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メルセデス・ベンツ、電気システムをパフォーマンス方向に振った新コンセプトモデル「メルセデスAMG 53シリーズ」発表会

「ハイパフォーマンス、快適性能、ドライビングプレジャー、環境性能をハイレベルでバランス」と上野社長

2018年9月6日 開催

「メルセデスAMG 53シリーズ」の発表会を開催

 メルセデス・ベンツ日本は9月6日、同日に発表した「メルセデスAMG 53シリーズ」の発表会を東京 六本木の「Mercedes me Tokyo」で開催した。53シリーズはEクラスベースの「メルセデスAMG E 53 4MATIC+」、CLSクラスベースの「メルセデスAMG CLS 53 4MATIC+」をラインアップし、メルセデスAMG E 53 4MATIC+ではセダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレを用意。

 53シリーズは、3月に予約受注を開始した「S 450」と同じく直列6気筒DOHC 3.0リッターターボ「M256」型エンジン、ISG(インテグレーテッド・スターター・モーター)、電動スーパーチャージャー、48V電気システムなどを組み合わせる。加速時にはモーターによる駆動アシストや電動スーパーチャージャーによる過給を行なったり、変速を素早く行なうためにモーターを制御するなど、電気システムをパフォーマンス方向に振った新しいコンセプトのAMGモデルとなる。

CLSクラスベースの「メルセデスAMG CLS 53 4MATIC+」(1274万円)。ボディサイズは5001×1896×1422mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2939mm(数値は欧州仕様)。6月に発売された3代目CLSでは、乗車定員がこれまでの4名仕様から5名仕様に変更。CLS 53 4MATIC+も5名乗車仕様になる
CLS 53 4MATIC+のエクステリアでは、シルバークロームのツインブレードフロントグリル、20インチのハイグロスブラックとシルバーのツートーン5ツインスポークアルミホイール(タイヤはMO[Mercedes Original]の刻印が入った横浜ゴム「ADVAN Sport V105」)、AMG専用のサイドスカート、ボディ同色のトランクリッドスポイラーリップなどを装備
インテリアではメルセデスAMG 63シリーズにも採用される「AMG パフォーマンスステアリングホイール」を装備するほか、2つの高精細12.3インチワイドディスプレイを1枚のガラスカバーで融合したコクピットディスプレイを採用。AMGメニューではエンジンオイル温度、トランスミッションオイル温度、前後および横方向の加速度、エンジンの出力およびトルク、過給圧、タイヤ温度および空気圧、車両設定状況などを表示できる

 S 450は2WD(FR)モデルとなるが、53シリーズは全車パフォーマンス志向の4輪駆動システム「AMG 4MATIC+」を採用するとともに、S 450が最高出力270kW(367PS)/5500-6100rpm、最大トルク500Nm(51.0kgfm)/1600-4000rpmだったところ、53シリーズでは最高出力320kW(435PS)/6100rpm、最大トルク520Nm(53.0kgfm)/1800-5800rpmへと進化した。

53シリーズが搭載する直列6気筒DOHC 3.0リッターターボ「M256」型エンジンは最高出力320kW(435PS)/6100rpm、最大トルク520Nm(53.0kgfm)/1800-5800rpmを発生

 なお、CLSは3月のジュネーブモーターショーで公開されたスポーツカー「メルセデス AMG GT」の4ドアクーペバージョンが存在するため、メルセデスAMGの63シリーズは展開されない。そのため現段階ではCLS 53 4MATIC+がCLSのトップエンドモデルになる。

 価格などの車両の詳細については「メルセデス・ベンツ、直6エンジン+ISGなど採用の新モデル『メルセデスAMG 53シリーズ』」を参照いただきたい。

こちらは「メルセデスAMG E 53 4MATIC+」(1202万円)

ハイパフォーマンス、快適性能、ドライビングプレジャー、環境性能のすべてをハイレベルでバランス

メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長の上野金太郎氏

 発表会ではメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長の上野金太郎氏が登壇して挨拶を行なうとともに、マーケティング・コミュニケーション部 AMG課のレナート・ニグマン氏が53シリーズの概要を紹介。

