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写真で見る トヨタ「プリウス プロトタイプ(4代目)」

4代目となる新型「プリウス プロトタイプ」

 1997年、量産車初のハイブリッドカーとした誕生したトヨタ自動車「プリウス」。ラテン語で「先駆け」を意味するその名のとおり、その後に続く「アクア」をはじめとする同社ハイブリッドカーラインアップの礎を築いたモデルだ。

 2003年に2代目、2009年に3代目がデビュー。そして2015年、4代目となる新型が12月に発売される。開発コンセプトは「Beautiful Hybrid」。その旗のもとに「環境(燃費)性能がいい」「かっこいい」「走りがいい」「社会にいい」という4つのFUNを実現するべく、新たなチャレンジが行われた。

 新型プリウスの大きなポイントとなるのが、「TNGA(Toyota New Grobal Architecture)」の採用だ。クルマ開発の構造改革から生まれた新しいプラットフォームにより、ボディーサイズは4540×1760×1470mm(全長×全幅×全高)と、3代目より全長が60mm長く、全幅が15mm広くなる一方で、全高は20mmも低くなった。室内長205mm、室内幅20mmと居住空間も拡大されており、快適性も向上している。

 加えてハイブリッドシステムの小型化に伴う最適化や、バッテリーの最適配置などにより低重心化を実現。同時に新採用した環状構造の骨格により約60%高められたボディー剛性、リアダブルウイッシュボーンサスペンションの採用などもあって、「ドライバーの意図に応える気持ちのいい走りを実現している」という。

ボディーカラーはホワイトパールクリスタルシャイン

 パワートレーンは3代目と同様の名称となる「THS II」を採用。遊星歯車を使った動力分割機構を備えるものの、固定歯車比の遊星歯車を用いていたリダクションギヤは平行軸ギヤ式へと変更。モーターの配置も複軸配置とし、リダクションギヤ部で約20%の機械損失低減を実現したほか、PCU(パワーコントロールユニット)のリファインで約20%の損失低減、新巻き線方式を採用したモーターにおいても約20%の損失低減を実現している。

 エンジンは従来同様の直列4気筒1.8リッターの「2ZR-FXE」ユニットを搭載するが、吸気ポート形状の変更やフリクションロスの低減などにより、最大熱効率を38.5%から40%へと改善。エンジンで最高出力72kW(98PS)/5200rpm、最大トルク142Nm(14.5kgm)/3600rpm、モーターで最高出力53kW(72PS)、最大トルク163Nm(16.6kgm)を発生。目標燃費(JC08モード)は40km/L(一部グレード)とアナウンスされている。

 駆動用バッテリーは従来と同じニッケル水素バッテリーのほか、新たにリチウムイオンバッテリーも用意。どちらもパッケージとしては新開発となり、前者は総電圧201.6V/容量6.5Ah/セル数168個、後者は総電圧207.2V/容量3.6Ah/セル数56個となる。

 パワートレーン関連では新たに4WDシステム「E-Four(電気式四輪駆動方式)」が用意されたのもトピックだ。リアアクスルに専用モーターを、トランクフロア下にインバーターを配置することで、2WD(FF)車と変わらないラゲッジスペースを確保しつつ、発進加速や滑りやすい路面などで的確に駆動力を路面に伝えてくれる。

ドアオープン時

 安全装備では「Toyota Safety Sence P」を採用。これはミリ波レーダーと単眼カメラを併用したセンサーを使い、「プリクラッシュセーフティ」「レーンディパーチャーアラート」「レーダークルーズコントロール」「オートマチックハイビーム」と、4つの先進安全装備を実現したもの。そのほかドアミラーのインジケーターで死角にいるクルマを教えてくれる「ブラインドスポットモニター」、低速走行時の接触や巻き込みを警報する「インテリジェントクリアランスソナー」、急発進急加速を抑制する「ドライブスタートコントロール」など多くの機能を搭載し、高い安全性を確保している。

 ボディーカラーは新開発の「エモーショナルレッド」「サーモテクトライムグリーン」「スティールブロンドメタリック」など全9色。インテリアカラーは「クールグレー」と「ブラック」の2タイプが設定される。現状では細かなグレード展開は不明だが、今回のプロトタイプ撮影会には「ニッケル水素バッテリー&15インチタイヤ」「リチウムイオンバッテリー&17インチタイヤ」と2モデルが用意されていた。また、4WD車が用意されていたのは前者のみとなっていたが、細かなグレード展開は正式発表を待ちたいところだ。

