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トヨタ、新型「ヤリス」2020年2月10日発売。139万5000円から

WLTCモード燃費は最高36.0km/L

2020年2月10日 発売

ヤリス:139万5000円~249万3000円

ヤリス 車いす収納装置付車:156万9000円~218万3000円(消費税非課税)

世界統一名称になって2020年2月10日に発売される新型「ヤリス」

 トヨタ自動車は、新型コンパクトカー「ヤリス」を2020年2月10日に発売する。価格は139万5000円~249万3000円。

 日本では1999年1月から「ヴィッツ」の車名で発売され、2回のフルモデルチェンジを経て販売が続けられてきたが、4代目となる新型から海外で使われてきたヤリスに車名を統一する。

 10月16日にモデル概要が世界初公開され、合わせてワークショップのレポート、プロトタイプ車両のサーキット試乗などを誌面掲載して紹介しているように、新型ヤリスではトヨタの新しいクルマづくりの方針「TNGA(Toyota New Global Architecture)」に基づいて開発されたコンパクトカー向けの「GA-Bプラットフォーム」を採用している。

ヤリス ガソリンエンジンモデル
モデルエンジン変速機駆動方式価格WLTCモード燃費
X“B Package”直列3気筒 1.0リッター(1KR-FE)CVT2WD(FF)1,395,000円20.2km/L
X1,455,000円20.2km/L
G1,613,000円20.2km/L
X直列3気筒 1.5リッター直噴(M15A-FKS 1.5リッター“ダイナミックフォースエンジン”)6速MT1,543,000円19.6km/L
G1,701,000円19.6km/L
Z1,871,000円19.6km/L
XDirect Shift-CVT1,598,000円21.6km/L
4WD1,831,000円19.2km/L
G2WD(FF)1,756,000円21.4km/L
4WD1,954,000円19.2km/L
Z2WD(FF)1,926,000円21.6km/L
4WD2,124,000円19.2km/L
ヤリス ハイブリッドモデル
モデルハイブリッドシステム駆動方式価格WLTCモード燃費
HYBRID Xリダクション機構付のTHS II(M15A-FXE 1.5リッター“ダイナミックフォースエンジン”)2WD(FF)1,998,000円36.0km/L
4WD2,241,000円30.2km/L
HYBRID G2WD(FF)2,130,000円35.8km/L
4WD2,338,000円30.2km/L
HYBRID Z2WD(FF)2,295,000円35.4km/L
4WD2,493,000円30.2km/L
2WD車のボディサイズは3940×1695×1500mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1515mm)の5ナンバーサイズでホイールベースは2550mm

 外観デザインは「BOLD(大胆)」「BRISK(活発)」「BOOST(加速)」「BEAUTY(美しさ)」「BULLET(弾丸)」などの頭文字である「B」と、力強く走り出す「ダッシュ」を組み合わせた「B-Dash!」をコンセプトに採用。ヘッドライトのユニット上辺やフロントバンパー中央に立方体を組み合わせたイメージの「キューブパターン」をレイアウトする。

 ボディカラーでは、日本文化の独創性と遊び心を表現する「J-FASCINATING(ジェイ・ファッシネーティング)」をキーワードに新開発した「コーラルクリスタルシャイン」「アイスピンクメタリック」の2色を採用。モノトーンカラー全12色をラインアップするほか、ブラックルーフ4種類、ホワイトルーフ2種類といった2トーンルーフ計6種類が用意されている。

