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「ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」に向け、国内4チームを招いたオーストラリア大使館での壮行会レポート

レースは10月13日~20日(現地時間)にオーストラリアで開催

2019年8月27日 開催

「2019 ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」に日本から参加する4校のチームメンバーを招いた壮行会でのフォトセッション

 ブリヂストンは8月27日、東京都港区のオーストラリア大使館で「2019 ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」に日本から参加する工学院大学、東海大学、名古屋工業大学、呉港高等学校の4校のチームメンバーを招いた壮行会を開催した。

 2019 ブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジは、10月13日~20日(現地時間)にオーストラリアで開催される世界最高峰のソーラーカーレース。オーストラリア北部のダーウィンをスタートし、ゴールとなる南部の都市アデレードまでの約3000kmを約5日間のレース期間で走破する。ブリヂストンは2013年からタイトルスポンサーとして協賛しており、出場チームにソーラーカー用タイヤとなる「ECOPIA with ologic」を提供している。

 今大会には、定められたレギュレーションの中で極限の速さを競う「チャレンジャークラス」に29チーム、実用的な車両をデザインし、エネルギー効率よく安定的に走ることが求められる「クルーザークラス」に18チームがエントリー。日本からの4チームはすべてチャレンジャークラスに参戦する。

2019 Bridgestone World Solar Challengeオフィシャルムービー(2分41秒)
駐日オーストラリア大使 リチャード・コート氏

 壮行会では最初に、駐日オーストラリア大使 リチャード・コート氏が登壇。ブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジのアウトラインとこれまでの歩み、クリーンエネルギーに対するオーストラリアの取り組みなどを紹介。また、2013年からタイトルスポンサーを務めているブリヂストンがイベントの主旨に共感し、コミュニティや環境に深く関わっているとに対して感謝の意を伝えた。

 なお、コート氏など登壇者のプレゼンテーションはすべて英語で行なわれており、スクリーンを使って要旨が紹介されている。

コート氏のプレゼンテーション要旨
会場にはオーストラリアと日本の国旗も掲揚された
駐日オーストラリア大使館 商務部 コミッショナー(南オーストラリア州担当)サリー・タウンゼンド氏

 コート氏に続き、駐日オーストラリア大使館 商務部 コミッショナー(南オーストラリア州担当)サリー・タウンゼンド氏も主催者あいさつを実施。

 タウンゼンド氏はブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジの運営を南オーストラリア州政府観光局が担当し、この開催によって南オーストラリア州と北部準州政府にインバウンド観光による数百万ドル規模の経済効果をもたらしていることを紹介。また、強豪として知られるオランダ勢を倒せる参加者が存在するかに興味があり、会場に並ぶ日本の4チームの中からオランダ勢を上まわって優勝するチームが現われることを祈念した。

タウンゼンド氏のプレゼンテーション要旨
会場に足を運んだ4チームのメンバーに「オランダ勢には勝てそうですか?」と問いかけるタウンゼンド氏
株式会社ブリヂストン 代表執行役 CEO 兼 取締役会長 津谷正明氏

 ブリヂストン 代表執行役 CEO 兼 取締役会長の津谷正明氏も英語であいさつを行ない、ブリヂストンでは創業以来、「最高の品質で社会に貢献する」という企業理念で企業活動を進めていると説明。

 このほかの社会貢献としてオリンピックのトップパートナーとなっているほか、モビリティ領域のイノベーションとして「より少ない資源でより長い距離を移動すること」に取り組んでおり、これがワールドソーラーチャレンジのスポンサーを務めている理由の1つであると語った。

津谷氏のプレゼンテーション要旨
ソーラーカー用タイヤ「ECOPIA with ologic」を日本から出場する4チーム提供している

「オランダチームに全力で勝つ気持ちでいきたい」と東海大学チーム 武藤創氏

 このほかに壮行会では、出場4校のメンバー代表者による英語でのスピーチや、取材に足を運んだ報道関係者との質疑応答が行なわれた。

No.10 東海大学チーム
東海大学チーム 代表者の武藤創氏は質疑応答で2019年仕様のマシンの特徴について質問され、「2017年に出場した大会の反省を生かし、相反する発電と空気抵抗について絶妙なバランスになるような形状にしています。また、タイヤやサスペンションの整備性を高め、全体的にタイム短縮できるような工夫を施しました」と説明。「直近3年はオランダのチームが優勝しているので、そのチームに対して全力で勝つ気持ちでいきたい」と意気込みを述べた
No.37 呉港高等学校チーム
呉港高等学校チーム 代表者の藤原弘子氏は質疑応答でチームやマシンの特徴などについて質問され、「このチームは非常に規模が小さく、人員は10人ほどで車両の設計や製作、現地でのサポートなどを行ないます。タイヤを提供していただくブリヂストンさん以外にはメーカーによる協力もなく、自分たちで考え、自分たちで作ったマシンで3000kmのレースに挑みます」と回答した
No.47 名古屋工業大学チーム
名古屋工業大学チーム 代表者の磯合凌弥氏は質疑応答で今年度の目標について問われ、「今年はまた新たな車両で挑むので、まずはしっかりとレース期間内を完走することを目標としております。その上で、私たちは(ソーラーパネルに)シリコンパネルを搭載していますので、同じシリコンパネルを使う中でできるだけの上位入賞を目指しています」と回答。ニューマシンについては「ボディ形状でアッパーボディに3次曲面を採用するため、マシンの設計を1から見直しました。また、前回大会で技術賞にノミネートしていただいた『マジックブースター』をさらに改良して、サーキットなどの高速域での走行時に活用していきたいと思います」と紹介した
No.88 工学院大学チーム
工学院大学チーム 代表者の濱根洋人氏は質疑応答でマシンの特徴について問われ、「われわれのチームは『右に倣え』の姿勢でこれまで作ってきたのですが、今回の車両はこれまでとは違い、ガリウムヒ素と呼ばれる航空宇宙用のパネルを採用して、さらに『ネイチャーモーフィング』『バイオテクニックモーフィング』といった手法で、車両の名前が『イーグル』というのですが、ワシのくちばしのような形状も使っていて、空力上も非常にいい走行性能を持たせています」と解説。また、チームについて「今年はチームが10周年を迎える記念すべき年で、今大会にかける意気込みはいつも以上に強く、いい成績を残し、かつチームとしていい動きをしてよりよい成績を達成したいと考えています」とコメントしている
参加チームに提供されるソーラーカー用タイヤのECOPIA with ologicも展示された
ECOPIA with ologic
2017年のブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジに出場した東海大学の「Tokai Challenger」
2015年のブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジに出場した工学院大学の「OWL」
2019 ブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジには23か国から計48チームが参加する