まるも亜希子の「寄り道日和」

東京ドイツ村にオープンした「バッサースライダー220」

少し緊張した面持ちではあったものの、たった1人で電動カートに乗って行った3歳の娘。「これに乗りたい」という欲求が、思いもよらぬ勇気をくれたのでしょうね

 日産自動車のオールラインアップ試乗会で訪れた、千葉県にある「東京ドイツ村」。緑豊かな広い敷地の中に、遊園地やパターゴルフ場、動物園やスワンボートに乗れる池など、いろんなアクティビティが詰まったテーマパークです。

 実はその試乗会の時に「ノート e-POWER」や「スカイライン」など、電動化技術によって魅力的になった日産車にいろいろと試乗しつつも、めちゃめちゃ気になっていたものがありました。

 それが、東京ドイツ村にこの夏オープンしたという、日本最大級のウォータースライダー「バッサースライダー220」。ウォーターと名がつくものの洋服を着たままでもトライでき、緩やかな坂道を下る、直線距離で220mもあるスライダーなんです!

 さらに目が釘付けになったのが、受付も兼ねたスライダーのゴール地点からスタート地点まで、人や荷物を乗せて運んでくれる電動カート。シマウマやトラの模様がかわいいのですが、よくよく見ていると無人で動いているではないですか。これはまさに電動化技術の身近な実用例では!? と、乗りたくてたまらなかったのですがその日はお仕事だったのでガマン(笑)。後日、娘や妹ファミリーたちとプライベートで行ってきました。

ゴルフ場などで使われている電動カートを楽しい動物たちの模様にペイントし、無人で自動的にスライダーのスタート地点からゴール地点を往復するように設定された「バッサースライダー220」の電動カートは、見ているだけで楽しい乗り物です

 東京ドイツ村には子どもたちが無料でプール遊びができる「せせらぎ」というエリアがあるので、娘たちはハナっから水着を着てやる気マンマン。猛暑日だったので水もぬるくなってるんだろうな~と思いつつ、私も足だけ入ってみると、あまりの冷たさにビックリです。ここは天然の地下水を利用しているとのことで、暑さにやられそうな中でも足をつけるだけでクールダウンできて、気持ちいい! 子どもたちも大はしゃぎでした。

 そしていよいよバッサースライダー220にトライ。3歳から利用可能なのですが、スライダー専用の浮き輪に保護者と一緒に乗ることはできないので、私は娘が1人でできるのかどうか、ちょっと心配になってしまいました。でも、「やる! できる!」という本人の強い意思を尊重し、電動カートに乗せてみると……。「ボタンとか何にも触らないでね」という係員の言葉にウンとうなずき、電動カートは発車。そのまま淡々と坂道を登り、スライダーのスタート地点に無事到着。そこで待っている係員が娘を降ろしてくれて、長い長い220mを楽しそうに滑って戻ってきました~。初めてのお使いならぬ、初めてのスライダー。私はちょっと感動すらしておりました(笑)。

直線距離で220mを一気に滑り下りるスライダーは、とっても気持ちよさそう! 大人だと結構なスピードが出るのですが、子供は体重が軽いので、途中で止まらないようにたくさんのオモリを積まれていました(笑)。スタッフの女性曰く、去年の冬の間に一生懸命作った手作りスライダーなので、来年もまたやります、とのこと。体はほとんど濡れないので、水着じゃなくても利用OK。料金は現金のみで1人400円、電動カートが1人100円です

 今までなら、絶対に「ママと一緒じゃなきゃヤダ」と言って泣いていたはずの娘なんですが、乗り物好きなので、スライダーというよりも実は電動カートに乗りたい欲求の方が強かったのではないか? あまりの魅力に抗えず、「1人でも行く」と決心したのではないか? と想像しています。人間の欲求って、やっぱりすごいパワーを発揮するものですよね。

 きっとクルマも同じで、「何としても乗りたい」と若者に思わせるクルマがあれば、借金してでもバイトまみれの毎日になっても、どうにかして買うと思うんですよね。でも、そこまでの魅力あるクルマが少ない、ということが今1番の課題であり、それを伝える役割の私にも、まだまだ足りてない部分があるんだろうなぁ。なんて、スライダーを見ながら1人反省会をしてしまいました。

東京ドイツ村には冷房が効いた無料の休憩室があるのですが、なんとそこには子供用のボルダリングが! 無料で遊べて子供たちは大喜びでした

 乗り物そのものがまず魅力的で、それにプラスして、乗り物を降りた先での楽しみ、例えば会いたい人ややりたいこと、感動的な絶景などが待っていること。それが揃えば、もっともっと人の心を動かすことができるんだろうなぁと、その原点を見たような気がしたのでした。

 東京ドイツ村は、一面に絨緞のように咲き誇る春の芝桜、夏のひまわり、秋のコスモスと、四季折々の花たちによる絶景や、冬の壮大なイルミネーションでも有名なところです。小さな子供から大人まで一緒に楽しめるので、ぜひ皆さんも出かけてみてくださいね♪

入園料が大人800円、小人(4歳~小学生)400円、乗用車1台1000円かかりますが、園内はクルマに乗ったまま各エリアを移動でき、3000台ある駐車スペースの近いところに停められるのが便利な東京ドイツ村。いくつかある無料あそびエリアの1つ、スポーツランド。バスケットボールやサッカー、ストラックアウト、1輪車や竹馬などが全て無料で楽しめます。運動会の定番競技「たま入れ」もあったので、秋の運動会に向けて練習するのもいいかも!?

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。