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アストンマーティン、多用途性と走行性能を両立した新型SUV「DBX」日本初公開

DBXのルックスやサウンド、走行性能はアストンマーティンならではのもの

2019年11月21日 開催

アストンマーティン初のSUV「DBX」を日本初公開

 アストンマーティン・ジャパンは11月21日、東京 青山の正規ディーラー「アストンマーティン東京」でブランド初のSUVとなる「DBX」を日本初公開した。

 DBXは2015年に開発がスタートしたアストンマーティン初のSUVで、専用のプラットフォームを新規作成しているにも関わらず、バーチャルモデルの活用なども取り入れて短期間での市販化を実現している。11月20日(現地時間)に中国 北京で正式発表。価格は、英国では15万8000ポンド、ドイツでは19万3500ユーロ、日本では2299万5000円、米国では18万9000ドルとアナウンスされている。

 このほか、ブランニューモデルであるDBXの詳細は、関連記事の「アストンマーティン初のSUV『DBX』正式発表。最初の500人のオーナー限定で専用パッケージ設定」を参照していただきたい。

DBX
DBXのボディサイズは5039×1998×1680mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3060mm。なお、会場に用意された車両は本格的な量産に先駆けて生産されたプロトタイプ車両となり、実際の量産モデルとは異なる点が出てくる可能性もあるとのこと
フロントバンパーの両サイドに設置された「フロントDRLダクト」。リング状のデイタイムランニングランプはフロントマスクのアクセントになっており、同時に車両前方から流れてくる風を中央のダクトから前輪のタイヤハウスに通過させ、“エアカーテン”として空力性能を高めている
タイヤはピレリの「P Zero」。サイズはフロントが285/40YR22、リア325/35YR22となる
車両後方のリアハッチには、アストンマーティンの「ヴァンテージ」からヒントを得た「フリップ」と呼ばれるスポイラーを設置。ルーフ後端のリアウイングと合わせてダウンフォースを提供する
リアバンパーの両サイドにビルトインされるマフラーエンドはカーボンファイバー製の加飾を設定
DBXのインパネ
本革シートにはパーフォレーション加工や職人が手仕事でステッチを施したキルティング加工などが与えられ、センターコンソールの下に手荷物などを置けるロワーコンソールを用意
12.3インチのTFTカラー液晶ディスプレイをメーターパネルに採用。レザーステアリングの両スポークにADASやインフォテイメントなどの各種スイッチをレイアウトする
9速ATを操作する大型のパドルシフトを設置
アクセルペダルはオルガンタイプ。大きなフットレストも用意する
開放感を高めるパノラミックグラスルーフを装備
インパネ中央に10.25インチのTFT センターインフォテイメントディスプレイを設置。画面の上にエンジンスタートスイッチやシフトセレクターのボタンを配置する
センターコンソールのスイッチ類
ラゲッジスペース容量は632Lで、フロア下に62Lの容量を持つサブトランクを設定している。6:4分割可倒のリアシートを前方に倒して大きな荷物の積載にも対応
リアハッチに設定された電動開閉のスイッチ
ラゲッジスペースの右側面に用意されたシートバック格納スイッチ

SUVの多用途性とアストンマーティンらしい走行性能を両立

アストンマーティンラゴンダ Vice President and Chief Quality OfficerであるRichard Humbert氏

 DBXを報道関係者向けに公開するプレスカンファレンスでは、アストンマーティンラゴンダ Vice President and Chief Quality OfficerのRichard Humbert氏が最初に登壇。

 Humbert氏は「アストンマーティンは1913年の設立から大きな発展を遂げ、近年は日本を含む世界市場で最も成長率の高いラグジュアリーブランドとなっています。日本はわれわれにとって非常に重要な市場で、そのコミットメントの証として、アジア太平洋地域で展開している2台のDBX(プロトタイプモデル)の内、1台をこの東京に持ってまいりました」。

「4年前の2015年 ジュネーブモーターショーで『DBX デザインコンセプト』が発表され、このモデルの旅が始まりました。当初はまったく白紙の状態で、まずは『SUVの定義』を理解するところからスタートしました。基本に立ち返って『どんな属性なのか』『どんな装備が必要なのか』を考えたのです」。

「そのプロセスにおいて、スポーツカーではなくSUVが選ばれる理由として『多用途性』という言葉が何度も出てくることになりました。そしてその一方で、アストンマーティンらしい走行性能を備えていなければ、SUVのDBXと言えどもアストンマーティンモデルとは呼べません。DBXのルックスやサウンド、そして走行性能は、アストンマーティンならではのものと言えます。それに加え、高級感のある素材やクラフトマンシップなど、お客さまに期待されているものを備えています」。