 はじめに登壇した上野社長は、直近3か月で3台の新型モデルをリリースしたことについて触れ、「39年ぶりの新型となるGクラスは8月末より納車を開始いたしました。おかげさまで、年内に納車可能な車両はほぼ完売している状態です。新型CLSはメルセデス・ベンツの今後のデザインをけん引するモデルで、こちらも販売開始から(販売台数は)好調な推移を見せています。そして新型Cクラスは6500か所におよぶ改良を施した自信作で、多くのお客さまに最新のメルセデス・ベンツの技術をご体感いただけるモデルになっています。また、従来型Cクラスのローレウスエディションが非常に好調な販売を記録し、Cクラスの2018年の販売の進捗は2017年に対して25%程度上まわる状況になっています」と、新型車の販売が好調であることをアピール。

 また、メルセデス AMGモデルについては「おかげさまで販売は好調に推移しており、E 43 4MATICとC 43 4MATICは特に販売に貢献している状況です。そのメルセデス AMGラインアップをさらに強化する53シリーズは、ハイパフォーマンスモデルに電気によるブースト機能などを持つ48V電気システムを組み合わせることで、さらにパフォーマンスを向上させるというコンセプトを採用しています。その電気システムのさまざまな機能により43シリーズでも追及しているハイパフォーマンス、快適性能、ドライビングプレジャー、環境性能のすべてをハイレベルでバランスさせているのが特徴です」と紹介した。

メルセデス・ベンツ日本株式会社 マーケティング・コミュニケーション部 AMG課のレナート・ニグマン氏

 53シリーズの具体的な内容について紹介を行なったニグマン氏は、「全モデルとも直列6気筒『M256』型エンジンとISG、48V電気システム、電動スーパーチャージャーなど、3月に発表したS 450と同じコンポーネントを採用しています。S 450よりもターボを大型化し、最高出力は68PS、最大トルクは20Nm増となるAMGモデルにふさわしいパワーを発揮します。直列6気筒特有の滑らかで吹け上がりのよいエンジンに、最高出力16kW、最大トルク250Nmの電気モーターを組み合わせ、回生ブレーキによる発電を行ない、エンジンが低回転時にはその電力を利用して動力補助をします。さらに低回転域から中回転域で電動スーパーチャージャーが過給を行なうことで、ターボラグを感じさせない俊敏な加速を味わうことができます。エンジンと電気モーターの協調により、大排気量の自然吸気エンジンのように繊細なアクセルワークに反応し、高回転域まで伸びやかに加速します。また、ISGはシフトチェンジの際にエンジン回転を最適化するアシストも行ない、スムーズなシフトチェンジを実現するとともに、エンジン始動時やアイドリング時の振動を低減するなど、快適で気持ちのよいドライビングに貢献しています」と、パワートレーンについて紹介。

 また、前後トルクをフロント50:リア50~フロント0:リア100の範囲で最適に配分し、状況に応じて安定したドライビングを実現する4輪駆動システム「AMG 4MATIC+」、スポーティなスプリング&ダンパー設定と連続可変ダンパーの「ADS+」(アダプティブダンピング システム)を採用したマルチチャンバー型エアサスペンション「AMG RIDE CONTROL+」を搭載して走行性能を高めていることをアピールした。

 一方、デザインについてはフロントデザインがモデルによって異なり、フロントグリルはEクラス セダンとステーションワゴンにはダイヤモンドグリルを、Eクラス クーペとカブリオレ、CLSにはさらにスポーティなシルバークロームのツインブレードフロントグリルを採用。左右エアインテーク部にはシルバークロームの水平フィンが2本ずつあしらわれ、その外側にブラックのフリックを装着する。

 加えて、E 53 4MATIC+とCLS 53 4MATIC+で異なるデザインを採用した20インチのツートーン(ハイグロスブラック/シルバー)5ツインスポークアルミホイールや、AMG専用のサイドスカート、ボディ同色のトランクリッドスポイラーリップ、大型リアディフューザー、円形のデュアルエグゾーストエンドなどを装着することでスポーティなスタイルに仕上げていることも紹介した。

 最後にニグマン氏は、「53シリーズは新しいパワートレーンの導入によりハイパフォーマンスを追求する一方で、メルセデス・ベンツ車に求められる快適性能や環境性能も高いレベルで維持しています。日常の走行でもドライビングプレジャーを感じることができます。53シリーズによってさらにお客さまのニーズに応えられるラインアップを揃えることができたと考えています」と述べプレゼンテーションを締めくくっている。