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メルセデス・ベンツ、新型「Gクラス」日本導入。従来型のGクラスも継続販売

「G 550」(1562万円)「メルセデスAMG G 63」(2035万円)の受注開始

2018年6月6日 受注開始

1562万円~2035万円

G 550

 メルセデス・ベンツ日本は6月6日、新型「Gクラス」の受注を開始した。「G 550」「メルセデスAMG G 63」の2モデルが導入され、価格は前者が1562万円、後者が2035万円。納車時期は8月下旬以降を予定している。

 なお、従来型のGクラスも継続して販売することがアナウンスされている。

新型Gクラス価格表
モデルエンジン変速機価格ステアリング位置
G 550V型8気筒4.0リッター直噴ツインターボ「M176」9速AT「9G-TRONIC」15,620,000円
メルセデスAMG G 63V型8気筒4.0リッター直噴ツインターボ「M177」20,350,000円左/右

 新型Gクラスは1月の2018年北米国際自動車ショーで公開されたモデルで、新型ではオフロード走行に適したラダーフレームを新設計。この新設計ラダーフレームは、最大3.4mm厚のスチール鋼板を「ロ」の字型にした鋼材から制作し、MAG溶接技術で組み立てることで悪路走行時に求められる強度、剛性、安全性を高めたという。

 サスペンションについてはGクラス開発チームとメルセデスAMGが協業し、フロントのダブルウィッシュボーン独立懸架サスペンションと、リアのリジッドアクスルを組み合わせて開発。フロントサスペンションのコンポーネントはいずれもサブフレームなしでラダーフレームに直接取り付けられ、フレーム上のロアウィッシュボーン取り付け点は走破性向上のため高い位置に設定。さらにフロントのディファレンシャルギヤに対して270mmの地上高を確保した。

 新型Gクラスの主な性能としては、前後アクスル間の最低地上高が24.1cm(従来比+6mm)、最大渡河水深が70cm(従来比+10cm以上)、安定傾斜角度が35度(従来比+7度)、デパーチャーアングルが30度(従来比+1度)、アプローチアングルが31度(従来比+1度)、ランプブレークオーバーアングルが26度(従来比+1度)となっており、従来型から進化していることが数値からもうかがえる。

 ボディにおいては、高張力/超高張力スチールおよびアルミニウムによる新しい材料構成と、ボディパーツごとに最適な素材を採用して約170kgの軽量化を達成。一例として、AピラーやBピラーなどのボディシェルは耐荷機能を持つことを考慮して高張力スチールを、フェンダーやボンネット、ドアはアルミニウムを採用していることが紹介されている。

 また、今回の改良によりフレーム、ボディシェル、ボディマウントのねじり剛性は、従来モデルで6537Nm/degだったところ1万162Nm/degと、約55%向上。これにより、先代と比較して自然なドライビングダイナミクスや快適性の改善に加えて、走行中に室内で感じられるノイズや振動が顕著に減少するという効果が得られたという。

 一方、パワートレーンについては、G 550では気筒休止システムが備わるV型8気筒4.0リッター直噴ツインターボ「M176」型エンジンを搭載。最高出力は310kW(422PS)、最大トルクは610N・mを発生する。

 また、メルセデスAMG G 63ではメルセデスAMGが完全自社開発したV型8気筒4.0リッター直噴ツインターボ「M177」型エンジンを搭載。こちらは従来型に比べ10kW(14PS)増の最高出力430kW(585PS)、90N・m増の最大トルク850N・mを発生。

 G 550、メルセデスAMG G 63ともにトランスミッションには新開発の9速AT「9G-TRONIC」を採用。トルクコンバーターハウジングをアルミニウム製、ギヤハウジングをマグネシウム製とし、前進ギヤが2速分増えたにもかかわらず、従来の7速AT「7G-TRONIC」と比較して1kgの軽量化を実現した。また、3つの回転速度センサーを用いて速度条件に応じて最も高いギヤを最適に選択し、前進9段のギヤを素早く切り替えることによってエンジン回転数を低く抑え、ノイズと振動を低減することで快適性を高めた。

メルセデスAMG G 63

 ボディサイズは、従来モデルと比べると全長が53mm伸びた4817mm、全幅が64mm広がった1931mm(ともに欧州参考値)と拡大しており、オフローダーとして強い存在感を発揮。エクステリアでは堅牢なプロテクションモール、テールゲート外側のスペアタイヤ、外部に設けたドアヒンジとボディ面に載せるスタイルのボンネット、突出したウィンカーなど、Gクラス独自のデザインを踏襲。

 エクステリア上の特長の1つであるフラットなフロント/サイド/リアウィンドウは、リアウィンドウを除いてすべて微細な曲面を描いており、オフローダーとしての個性を継承しながらエアロダイナミクスを向上させた。また、新デザインのフロントラジエターグリル、フロントバンパー、丸形のLEDヘッドライト/LEDリアコンビネーションランプなど、Gクラスの個性を残しながら最新のメルセデスデザインが与えられている。

 インテリアでは、Gクラスのエクステリアで採用されるパーツをモチーフにしたデザインを採用し、特徴的な円形ヘッドライトの形状は左右のエアアウトレット、ウィンカーをイメージしたスピーカーなど、個性あるインテリアに仕上げた。また、助手席前方のグラブハンドルや、3つのディファレンシャルロックを操作するクローム仕上げのスイッチなどは新型でも継承する一方で、厳選されたレザーや上質なウッドトリム、随所に施されたシルバー加飾などを用いることでラグジュアリーさも強調した。加えて、新デザインのインストルメントパネルには12.3インチの高精細ワイドディスプレイ2枚が1枚のガラスカバーの下で融合したワイドスクリーンコクピットを採用した。

 また、ボディの大型化に伴い室内各部のサイズも拡張され、従来モデルから前席レッグルームが38mm、後席レッグルーム(欧州参考値)が150mm、前席ショルダールームが38mm、後席ショルダールームが27mm、前席エルボ―ルームが68mmそれぞれ拡大して居住性が高められている。

 そのほか、新型Gクラスでは全モデルに「レーダーセーフティパッケージ」をはじめとする安全運転支援システムを採用。車間距離を適切に維持するとともに、先行車が停止した場合は減速して停止する渋滞追従機能を備えた「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」、ドアミラーの死角範囲をレーダーによってモニターして危険性を警告する「ブラインドスポット アシスト」や衝突回避をサポートする「アクティブブレーキアシスト(歩行者検知機能付)」、衝突時の乗員へのダメージを最低限に抑える「PRE-SAFE」、一般道や高速道路の制限速度を表示する「トラフィックサインアシスト」、片側84個のLEDを個別に制御する「マルチビームLEDヘッドライト」、車両周囲の状況をモニターする「360°カメラシステム」、自動操舵・ブレーキ機能により縦列駐車と車庫入れをアシストする「アクティブパーキングアシスト」などを標準装備している。