夫婦、子供、そして両親と3世代の中心にいる立場であるため自分の趣味を優先しつつも、ファミリーそろってちょっとした外出に対応できるクルマであることも忘れてはいけないことだった。
電動車であり、大人の男性が自分らしさを出せること、そして大黒柱として家族のことも考えるという要件を満たすクルマを探したところたどり着いたのが、2021年12月にデビューした新型アウトランダーPHEVだった。
アウトランダーPHEVは基本的にモーターの動力で走行するが、ドライバーの意図に合わせてバッテリ残量をコントロールできるよう4つのEVモード切り替えが可能になっている。久米さんが常用するのはエンジンをできるだけ動かさずにバッテリからの電力を優先する「EVプライオリティモード」だが、このモードであっても仕事で回るルート(長いときで80~100km)は途中の充電や発電は不要で走りきれるのでエンジンはほぼ使用しない。
趣味のゴルフに行くときもモーターの動力を中心に走行するが、最近はゴルフ場に電動車用の充電器が備えられているところも増えたので、プレーしている時間を使い帰りの分を充電しておく。また、提携する充電スポットが利用できる充電カードを使用し、現地の三菱自動車販売店や道の駅に設置されている充電スポットに立ち寄って充電することもある。充電スポットは以前と比べてずいぶん増えているので利便性は向上しているのだ。
さらにアウトランダーPHEVは急速充電にも対応しているので、高速道路を使うロングドライブではSA(サービスエリア)に設置されている急速充電器を利用することもある。約30分間の充電で85%ほどの充電量になるが、この30分は例えば仮眠で使うとちょうどいいし、SAで食事や買い物などをして戻るとぴったりの時間。つまり通常の小休止の間で充電が終わるので、充電時間による移動時間の遅延はさほどないと言うことだ。
ちなみにアウトランダーPHEVはバッテリ残量を維持するため適時エンジンによる発電を行なうモードもあるので、出先で充電器の利用をしなくてもモーターでの長距離ドライブが可能だが、久米さんはできる限りバッテリからの電力で走らせたいという気持ちがあるので充電器を有効に利用していると言うことだ。とはいえ「いざというときはエンジンで」という心強さがあることが久米さんが実行しているEV主体の走行を後押ししているのも確か。これがPHEVの強みである。
続いては走行フィーリングについて伺ってみた。久米さんはスポーツなどアクティブな趣味を持つ方であり、クルマの運転も好きという。そんな方の感覚から言うとアウトランダーPHEVは走ることが楽しいクルマだという。例えば山間部を抜ける道では「ランサーエボリューションとまでは言いませんが、カーブが連続する道もハンドルを切ったなりに素直に曲がってくれます。飛ばすと言うわけではないですが軽快に走れて楽しいクルマです」と表現した。
この走りを実現しているのは「S-AWC(スーパーオールホイールコントロール)」と呼ぶ三菱自動車独自の車両運転統合制御システム。路面やコーナリングの状況ごとに前後のモーターが自動で適切なトルク配分を行なうので、スポーツモデルのようにスムーズに気持ちよく走ることができるのだ。久米さんが体験したのはまさにこの性能。アウトランダーPHEVはエコなクルマでありながら、ドライブ好きなオーナーの欲求を満たす「走りのよさ」も併せ持つクルマなのだ。
続いては室内の居住性の評価を聞いてみたところ、真っ先に挙げたのが静粛性の高さ。モーター主体の走行中は車内がとても静かなので助手席の人はもちろんのこと、後席に座った人と会話をする際でも声を大きくすることはないという。また、久米さんのアウトランダーPHEVにはBOSEプレミアムサウンドシステムが装備(Pグレードは標準装備)されていて、音楽を聴く空間としても優れているという。
なお、モードの選択によってはモーターで走っている最中にエンジンがかかることもあるが、タコメーターを見ていないといつ動き始めたのか分からないくらいなので、室内環境については「以前乗っていたクルマとは別世界ですね」と表現した。
もう1つ、アウトランダーPHEVには最新の運転支援機能である「MI-PILOT」が付いているが、久米さんはこの機能もお気に入りで、ドライブのときは積極的に活用しているという。高速道路では法定速度に設定するだけで、あとは「クルマに連れて行ってもらう」感覚。さらにMI-PILOTに任せる走りは身体的な疲れが軽減できるだけでなく、運転中の気持ちに余裕が出るのでロングドライブでの気疲れも減ったという。このことについては「リラックスした気持ちでいられるので車内で好きな音楽を聞くことや家族との会話もより楽しいものになります。この環境の変化は精神衛生上、とてもいいことだと思います」と語ってくれた。
