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ダイハツ 新型「タント」に採用される“DNGA”の進化点をまとめた
新機能の「スマートパノラマパーキングアシスト」を動画で紹介
2019年6月6日 13:30
ダイハツ工業が開発を行なってきた新アーキテクチャー「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」の搭載が、ついに新型軽自動車「タント」から始まる。
DNGAは、軽自動車だけでなくA・Bセグメントのモデル、さらにはしかるべきタイミングでのEV(電気自動車)やハイブリッドモデルの導入や、2世代分の将来法規なども見込んで設計。プラットフォームやエンジン、トランスミッション、サスペンションなどをダイハツとして初めて全面同時刷新し、トータルで80kgの軽量化や30%の剛性アップ、走行性能と実用燃費の向上に加え、操縦安定性や乗り心地も高めることに成功したという。
「見た目は一緒でも中身は一新」しているというエンジンは、燃焼効率を高めるために、日本で初めて2回点火を行なうマルチスパークを採用。ダイハツならではの新しい技術として、ガソリンを霧状化する「スワール噴霧」や高タンブルデュアルポート化で燃焼効率を飛躍的に高め、60km/h定常走行時で約12%、100km/h定常走行時で約19%の燃費向上に寄与した。さらに、全域でトルクを分厚くすることで、ターボ車における40km/h~80km/hの中間加速タイムを約1秒、従来比で13%短縮。ターボでも軽トップレベルとなる中間加速帯の向上を図り、排出ガスについても世界トップのクリーンさという「よくできた優等生のようなエンジン」ができたという。
トランスミッションは、これまでと同じダイハツ製のCVTとなるが、世界初の「パワースプリット技術」を採用した「D-CVT(デュアルモードCVT)」に進化。発進時はベルト駆動を行ない、40km/hを超えて高速域に入ると伝達効率の高いギヤ駆動が加わることで、より高速側はギヤ比を高く、ロー側はベルトを使って低く、変速比幅を広げることができるという。この結果、燃費の向上とともに、低いエンジン回転数で走行できることによる静粛性、さらには加速感の向上などが可能となった。
なお、DNGA開発による第1弾モデルとなる新型タントは、河村康彦氏と橋本洋平氏によるインプレッションも掲載しているので、そちらも確認いただきたい。
さらなる進化を遂げたスマートアシスト
今回の新型タントでは、安全・安心の観点から予防安全機能「スマートアシスト」も進化。
走行車線をはみ出しそうになった際にアシストする「車線逸脱防止制御」、0km/hまでアクセルとブレーキをサポートする「全車速追従機能付 ACC」、車線の中央を走れるようにステアリング操作をアシストする「LKC(車線維持支援機能)」、逆走を未然に防ぐ「標識認識(進入禁止)」、エンジン出力の抑制だけでなく危険を検知するとブレーキ制御も行なう「ブレーキ制御付誤発進抑制(前方・後方)」、ヘッドライトに加え、カーブを曲がる際などに左右方向を補助灯で照らす「サイドビューランプ」といった新機能を搭載。
さらに、ハイビームを部分的に消す「ADBC(アダプティブドライビングビーム)」、カメラで駐車枠を検知して音声ガイドとステアリング操作のアシストで駐車をサポートする「スマートパノラマパーキングアシスト」といった、軽自動車初となる機能も採用した。
これらはすべて新しく構築した“DNGA独自の制御ロジック”で、すでに車両に採用されているセンサーやカメラを活用した機能となるため、良品を廉価で提供可能にしているという。
この新機能のスマートパノラマパーキングアシストを橋本氏が体験&解説。全車速追従機能付 ACCの走行動画とともにお届けする。