新色の「コーラルクリスタルシャイン」(3万3000円高)
新色の「アイスピンクメタリック」(3万3000円高)
4代目「プリウス」で初採用された「サーモテクトライムグリーン」(4万4000円高)。車体表面の温度上昇を抑える効果を持つ
「シアンメタリック」
「ダークブルーマイカメタリック」
「アバンギャルドブロンズメタリック」
「センシュアルレッドマイカ」
「ボルドーマイカメタリック」
「ブラック」
「シルバーメタリック」
「ホワイトパールクリスタルシャイン」(3万3000円高)
「スーパーホワイトII」
「ホワイト×ブラック」(5万5000円高)
「ホワイト×センシュアルレッドマイカ」(7万7000円高)
「ブラック×シアンメタリック」(5万5000円高)
「ブラック×アバンギャルドブロンズメタリック」(5万5000円高)
「ブラック×コーラルクリスタルシャイン」(7万7000円高)
「ブラック×アイスピンクメタリック」(7万7000円高)
HYBRID Zの外観
HYBRID Zのインパネ
Z(1.5リッター車)の車内。内装色はクレアトープ
G(1.5リッター車)の外観
G(1.5リッター車)のインパネ
G(1.5リッター車)の車内。内装色はトープ
X(1.5リッター車)の外観
X(1.5リッター車)のインパネ
X(1.5リッター車)の車内。内装色はブラック
X“B Package”の外観
X“B Package”のインパネ
X“B Package”の車内。内装色はブラック
HYBRID ZとZ、4WDのHYBRID GとHYBRID Xで標準装備する185/60R15タイヤ&スチールホイール+樹脂フルキャップ
HYBRID ZとZにオプション設定する185/55R16タイヤ&アルミホイール
2WDのHYBRID GとHYBRID X、ガソリンモデルのZ以外で標準装備する175/70R14タイヤ&スチールホイール+樹脂フルキャップ
HYBRID GとG(1.5リッター車)にオプション設定する185/60R15タイヤ&アルミホイール
3灯式フルLEDヘッドライト+LEDターンランプ+LEDクリアランスランプはHYBRID ZとZに標準装備。HYBRID GとGでもオプション装着が可能
3灯式フルLEDヘッドライトは「おむかえ照明機能」も備える

トヨタ初の「イージーリターンシート」を採用

「スポルテック・コクーン」をキーワードとしたインテリアでは、「楽しく操る機能部品」と「心地よい素材感に包まれた空間」を対比させたデザインを採用。インパネの高さを抑えて縦横比を横長にしたことで、上級クラスの車内のようにワイドな空間を表現。ステアリング径はφ365mmに小径化し、センターパッドを小型化してメーター類の視認性を向上。メーターはHYBRID X、X、X“B Package”で2眼式のアナログメーターを、その他のグレードでは3つの液晶パネルを組み合わせるデジタルメーターを採用する。

 内装色は「ブラック」が基本となり、HYBRID GとGは「トープ」、HYBRID ZとZは「クレアトープ」も選択可能。シート表皮はHYBRID ZとZは上級ファブリック、その他のグレードはファブリックを採用し、HYBRID GとGには「マルチカラーファブリック」、HYBRID ZとZには「合成皮革+ツィード調ファブリック」をオプション設定している。

 このほか、HYBRID ZとZの運転席にトヨタ初の装備となる「イージーリターンシート」を採用。シートの前後ポジションを一定にキープしつつ、シートベース右側面の専用レバーでロックを解除することにより、シートを最後端までスライド可能。電動パワーシートの一部で採用されている「メモリー機能」をロック機構の工夫で再現するこの装備により乗降性を高めることが可能。乗車後は同じくレバーを引き上げながらシートを前方にスライドさせると、あらかじめ設定していたシートポジションの前後位置で止まる仕組みとなっている。

 HYBRID ZとZ以外のグレードでは、運転席と助手席が車外側に回転&チルトして、スカートや和服を着用している人でも楽に乗り降りできる「ターンチルトシート」をオプション設定している。

インパネの高さを抑えて視界を広げ、ワイドで上級クラスの車内のような空間を演出。「カラーヘッドアップディスプレイ」はHYBRID ZとZに4万4000円高でオプション設定
メーターはX系のグレードで2眼式アナログメーター(中央)、それ以外のグレードでデジタルメーターを採用
「イージーリターンシート」はシート右側面の専用レバーでロック解除を行なうことで、ドライビングポジションのシート前後位置を保持しつつ、降車時にシートを後端までスライドさせて乗降性を高めることが可能
「ターンチルトシート」もシートの車外側にあるレバー操作でロックを解除。シートが車外側に回転&チルトして乗降性を高めるオプション装備となる
「助手席シートバックポケット」(左)、「助手席シートアンダートレイ」(中央)「買い物アシストシート」(右)はHYBRID ZとZに標準装備。HYBRID GとGでは「コンフォートシートセット」(5万1700円高)のセットオプションで装着可能
車内の収納スペースも豊富に用意する
ラゲッジスペースの主なサイズ
リアシートは全車6:4分割可倒式
ラゲッジスペースのフロアを2段にして有効活用する「アジャスタブルデッキボード」はHYBRID ZとZに標準装備。その他のグレードでは2WD車にオプション設定する
ラゲッジスペース右側面にAC100V 1500Wのコンセントを追加する「アクセサリー コンセント」は、ハイブリッドモデルに4万4000円高でオプション設定