このようにアウトランダーPHEVの走らせ方、充電について、そして先進機能の使用感などとても詳しく教えていただいただけに、アウトランダーPHEVが気になる人には多いに参考になったと思う。
有馬さん(50歳、東京都)/アウトランダーPHEV Pグレード
本を読むのが好きというお子さんと一緒に取材対応していただいたのは、アウトランダーPHEVにお乗りの有馬さん。
アウトランダーPHEVはボディカラーの設定が10種類もあるので個性を主張しやすいクルマだが、人気を集めているのはやはりホワイト系となっている。そんな傾向の中、有馬さんが選んだのはチタニウムグレーという濃いめのシルバー系色。筆者がこのカラーの実車を見たのは初めてだったが、アウトランダーPHEVの「力強さとスマートさ」とマッチ。とてもすてきな色と思わせるものだったのだ。
有馬さんと目黒営業所の付き合いは古く、乗り換えるまでの愛車だった初代アウトランダーPHEVも同営業所で購入している。そして担当営業さんのことも深く信頼している。インタビュー前のあいさつのときには、クルマの話より営業さんとの関係の話が先に出たほど。ユーザーとクルマの接点は販社であるから、こうした関係なのは理想的と言えよう。
新型アウトランダーPHEVが発表されたときに、営業さんから連絡は来たが「乗り換えませんか」とは言われなかったという。これはいつものことで、情報を伝えてくれたり質問に回答してくれたりするが積極的にセールスすることはないという。そんな距離感を取ってくれたので落ち着いて新しいクルマのことを調べられたそうだ。
有馬さんは以前から子供の将来に大きく影響する環境問題に深い関心を持っていて、先代アウトランダーPHEVを選んだのも「環境保護に関して自分にできることの1つ」という理由だった。そんな意識で乗っていた先代モデルにはとくに不満もなく、約7年乗っていたそうだが、営業さんから教えてもらった新型はバッテリ容量が増えるなど電気で走れる距離がさらに伸びていることが判明。「排気ガスを極力出さないで走れる」ことを重視する有馬さんにとって、こうした点は興味深いものだった。そこでさらに調べた結果、新型は乗り換えに値するクルマという結論になり購入を決意したという。
なお、世の中にはほかにも環境負荷が小さい電動車はあるのだが、有馬さんが重視したのはEV状態での走行距離。BEVは環境保護の面で魅力はあるが、充電インフラがまだ十分とは言えない状態では使い勝手に不安があったし、不自由さも感じるもの。対してPHEVは普段の走行はほぼモーターで走りつつ、バッテリの充電量が減ってしまったときにはエンジンでも走れることは安心につながる。電動車には多くの魅力があるが、家族と一緒に乗るクルマとなると「安心して行って帰れる」ことは無視できないことである。
有馬さんが着目した駆動用バッテリの容量について、先代の13.8kWh/300Vから20kWh/350Vへと変更されており、この違いによってEV走行距離は大幅に伸びたという。納車されて間もないのと、コロナ禍の影響があることからドライブもままならないようだが、それでも往復で50~60kmあるショッピングモールへの買い物には普段から出掛けている。先代に乗っているときから利用している施設だそうだが、先代はフル充電でスタートしても片道で電池がなくなっていたというが、同じルートを同じように走っても新型は余裕で往復できるようになったという。
また、アウトランダーPHEVは外部給電する機能も備えている。出力は1500Wと大きいのでレジャーでの使用はもちろん、災害時には生活を支える非常用電源として役立てることも可能だ。
そんな便利な機能ではあるが、現在はまだコロナ禍の影響もあるので外部給電が役立つようなレジャーには行けていないそうだ。ただ、コロナ禍が始まる前、先代に乗っているときはあちこちのキャンプ場へご家族や仲のいい友人家族との合同キャンプに出掛けていたという。そのときはキャンプ用の電気製品を動かすだけでなく、遊びの合間に手掛ける仕事で使用するスマートフォンやパソコンの充電をしていたそうだ。これらはそう長い時間使うわけではないようだが、いつでも給電や充電ができる状況であることが頼もしかったそうだ。