ルーフピークを3代目より170mm前に出すことでプリウスの象徴ともいえる「トライアングルシルエット」を強調。Cd値は0.24。ボディーカラーはサーモテクトライムグリーン
フロントマスクはグリル中央の「トヨタマーク」を強調するキーンルックを採用
サイドミラーはオート格納式を採用。Aピラー付け根にはエアロスタビライジングフィンが付く
キーシリンダーが付いたドアノブ
シャークフィンタイプのアンテナには「ITS Connect」用エレメントを内蔵
ウインドー上部に「Toyota Safety Sence P」用の単眼カメラが付く
4WD車はリアゲートに「E-Four」バッヂがつく
LEDヘッドライトの点灯パターン。ロービームとハイビームは同軸。クリアランスランプはサイドまでまわり込んだ独特な配光
リアコンビネーションランプの点灯パターン
4WD車(左)と2WD(FF)車。車高は4WD車が5mm高く設定されているが、見た目には2WD車が少し前傾しているような雰囲気
トランクにあった補機バッテリーがエンジンルーム内にある
ボンネットはサイドのステーで支えるタイプ
バッテリー位置を示すステッカー
アルミと樹脂を組み合わせた専用ホイール。タイヤサイズは215/45 R17。撮影車両はブリヂストン製だった
こちらは15インチアルミ。タイヤサイズは従来型と同じ195/65 R15になる
17インチタイヤの空気圧設定
ボンネットフード後端を低くするとともに、ワイパーを見えにくい構造とすることで広々とした視界を確保。内装色はクールグレー
ホワイトの加飾が与えられたステアリング。グレードによって本革と合皮が用意されている
ステアリングスイッチ
シフトまわり。左側にEVモードや走行モード切替のスイッチがある
パワースイッチ。右側にはシンプルインテリジェントパーキングアシストやHUD(ヘッドアップディスプレイ)などのスイッチが並ぶ
ペダルまわり。パーキングブレーキは足踏み式
インパネ中央にメーターを配置するセンターメーターを採用
始動時にはヘルプ表示がある
HUD表示はカラータイプ
始動時のアニメーション表示
パワーモード時は背景が赤に
エコモード時は濃いブルー
ノーマルモード時はライトブルーになる
メーター表示は「シンプル」と「分割」が選択可能
分割時はスピード表示横にパワーメーターなどを表示することが可能
エネルギーモニター
ハイブリッドシステムインジケーター&エコジャッジ
4WD車は各タイヤへの駆動力配分を見ることができるモードが用意される
エコダイアリー(履歴)表示
エコウォレット
通算データ
5分単位の燃費表示
エコスコア。5段階で表示されるようだ
方位表示
エアコン情報
クルーズコントロール
ITS Connect用の通信車接近表示
カスタマイズメニュー
シンプルインテリジェントパーキングアシストの表示
充電池不足警告
スイッチOFF時に表示されるエンディング画面
ドア警告
販売店装着オプションとして用意される「ドライブサポートイルミネーション」。運転状態などをLEDで分かりやすく案内してくれる
カーナビゲーション。DINサイズはワイドタイプ
ボタンとトグルタイプのスイッチを組み合わせたエアコン操作部
センターコンソールはシンプルな造形
非接触充電システム「Qi」も装着できるようだ
カップホルダー後方にDC12Vソケット
インパネ右下部にはAC100V用のスイッチとフューエルリッドのオープナースイッチ
エアコン吹き出し口にはメッキロゴとシートステッチに合わせたアクセントカラーが入る
センターコンソール後端はフタ付収納。容量もたっぷり
グローブボックスの容量は少な目
チルト&インナースライド電動ムーンルーフ。3代目より開口部が前になった
シート表皮は本革、合成皮革、上級ファブリック、ファブリックの4種類を用意。写真は合成皮革タイプ
運転席ドアトリム
アームレストにはパワーウインドーとドアミラーのスイッチ。パワーウインドーは全席オートタイプ
インパネの奥まったところにシートヒーターのスイッチが付く。見えづらいためか運転席側には助手席側のインジケーターも
リアシート。車高が下がっているもののヘッドクリアランスは3代目と同等を確保
中央に収納式のアームレストを装備。高さを24mm上げることで快適性を向上
シート下にバッテリーを配置するため下部に換気用のスリットが設けられている
リアドアトリム
センターコンソール後端にAC100V(MAX1500W)ソケットを用意
上級ファブリックのシート表皮
運転席のシートリフターは調整量がたっぷり
純正フロアマットには外観デザインをイメージした刺繍が入っている
上級ファブリックのシート表皮を採用したリアシート
ラゲッジルームにはトノカバーを装備
リアシートは分割可倒式。9.5インチのゴルフバックを4個、E-Four車やスペアタイヤ装着車は3個搭載可能
フロアパネル下は収納スペース。トノカバーもスマートに収納できる
発泡スチロールの仕切り下にはインバーターがある
ラゲッジスペースにもAC100Vコンセントがある。こちらはアースポイントも

(安田 剛)