 車内でコネクティッド機能を利用するため、auの4G回線を利用する車載通信機「DCM(Data Communication Module)」を全車で標準装備。T-Connect基本サービスとして「ヘルプネット(エアバッグ連動タイプ)」「eケア走行アドバイス」「eケアヘルスチェックレポート」「マイカーサーチ」を購入後の5年間は無料で利用可能。6年目以降は3300円/年、または300円/月で利用できる。

 オーディオは、HYBRID X、X、X“B Package”で7インチディスプレイ、その他のグレードで8インチディスプレイを備える「ディスプレイオーディオ」を全車で採用。9月に発売された新型「カローラ」シリーズで国内導入がスタートしたディスプレイオーディオは、スマートフォンと接続することでSDL(スマートデバイスリンク)に準拠するトヨタの「TCスマホナビ」やLINEの「LINE カーナビ」といった地図アプリ、「au うたパス」や「radiko auto」といった音声コンテンツを利用可能。「Apple CarPlay」「Android Auto」を利用可能にするオプションを用意するほか、「エントリーナビキット」「T-Connect ナビキット」をディーラーオプションとして設定している。

SDL(スマートデバイスリンク)対応のスマホアプリを利用できる「ディスプレイオーディオ」。「エントリーナビキット」「T-Connect ナビキット」もディーラーオプションとして用意する

最軽量モデルでは1tを切る940kg~1090kgの車両重量を達成

新型ヤリスはコンパクトカー向けのGA-Bプラットフォームを採用

 新しいヤリスでは“すべてをゼロベースから作り上げた”という新世代のGA-Bプラットフォームを採用。ボディ骨格に高張力鋼板を積極的に使っているほか、車両前方側から衝突した時の衝撃を分散して受け取るトヨタコンパクト初の「フロントサイドメンバ×メンバリヤ結合」などの新しい構造を導入。軽量化と剛性アップを両立。軽量化では車両重量を現行モデルから50kg低減することを目標として、最軽量モデルでは1tを切る940kg~1090kgを達成。合わせて重心高を15mm低下させ、ボディのねじり剛性は30%以上強化。優れた操縦安定性と上質な乗り心地を実現する。

 2WD車のボディサイズは3940×1695×1500mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1515mm)の5ナンバーサイズでホイールベースは2550mm。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアは2WD(FF)にトーションビーム式、4WDにダブルウィッシュボーン式を採用する。

新型ヤリスのホワイトボディ
フロントサスペンションはマクファーソンストラット式
2WD(FF)のリアサスペンションはトーションビーム式
4WDのリアサスペンションはダブルウィッシュボーン式

 パワートレーンでは3代目ヴィッツでも採用していた「1KR-FE」型の直列3気筒 1.0リッターエンジン(最高出力51kW[69PS]/6000rpm、最大トルク92Nm[9.4kgfm]/4400rpm)のほか、新開発の「M15A-FKS」型の直列3気筒 1.5リッターエンジン(最高出力88kW[120PS]/6600rpm、最大トルク145Nm[14.8kgfm]/4800-5200rpm)、「M15A-FXE」型の直列3気筒 1.5リッターエンジン(最高出力67kW[91PS]/5500rpm、最大トルク120Nm[12.2kgfm]/3800-4800rpm)+モーターのハイブリッドの3種類をラインアップ。

 トランスミッションは、トヨタで長年に渡り採用されている「電気式無段変速機」をハイブリッドモデルに組み合わせるほか、CVTに発進用ギヤを備えて効率化を高めた「Direct Shift-CVT」を採用。1.5リッターエンジンの2WD車には6速MTも設定する。

 駆動方式は前輪を駆動する2WDを全車に設定し、1.5リッターエンジンのCVT車では4WDも用意。また、ハイブリッドモデルではリアタイヤの軸間に設置したモーターを使い、滑りやすい路面での発進などをアシストする電気式4WDシステム「E-Four」をトヨタのコンパクトカーとして初めてラインアップしている。

 WLTCモード燃費は、1.0リッターエンジンモデルで20.2km/L、1.5リッターエンジンの6速MTモデルで19.6km/L、1.5リッターエンジンのCVT・2WDモデルで21.4km/L~21.6km/L、同4WDモデルで19.2km/L、ハイブリッドの2WDモデルで35.4km/L~36.0km/L、同4WDモデルで30.2km/Lとなる。