新しいアウトランダーPHEVはさらにバッテリ容量が増えているので、世の中の状況が落ち着いてまたキャンプに行けるようになれば、アウトランダーPHEVがこれまで以上に頼りになるギア(道具)となることだろう。
続いて充電環境についてうかがった。先代アウトランダーPHEVに乗っていたこともあり、有馬さんはご自宅に充電設備と太陽光発電設備を設置していた。先代のときはクルマに乗ったらその都度、充電をしていたという。いまはバッテリ残量が4分の1くらいになるまで乗るとだいたい3日ごとの充電ペースで間に合うそうで、近場の移動だけなら乗り方によっては1週間ほど充電なしでいけてしまうとのことだった。そしてほぼすべての走行をバッテリに蓄えた電気でこなしているので、ガソリンスタンドに行く回数は大幅に減ったという。これはすべて搭載している駆動用バッテリが大きくなったことによる効果だが、有馬さんもこの点を「とても便利になった」と表現していた。
バッテリ容量のアップでより便利に使えるようになった新型アウトランダーPHEVだが、同時に前後モーターも強化され、出力はフロントが85kW/255Nm(先代アウトランダーPHEVは60kW/137Nm)、リアが100kW/195Nm(同70kW/137Nm)となっている。
また、路面状況や走行シーンに合わせて前後駆動輪のトルク配分やアクセルレスポンス、旋回性能に関わるAYCなどを切り替えることができるドライブモードが7つも設定されるので、エコな走行のみならずスポーツカー顔負けの軽快で鋭い走りをすることも可能だ。有馬さんは納車間もないこともあって「ノーマル」と「エコ」の2パターンしか使っていないというが、それでも先代と比較して発進時や右折時の加速力は頼もしいし、スムーズさも向上しているとのこと。
有馬さんのアウトランダーPHEVは最上級のPグレードなので、室内の装備にはまったく不満がなく静粛性も高いので先代より快適に過ごせるクルマになっているそうだが、それよりも先代のときは後席に座ることが多かった娘さんが助手席に乗ってくれるようになったことが乗り換えて一番うれしいことと言う。
そこで助手席を選ぶようになった理由をお子さんにうかがうと、助手席から見る景色が好きなったことと、シートに組み込まれているマッサージ機能(カタログではリフレッシュ機能と表記)がお気に入りのようだった。
アウトランダーPHEVには「MI-PILOT」が備わる。これはレーダークルーズコントロールシステム(ACC)と車線維持支援機能(LAK)を統合したもので、機能をONにすると前車が設定速度内にいるときは前車との間隔を一定に保ちつつ、車線の中央付近を自動でキープする。さらに速度標識をカメラが読み取ることで速度を自動で設定したり、純正ナビゲーションの地図情報を活用してACC使用時にはカーブや道路の分岐などで適切な減速をしてくれたりする機能もある。
有馬さんも高速道路などを利用した際にMI-PILOTを使用。先代にも運転支援機能はあったが、カーナビゲーションシステムとの連携による支援によって運転が格段に楽になっているという。また、ACCは渋滞にも対応しているのでその点も便利であり、渋滞時の走りもギクシャクしないでスムーズとのことだった。
家族で出掛けるときに主にステアリングを握るのは有馬さんだが、平日は奥さまが買い物の足として乗ることもあるそうで、奥さまからも運転しやすいという評価とのこと。クルマを買う前はボディサイズが大きいことを気にされていたそうだが、乗ってみると見た目ほど大きさは感じないのと、バックモニターに加えて真上から見下ろしているような映像の表示(マルチアラウンドモニター)もあるので駐車もやりやすいとの評価。都内は住宅街に入ると細い道も多いので、見た目だけでなく「乗って大きく感じるクルマ」は扱いにくい面もあるが、アウトランダーPHEVはその点も気にならないクルマのようだ。
以前乗っていた先代との比較を含め、アウトランダーPHEVに興味を持つ人が知りたい内容をいろいろ教えてくれた有馬さん。長年乗った先代もいいクルマだったそうだが、新型はいっそうご自身の要望にあうクルマになっているようなので、走らせる楽しみは先代以上。買い物やレジャーとたくさん走って、ご家族との楽しい思い出をアウトランダーPHEVで作っていかれるのだろう。
菅谷さん(29歳、千葉県)/エクリプス クロス PHEV Pグレード
