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写真で見る トヨタ「プリウス プロトタイプ(4代目)」
(2015/11/18 17:00)
1997年、量産車初のハイブリッドカーとした誕生したトヨタ自動車「プリウス」。ラテン語で「先駆け」を意味するその名のとおり、その後に続く「アクア」をはじめとする同社ハイブリッドカーラインアップの礎を築いたモデルだ。
2003年に2代目、2009年に3代目がデビュー。そして2015年、4代目となる新型が12月に発売される。開発コンセプトは「Beautiful Hybrid」。その旗のもとに「環境(燃費)性能がいい」「かっこいい」「走りがいい」「社会にいい」という4つのFUNを実現するべく、新たなチャレンジが行われた。
新型プリウスの大きなポイントとなるのが、「TNGA(Toyota New Grobal Architecture)」の採用だ。クルマ開発の構造改革から生まれた新しいプラットフォームにより、ボディーサイズは4540×1760×1470mm(全長×全幅×全高)と、3代目より全長が60mm長く、全幅が15mm広くなる一方で、全高は20mmも低くなった。室内長205mm、室内幅20mmと居住空間も拡大されており、快適性も向上している。
加えてハイブリッドシステムの小型化に伴う最適化や、バッテリーの最適配置などにより低重心化を実現。同時に新採用した環状構造の骨格により約60%高められたボディー剛性、リアダブルウイッシュボーンサスペンションの採用などもあって、「ドライバーの意図に応える気持ちのいい走りを実現している」という。
パワートレーンは3代目と同様の名称となる「THS II」を採用。遊星歯車を使った動力分割機構を備えるものの、固定歯車比の遊星歯車を用いていたリダクションギヤは平行軸ギヤ式へと変更。モーターの配置も複軸配置とし、リダクションギヤ部で約20%の機械損失低減を実現したほか、PCU(パワーコントロールユニット)のリファインで約20%の損失低減、新巻き線方式を採用したモーターにおいても約20%の損失低減を実現している。
エンジンは従来同様の直列4気筒1.8リッターの「2ZR-FXE」ユニットを搭載するが、吸気ポート形状の変更やフリクションロスの低減などにより、最大熱効率を38.5%から40%へと改善。エンジンで最高出力72kW(98PS)/5200rpm、最大トルク142Nm(14.5kgm)/3600rpm、モーターで最高出力53kW(72PS)、最大トルク163Nm(16.6kgm)を発生。目標燃費(JC08モード)は40km/L(一部グレード)とアナウンスされている。
駆動用バッテリーは従来と同じニッケル水素バッテリーのほか、新たにリチウムイオンバッテリーも用意。どちらもパッケージとしては新開発となり、前者は総電圧201.6V/容量6.5Ah/セル数168個、後者は総電圧207.2V/容量3.6Ah/セル数56個となる。
パワートレーン関連では新たに4WDシステム「E-Four(電気式四輪駆動方式)」が用意されたのもトピックだ。リアアクスルに専用モーターを、トランクフロア下にインバーターを配置することで、2WD(FF)車と変わらないラゲッジスペースを確保しつつ、発進加速や滑りやすい路面などで的確に駆動力を路面に伝えてくれる。
安全装備では「Toyota Safety Sence P」を採用。これはミリ波レーダーと単眼カメラを併用したセンサーを使い、「プリクラッシュセーフティ」「レーンディパーチャーアラート」「レーダークルーズコントロール」「オートマチックハイビーム」と、4つの先進安全装備を実現したもの。そのほかドアミラーのインジケーターで死角にいるクルマを教えてくれる「ブラインドスポットモニター」、低速走行時の接触や巻き込みを警報する「インテリジェントクリアランスソナー」、急発進急加速を抑制する「ドライブスタートコントロール」など多くの機能を搭載し、高い安全性を確保している。
ボディーカラーは新開発の「エモーショナルレッド」「サーモテクトライムグリーン」「スティールブロンドメタリック」など全9色。インテリアカラーは「クールグレー」と「ブラック」の2タイプが設定される。現状では細かなグレード展開は不明だが、今回のプロトタイプ撮影会には「ニッケル水素バッテリー&15インチタイヤ」「リチウムイオンバッテリー&17インチタイヤ」と2モデルが用意されていた。また、4WD車が用意されていたのは前者のみとなっていたが、細かなグレード展開は正式発表を待ちたいところだ。