新型ヤリスの走行イメージ
滑りやすい路面での発進などをリアモーターがアシストする電気式4WDシステム「E-Four」をトヨタのコンパクトカーで初採用

 ADAS(先進運転支援システム)も大きく機能向上を遂げており、トヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」では、昼夜の歩行者、昼間の自転車運転者の衝突回避を支援する「プリクラッシュセーフティ」がさらに進化。トヨタ車として初めて、右折時の対向直進車や右折先の横断歩行者なども検知して自動ブレーキが作動するようになった。

 また、低速走行時の事故予防をサポートする「低速時加速抑制」機能をトヨタ車初採用。「レーダークルーズコントロール」「レーントレーシングアシスト」「リヤクロストラフィックオートブレーキ」「ブラインドスポットモニター」などもトヨタのコンパクトカーとして初搭載する。

「プリクラッシュセーフティ」はトヨタ車で初めて、右折時の対向直進車や右折先の横断歩行者などに対しても自動ブレーキが作動するようになった
新型ヤリスのプリクラッシュセーフティは昼夜の歩行者、昼間の自転車運転者も検知可能な最新型
低速走行時の事故予防をサポートする「低速時加速抑制」機能をトヨタ車初採用
後退出庫などのシーンで他の車両などを検知して、必要に応じて警告音や自動ブレーキを作動させる「リヤクロストラフィックオートブレーキ」もトヨタのコンパクトカーで初搭載

 また、トヨタ車初の装備として、駐車シーンで必要となるアクセル、ブレーキ、ステアリングの操作をクルマが自動的に行なう高度駐車支援システム「トヨタ チームメイト(アドバンスト パーク)」をハイブリッドモデルにオプション設定(7万7000円~9万3500円高)。駐車スペースに隣接した状態でセンターコンソールの専用スイッチを押すだけで、シフトセレクターでの前進/後退の選択以外の操作を自動化。カメラと超音波センサーによって周辺を監視しつつ自動的に駐車スペースに車体を収めてくれる。また、自宅の駐車場など白線がない駐車スペースでも、事前に機能をONにして駐車スペースとして登録することで機能を利用可能にする「メモリ機能」も世界初採用している。

「パノラミックビューモニター」用のカメラと「ブラインドスポットモニター」用のソナーを組み合わせて活用し、自車周辺の360度を監視
「トヨタ チームメイト(アドバンスト パーク)」はハイブリッドモデルのオプション装備
白線でエリアを指定する駐車場だけでなく、事前に駐車スペースとして登録することで、白線がない自宅などの駐車スペースでも自動駐車を利用できる

 このほか、トヨタの福祉車両「ウェルキャブ」シリーズの「車いす収納装置付車」も設定。ラゲッジスペースに設置した電動アームによって35kgまでの車いすをボタン操作などで簡単に積み降ろし可能となっており、回転しながら車外に向けてチルトダウンするターンチルトシートを、タイプIは助手席に、タイプIIは運転席と助手席に標準装備している。価格は156万9000円~218万3000円。

ラゲッジスペースの電動アームで35kgまでの車いすを簡単に積み降ろしできる「ウェルキャブ」シリーズの「車いす収納装置付車」。車いすからの移乗をアシストするターンチルトシートも備える
ヤリス 車いす収納装置付車 ガソリンエンジンモデル(消費税非課税)
モデルベースグレードエンジン変速機駆動方式価格
タイプI(助手席ターンチルトシート付車)X直列3気筒 1.0リッター(1KR-FE)CVT2WD(FF)1,569,000円
G1,713,000円
X直列3気筒 1.5リッター直噴(M15A-FKS 1.5リッター“ダイナミックフォースエンジン”)Direct Shift-CVT1,699,000円
4WD1,909,000円
G2WD(FF)1,843,000円
4WD2,021,000円
タイプII(運転席&助手席ターンチルトシート付車)X2WD(FF)1,777,000円
G4WD1,921,000円
ヤリス 車いす収納装置付車 ハイブリッドモデル(消費税非課税)
モデルベースグレードハイブリッドシステム駆動方式価格
タイプI(助手席ターンチルトシート付車)HYBRID Xリダクション機構付のTHS II(M15A-FXE 1.5リッター“ダイナミックフォースエンジン”)2WD(FF)2,063,000円
HYBRID G2,183,000円