三菱自動車のPHEVとしては、アウトランダーPHEVとエクリプス クロス PHEVをラインアップしている。ジャンルはともにSUVだが、ボディサイズはアウトランダーPHEVが4710×1860×1745mm(全高×全幅×全高)に対して、エクリプス クロス PHEVは4545×1805×1685mm(同)と少し小さい。そのため、エクリプス クロス PHEVは取りまわしのよさを求めるユーザーに選ばれる傾向がある。
また、エクリプス クロス PHEVはサイズ感を含めてスポーティなルックスに引かれて選ぶユーザーも多く、ここから紹介するお2人もそうした視点からエクリプス クロス PHEVを選んでいた。
キャンプが趣味という菅谷さんは、アウトドアフィールドでの使い勝手がよいSUVを所有していた。約3年間乗ったことで次のクルマへ乗り換えを検討したが、乗っていたSUVはコンパクトモデル。そこで乗り換えるにしてもあまり大きいクルマでないことが希望だった。
とはいえ、探し始めた当初はこれと決めたクルマはなかったのでSUVを中心に自動車メーカーの公式サイトを見て回った。そして目にとまったのがエクリプス クロス PHEVだった。ただ、この時点ではPHEVであることは意識してなく、スタイルが気に入ったことによる興味だったという。
そこで自宅から近い佐原三菱自動車販売 佐原51号店へ行き実車を見た。エクリプス クロスにはガソリンモデルもあるが、改めてエクリプス クロスのことを調べてみると、PHEVであれば前後のツインモーターや外部給電機能など興味深い装備を持つことを知り、「いまならPHEVかな」と考えるようになったのだった。
ボディカラーは7色から選択可能だが、菅谷さんはブルー系のボディ色が好みとのことからライトニングブルーマイカをチョイス。シートは本革が希望だったが、即納車に在庫がなかったのでファブリックシートを選択することにした。質感を高めるため純正アクセサリーのシートカバーを装着した。
エクステリアでは「スタイリングパッケージ」と「スポイラーパッケージ」をオプション装着したが、スタイリッシュなエクリプス クロス PHEVにこのチョイスは大満足。自宅ではクルマに乗る予定がなくても駐車場へ行き、エクリプス クロス PHEVを眺めて過ごすこともあるそうだ。
すでにエクリプス クロス PHEVで数回のキャンプへ出掛けているという菅谷さん。納車が11月だったことから寒さが厳しい時期でのキャンプとなったがそこはPHEV、電気ケトルを使ってお湯を沸かしたり、就寝時は電気毛布の電源をテント内まで引きこんだりと電気が使えるメリットを活かして寒い中でのキャンプを楽しんでいたそうだ。また、夜の照明は充電式LEDランタンを使用しているそうだが、充電不足のまま持ってきてしまったときでもエクリプス クロス PHEVであれば現地で充電できるのも便利だという。
さらにもう1つ、菅谷さんが「キャンプ向き」と感じているのがモーターで走るクルマならではの「静音走行」。キャンプ場は夜の静かさを楽しむ場所でもあるので、サイトから離れた駐車場でも夜間のエンジン始動は避ける傾向だが、モーターで走るエクリプス クロス PHEVであれば起動時、走行時とも音はほぼ出ない。そのため夜にクルマで買い出しに行くことも可能なのだ(サイト内でのクルマ移動が禁止されているキャンプ場は除く)。PHEVでキャンプに行く話題では外部給電機能が取り上げられることが多いが、「移動時の走行音が静か」ということもキャンプ向きな点と言えるようだ。
なお、キャンプは2人くらいで出掛けることが多いとのこと。持っていくのは3~4人用のテント、2人分シュラフとマット、ランプ類、食器やたき火用の道具、着替えなどと多めだが、ラゲッジスペースに不足はないとのこと。ただ、長さのあるものを一緒に持っていくときはリアシートの背もたれを前倒しする必要があるそうだが、それでも6:4分割シートなので片側のみ倒せばこと足りるので、荷物が増えても大人もう1人を後席に乗せることが可能だ。
また、リアシートには9段階のリクライニング機構があり、加えて足下スペースも広めなので、キャンプ場ではリアシートを休憩スペースとして使用しているそうだ。
このように、レジャーに大活躍のエクリプス クロス PHEVは平日は片道45分ほど掛かる通勤でも乗っているとのことで、ほぼ毎日稼動している状況。その使い方で充電はどうしているかというと、ご自宅にはエクリプス クロス PHEVの購入に合わせて普通充電設備を新設し、2日ごとのペースで充電をしているという。なお、ガソリン給油の機会はめっきり減って、毎日乗ってもガソリンスタンドには2週間に一度行く程度になった。
