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自動車の完成検査にAI活用で完成検査員の検査を不要に 国交省が自動車型式指定規則等を改正
2021年11月30日 18:28
- 2021年11月30日 発表
国土交通省は11月30日、自動車メーカー等が行なう完成検査について、AI(人工知能)などを活用した自動化を可能とするための法令整備を行なうと発表した。
同省では、AIなどを活用した完成検査の自動化を可能とするため、自動車型式指定規則等を改正、同日に公布・施行した。
主な改正のポイントとして、自動車型式指定規則(昭和26年運輸省令第85号)において、自動車メーカー等がAI等を活用した方法で自動的に検査を行なう器具を用いて実施すると届け出た完成検査項目については、完成検査員による検査を行なわなくてよいこととする。
また、完成検査実施規程(平成30年国土交通省告示第1168号)では、AI等による自動車検査用機械器具の基準を、以下のとおり規定した。
・完成検査員と同等以上の精度を有していること
・異常を検出し、その場合には自動で停止すること
・完成検査の結果を自動で記録できること
・管理責任者を選任するとともに、その管理規程が明確に定められていること
道路運送車両法(昭和26年法律第185号)が定める自動車型式指定制度においては、自動車の製作者等は、その製作した自動車を一台毎に検査(完成検査)することとされている。
同省によると、近年、生産年齢人口の減少、労働者の働き方の多様化が進み、人材の確保が困難となりつつある中、人工知能などを活用した完成検査の自動化は、完成検査を行なう職員(完成検査員)の育成の負担の軽減や完成検査の合理化のみならず、より精緻な作業管理による品質管理の一層の高度化や完成検査等における不適切な取扱いの防止にも資することが期待されるとしている。
また、2021年6月に閣議決定された「成長戦略実行計画」においても、完成検査員が行なっている検査をAI等で代替することが可能となるよう、制度改正を行なうことが盛り込まれている。