「また、インテリアでは最高級の素材を利用しており、『伝統的なテイスト』から『近代的なテイスト』まで、あらゆるパターンに対応してオーナーの好みに合わせることができます。美しいデザインと広く合理的なボディ、近代的なアストンマーティンのラグジュアリーテイストとして求められる最高級の素材とクラフトマンシップを備え、DBXは比類なき機種になるのです」とコメント。100年を超える歴史を持つアストンマーティンで初めて手がけたSUVであるDBXの概要を紹介した。

Beautiful is Relentless - DBX | Aston Martin(1分)
アストンマーティンラゴンダ メタテクノロジー&ラグジュアリーアクセレレーターオフィス ダイレクター 戸井雅宏氏

 DBXの商品解説は、アストンマーティンラゴンダ メタテクノロジー&ラグジュアリーアクセレレーターオフィス ダイレクター 戸井雅宏氏が担当。

 戸井氏は冒頭で「このDBXでアピールしたいポイントは、クラフトマンシップや走りなどたくさんあるのですが、まず始めに申し上げておきたいのは、(アストンマーティンのCEO)アンディ・パーマーをはじめ、このDBXに関わってきたアストンの社員みんなが、この展示車を見ていただいても分かるように、アストンマーティンのデザインDNA、つまり、ビューティフルでスリークなプロポーションを守りながら、本格的に使えるSUVを作り上げたという部分に最も達成感を持っているということです」と語り、DBXが持つ魅力について説明。

 製品としての訴求ポイントとして、「本格SUVの実用性」「スポーツカーとしての高揚感」「アストンマーティン流のラグジュアリー」の3点を示し、実用性ではオンロードやオフロードでの走行性能はもちろん、クラス最大を誇る車内空間が生み出す前席、後席の快適性、すべてのユーザーのライフスタイルに適合するべく開発を進めた多用途性を持っていると紹介。

 スポーツカーとしての高揚感では、アストンマーティンの伝統である運動性能や操縦安定性をしっかりと備えているほか、車高の高さや舗装路以外の低μ路を走るシーン、多くの荷物を積んだりボートなどを牽引するといったSUVとして求められる多彩な状況で的確に対応できるシャシー性能を目指したと説明。また、これまでに生産してきたスポーツモデルから受け継いで新開発した接着アルミニウム構造の軽量プラットフォームにより、高い快適性と操縦安定性を兼ね備えたことをアピールした。

 3点目のラグジュアリー表現では、伝統あるアストンマーティンのハンドメイドによるクラフトマンシップに加え、現代的でラグジュアリーなマテリアルの使用にもDBXでは挑戦しているという。オプションアイテムも豊富に取りそろえ、あつらえたようにライフスタイルに適合することもラグジュアリー感の演出としている。

戸井氏は展示されたDBX(プロトタイプモデル)を使いながら具体的な製品特性を紹介していく。このシーンではドアの断面を取り上げ、美しいラインが空力特性の改善にも寄与していることを紹介。サイドシルをドアパネルがカバーして、オフロード走行などを行なった後でも乗降時に足下を汚さないようにしていることもアピールした
フロントマスクでは“DBシリーズ”に共通する特徴的なフロントグリルを採用していることも大きなポイント
SUVとして多彩な走行状況に対応するための各種スペック。渡河水深は500mmを確保している
パワートレーン関連のスペック一覧
本格的なトリプルチャンバーエアサスペンションの採用により、車高は標準状態から+45mm、-50mmまで変更可能
走行状況に合わせて「ドライブモード」の変更が可能
室内空間の各数値。高い走行性能をキープするため全高はできる限り抑えているが、一方で“クラス最大”という前後席のレッグスペース、後席ヘッドスペースを実現している
インテリアデザインのキーポイント。素材を厳選し、クラフトマンシップを注ぎ込んで生み出されているという
カラーTFT液晶ディスプレイを使うメーターパネルは、ドライブモードに合わせて表示が変化
センターコンソールのインフォテイメントディスプレイではドライブモードの選択によって変化する点について、イラストなども使って分かりやすく紹介する
採用されている先進装備や安全運転支援システムなどの一覧
DBXの製品サマリー
フォトセッションでDBXと並ぶRichard Humbert氏(左)とアストンマーティン・ジャパン マネージング ディレクター 寺嶋正一氏(右)