燃料費については電気とガソリンを合わせたもので以前より多少よくなったそうだ。菅谷さんは「日々での多少の違いも長く乗っていれば大きな違いになるので、ここは大事なところですよね」という。
続いては走りの感想を紹介していこう。乗ってすぐに感じたことは走行中の車内が静なかことだった。快適なだけでなく、ドライブ中の同乗者との会話がとてもしやすいそうだ。
それに以前乗っていたSUVでは乗り降りの際、パンツの裾が張り出しているドアのステップ部に触れてしまうこともあったそうだが、エクリプス クロス PHEVはサイドガーニッシュをドアと一体にしてステップ部が張り出さない作りとしているので、乗り降りの際に余計な気を使わないで済むというコメントもあった。こうした細かい使い勝手はオーナーだからこそ気がつくポイントなので、とても参考になる部分だ。
また、ツインモーターのS-AWCによる走りのフィーリングも高評価。静止状態からのスタート加速もよく、前後タイヤがそれぞれ独立して駆動することから生まれるコーナリング性能の高さも「特に峠道などで切り返したときのスムーズさが印象的でした」と語ってくれた。
また、S-AWCは路面状況や走行シーンにあわせて前後のモーターの動作や電子制御デフ、ABSなどの動作を自動で調整するドライブモード切替機能もあるが、菅谷さんはこれらの機能も使いこなし、モード切り替えによる走りの変化を楽しんでいる。
ちなみに普段はオールマイティでバランスの取れた4WD制御をする「ノーマル」モードを選択しているそうだが、街中では十分にパワフルで加速感も気持ちいいという。そして郊外へドライブに行った際は、スポーティな制御になる「ターマック」モードに切り替えて走りのよさを楽しんでいるそうだ。
エクリプス クロス PHEVはスタイルのよさに引かれて購入したが、購入後は趣味のキャンプでの使い勝手がいいことや、走りのよさも満喫している菅谷さん。特に走りに関しては購入前と購入後で印象が大きく変わったという。納車前は電動車自体のイメージがつかみにくかったそうだが、納車後は乗れば乗るほどその魅力が分かってきて、いまは「大満足です。機能のことをもっと知りたい気持ちが強くわいています」とのこと。
PHEVに関する話になると、環境保護や経済性のよさといった面が中心になることが多い中、別の目線でのPHEVの魅力とメリットを語ってくれたことはとても興味深いもの。三菱自動車のPHEVに興味を持っている人にとっても参考になる話であったに違いない。
高橋さん(43歳、千葉県)/エクリプス クロス PHEV Pグレード
高橋さんのエクリプス クロス PHEVはもともと奥さま用に購入したクルマだった。ご自身は以前、スポーツタイプの4WDターボ車に乗っていて、奥さまもボディが大きいクルマが好きだったそうだ。また、クルマは通勤で毎日使うので生活必需品でもあった。
そんなクルマ好きのお2人だが、結婚後は子育ての期間に入る。夫婦で力を合わせて頑張る時期だったので、クルマはコンパクトカーと軽自動車と経済性を優先していた。それにメインのクルマだったコンパクトカーはラゲッジルームに自転車を積むことができたので、自転車で出掛けていた家族のお迎えなどでも活躍していた。そんなことから無理に買い替える必要もなかったという。そんな時期を過ごし、お子さんも大きくなったことで少し余裕が出た。そこで久しぶりにクルマを買い替えようということになったというわけだ。
購入に際しては他社を含めて気になっていた何台かのSUVを試乗したが、その中でもっとも「運転が楽しい」と感じたのがエクリプス クロス PHEVだった。前記したように、高橋さんはスポーツタイプの4WDターボ車に乗っていたので走りのいいクルマが好き。ゆえに背が高くて車重もそこそこあるエクリプス クロス PHEVの走りに初めは期待していなかったそうだが、その考えはいい意味で裏切られた。
乗ってすぐに驚いたのは電動車ならではの低速からの加速感と、トルク変動がないアクセルレスポンスのよさ、ボディサイズを感じさせない走りのよさが印象的だったそうだ。さらに試乗時はコーナリングの感覚も試したそうで、S-AWCはノーマルモードでも旋回がいいと感じた。そしてターマックモードに切り替えてみると「すごいよかった」という。短い時間の試乗ではあったが、エクリプス クロス PHEVへの満足度は高かったそうだ。
