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日産、GT-R NISMOを“ニュル最速仕様”に進化させる「NISMO N Attack Package」などを公開
「ノート NISMO」「フェアレディZ NISMO」「ジューク NISMO RS」「マーチ NISMO 30th」をお披露目
(2014/7/24 15:40)
日産自動車は7月23日、神奈川県横浜市にある日産自動車 グローバル本社ギャラリーで「NISMO Premiere Event 2014」を開催。同日発表した新型「フェアレディZ NISMO」、2013年11月に発売が予告され、同日から正式販売が始まった「GT-R NISMO」専用オプションパッケージの「NISMO N Attack Package」装着車、NISMOの創立30周年を記念する43台だけのインターネット限定車「マーチ NISMO S 30th」「マーチ NISMO 30th」、7月14日に今秋の発売を予告した「ジューク NISMO RS」などをお披露目したほか、この会場でNISMOシリーズの第5弾となるニューモデル「ノート NISMO」を公開した。
「フェアレディZ NISMO」「ジューク NISMO RS」「マーチ NISMO 30th」「ノート NISMO」の4モデルの詳細については、それぞれの関連記事を参照されたい。
●日産、「フェアレディZ NISMO」をマイチェン、ハンドリング性能を向上
(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140723_659170.html)
●日産、「ジューク」をマイナーチェンジして「パーソナライゼーション」を新設定
(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140714_657810.html)
●日産、「マーチ NISMO」インターネット限定モデルの商談受付中、先着43名
(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140724_659308.html)
●日産、NISMOシリーズ第5弾「ノート NISMO」を今秋発売と予告
(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140723_659213.html)
モータースポーツの背景を使いつつ、さらに広いユーザー獲得を目指す「Wider NISMO」戦略
イベントでは、まずNISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)の宮谷正一取締役社長が登壇。創立30周年となった同社が歩んできたモータースポーツ界での歴史や近年の活躍を紹介。さらに今年5月に、2015年からWEC(FIA世界耐久選手権)のトップカテゴリーであるLMP1クラスに「NISSAN GT-R LM NISMO」で参戦することを発表したことを挙げ、「まだ計画の細部を発表する段階ではないものの、日産とNISMOの革新と勝利に飽くなき挑戦をするスピリットにご期待ください」と語った。
また、「こうしたモータースポーツへの挑戦、切磋琢磨を通じて培ってきた技術を市販車に応用し、日産が目指すブランド方向性“今までなかったワクワク”に貢献させ、さらに日産ブランドの神髄を担うパフォーマンスブランドとしてNISMOを位置づける戦略により、ここ数年、日産とNISMOが協同で“NISMOロードカー”の企画を進めてきました」と解説。会場内に置かれた歴代NISMOロードカーを紹介し、第5弾となるニューモデルのノート NISMOを公開した。
このほか、5モデルまでラインアップを拡大したNISMOロードカーやNISMOパーツの取り扱いを見直すべく、全国25個所の日産販売店に販売拠点「NISMOパフォーマンスセンター」を開設することも発表している。
NISMOブランドを訴求する具体的な戦略については、日産自動車 ニスモビジネスオフィス NISMO チーフ・プロダクト・スペシャリストの田村宏志氏が解説。田村氏は「従来のNISMOのお客さまは、とにかく運転して走りやパワーを楽しむ“パフォーマンスシーカー”というような人です。これを今後は、人生を豊かに生きていきたいと考える“ハイライフシーカー”といった層に、NISMOのクルマをオファーしていくところを目指しています。例えばノートでは2種類あり、NISMO Sでは初搭載のマニュアルトランスミッションで楽しく走り、かっこよさ、かわいさなどを評価していただけるお客さまにはNISMOがお薦めだと思います」と語り、モータースポーツテイストを中心としていたこれまでのポジショニングから、デザイン性やIT機能などを組み合わせて新しいユーザー層の獲得を目指す「Wider NISMO」というキーワードを紹介している。
日産自動車 ニスモビジネスオフィス NISMO チーフ・ビークル・エンジニアの金子晃氏からは、NISMOのクルマ造りにおける“4つのエッセンス”が紹介された。NISMOではマーチからGT-Rまで幅広い車種に製品展開しているが、すべてで統一された魅力をユーザーに提供することを目指し、空気抵抗を悪化させることなくダウンフォースを手に入れる「エアロパーツ」、レースフィールドで培った「トータルバランスの高い気持ちよい走り」、運転する人がわくわくできる「インテリア」、S、RSなどに限定されるものの、エンジン出力の向上と制動力を引き上げる「エンジン&ブレーキ」という4点を、NISMOモデルの共通する特徴として注力しているという。
また、リーフやエルグランドに設定しているNISMO パフォーマンスパッケージは、4つのエッセンスから「エアロパーツ」「気持ちよい走り」を抜き出し、ベース車を購入した人があとから装着できるアフターセールスの提案として用意していると説明した。これに加え、今年度からマーチではJAFが主催するレースに出場する公認が取得できるようになり、サーキット走行を楽しむユーザーから要望が多かったLSD、強化ブレーキ、タワーバーといったパーツの開発をスタートさせたことも明かしている。
イベント後半はトークショー形式となり、NISMO モータースポーツ開発統括責任者 松村基宏氏のほか、今シーズンのSUPER GTに、「MOTUL AUTECH GT-R」でNISMOチームから参戦している松田次生選手、ロニー・クインタレッリ選手もスペシャルゲストとして参加。シーズンの中盤までさしかかったSUPER GTのレース展開、DTMと車両規則を統合した今シーズンのレースマシンについての解説と感想などのほか、NISMOの市販車両とレース活動の関係性や、レーシングドライバー2人から見たNISMOロードカーの魅力についても語られた。このなかでNISMOロードカーについて松田選手は「マーチ NISMOではよくサーキットを走ったりするのですが、免許を取ったばかりの新鮮な気持ちがすごく思い出されます。夢中になっちゃいますね」とコメント。クインタレッリ選手は「これだけNISMOのクルマがあると、それぞれを見てどれを選ぼうか悩むぐらいだけど、新しいノート NISMOがよいかな」と口にすると、松田選手が「さっき登場前に“ノート NISMOは奥さんにいいな”って2人で話していたんです」と明かし、これに対してクインタレッリ選手が「(奥さんに買って)そのあとは僕が乗りたい」と語っている。