試乗後にがぜん気になってきたエクリプス クロス PHEVだが、そもそもPHEVが欲しくて候補に挙げたわけではなかったのでPHEVについての知識はほとんど持ってなかったという。でも、欲しくなったので調べてみるとPHEVであることに大きな意味があることに気がついた。
高橋さんが住む千葉県は数年前の台風災害で長期間の停電が発生していた。このとき、1週間ほど電気が使えない生活を強いられたそうで、もしまた同じようなことがあってもクルマの電気が生活に使えるPHEVに大きな価値を感じたという。
ここでBEVも検討対象になったそうだが、高橋家が体験した長期の停電が起こってしまうと外部充電が必須なBEVは不利。それに対してPHEVはガソリンが入っていればエンジンで発電ができ、ガソリンが減ったときは停電が起きていない地区まで走れば給油も容易と停電時はとても役に立つものである。BEVの性能が上がっていることも調べて知っていたが、高橋さんの考えとしては「電気もガソリンも両方使えたほうがいい」ということからのPHEVという選択なのだ。
なお、PHEVからの給電機能はまだ試したことはないそうだが、エクリプス クロス PHEVを手に入れたことをきっかけにキャンプなどのアウトドア趣味もやっていきたいということだった。
エクリプス クロス PHEVの購入に合わせて自宅には普通充電設備を設置した。クルマは毎日の通勤で乗っていて距離は片道10kmくらいとのこと。このペースでは週に1回か2回、充電器をつなぐくらいで間に合うし、ガソリンスタンドへ行く機会もひと月に一度くらいになったそうだ。
エクリプス クロス PHEVはアウトランダーPHEVと比べるとバッテリ容量が小さいので、充電サイクルが頻繁になるのではないかと思っている人もいるかもしれないが、高橋さんの話を聞く分には手間が掛かることはないようだ。
なお、電気代は太陽光発電なし、深夜電力などの契約をしていないという一般的な家庭の契約状況でひと月に1000円ほど上がった程度とのこと。それくらいの負担増なので、ガソリン代をあわせた燃料代も以前乗っていた1.3リッターコンパクトカーで使っていたガソリン代と比較しても安くなったそうだ。燃料費の節約をしたい人には参考になる話である。
次に話してくれたのがS-AWCのスノーモードのことだった。この冬、千葉県は降雪する日がいつもより多かったので、必然的に雪道でクルマを走らせる機会も多かったそうだ。現行エクリプス クロス PHEVはオールシーズンタイヤを標準装着しているので凍結する前の路面なら対応できるが、高橋さんの自宅は通りから少し坂を上がったところにあるので、これまで乗ってきたクルマでは雪が降るとスタッドレスタイヤが必要だったという。
そこでエクリプス クロス PHEVでもスタッドレスタイヤを用意しないとと思っていた矢先、雪が降って自宅への取り付け道路は白くなったが、ドライブモードをスノーにして坂を上ってみると難なくクリアしまったという。そして積雪路を走っても安定していて不安はなかった。そのため冬はスタッドレスタイヤを買うことなく過ごせたということだ。
高橋さんのエクリプス クロス PHEVは2021年12月に納車されたのだが、仕事が忙しいのと2人いるお子さんたちとの都合も合わないことからまだ家族全員でのロングドライブができていないとのこと。ただ、高速道路を使って県内のレジャー施設へは行ったことがある。そのときに同乗したお子さんにエクリプス クロス PHEVの乗り心地を聞いたところ「前のクルマよりよく眠れる」という返事。以前からお子さんたちはクルマに乗るとすぐに寝てしまっていたそうだが、以前より「よく眠れる」というコメントはポジティブなものと捉えていいはずだ。実際のところ室内が静かで乗り心地もよく、さらに9段階のリクライニング機構があるリアシートは快適である。
菅谷さん、高橋さんともにエクリプス クロス PHEVを選んだ方だったが、お2人とも購入を決めたきっかけは「走りのよさ」、これはとても興味深い。お2人が評価したのは「ツインモーター4WD」と「S-AWC」という駆動系システムだ。
走りのいいクルマに乗りたいと思っている方は多いと思うが、三菱自動車のPHEVはその点でも満足できるものになっているだけでなく「新しい時代の速さ」が体験できるクルマなので、環境性能と利便性の高さ、そして走りのよさを求めるのであればアウトランダーPHEV、エクリプス クロス PHEVに試乗してみることをお勧めする。
Photo:佐藤正巳、Photo:中島仁菜